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第8章 魔王国編
第224話 嵐の予感
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「我が一族とお前の一族との交流もあるから一度合わせてもらえるか? お前の母親に」
アルコンから突然の申し出だが、おかしな話では無い。
遥か昔に国を出たが、今一度王族と合流する為に現女王に会いたいと言っているからだ。
「分かった。その事も伝えておくよ」
「すまんな、モンドリアン」
アルコンが”モンドリアン”と言ってエルヴィーノを見る時は、実に温かい目をしていた。
そこにシオンが意見する。
「アルコンよ。お前達種族の王が陛下の母君、女王様で有れば陛下は皇太子では無いのか?」
「そ、そうだな」
「いくら同一種族と言えども皇太子に無礼な口利きは感心せんぞ」
「いや、これは失礼した」
うんうんと納得したシオンだが、堅苦しいのが嫌いなエルヴィーノだ。
そうこうしていると「宴の準備が整いました」と連絡が有った。
そして、宴は始まった。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
(・・・達よ、私の所に来てくれますか)
((承知いたしました))
トレ・デ・エスピナスの一室で待つ1人の男。
扉を叩き、入室する2人の男。
「2人共座りなさい。また、君達の力を借りようと思ったのだが」
そこにはバレンティアとカマラダが座っていた。
「モンドリアンさんの動向は掴んでいますか?」
「ハイ。前回以降、常に気にかけております」
「何か又厄介毎に巻き込まれているようですねぇ。本当に楽しい人だ。流石は運命の男ですね」
生真面目なバレンティアと、知性は高いのだが退屈が嫌いなカマラダだ。
「知っているようにフィドキアは特命が有るので、よっぽどの事が無い限り係われないから君たちの協力を要望する」
「承知しました。しかし、コラソン様。あの地域は」
「分かっている。アレの介入も計算に入れてある」
「大丈夫ですか? アレは感情で動くので予測が難しいですよ」
「うむ。新しい嫁次第だがな」
バレンティアとカマラダは”アレ”が気になって仕方ないようだ。
「兎に角、ラソンには言うなよ」
「「はっ」」
(((あの2人が会えば災害が起こるからなぁ)))
同じ事を考えていた人外の存在達だった。
地上における生物との接触は五人の龍人に任されていた。
それぞれの管轄を持ち互いに干渉しない様にしていたのだ。
因みにコラソン(オルギデア・ロサ・ティロだが本当の名はロサだ)は龍人では無い。
現在もう一体の龍人は、エルヴィーノと離れた場所を管轄にしていた為、接触が無かったがノタルム国に出入りするとなれば”例のヤツ”が必ず、いや絶対に関わって来ると三人は予測していた。
ペンタガラマにも一か所だけ石像の無い龍の塔が有り、その象徴と呼べる者だ。
しかし、三人の男達は同じ事を思っていた。
(((アレが出張ると面倒だなぁ。パパッと済ませるようにモンドリアンさんに助言しようかなぁ)))
ブルブルと頭を振り自らの考えを否定する。
(((イカンイカン。我らが口出ししてはダメなのだ)))
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
前回とは違い多少大きな宴会場では、エルヴィーノにアルコン、シオン、ジャンドール王に三兄弟が飲んで食べてノタルム族の女達が躍る種族舞踊を楽しんでいた。
だがシーラ嬢はいない。
何故なら主役だからだ。
御付の者と”部屋の支度”と念入りな衣装合わせに化粧などで手間取っていた。
「姫様、今宵は姫様の魅力を使いあの者を虜にするのでね」
「ええ、そうよ。必ず私のモノにして見せるわ」
確固たる決意を胸に、その瞳の奥には淫靡な炎が揺らめいていた。
「虜にさえすれば、何もしなくとも良いのですから」
ずる賢く微笑む御付の者の言葉を聞きながら(でも、あの角なら・・・)と自分の欲望が燻ぶっているシーラだった。
着飾ったシーラ嬢は御付の者達と宴会場へやって来た。
「「「おおおっ」」」
全員がシーラ嬢を見て唸る。
いつもは軽装備の鎧を身に付けているが、今回は剣や盾の代わりに美しい宝石や衣服を身に纏っていた。
親兄弟は嬉しそうに見ているが、アルコンは目のやり場に困っていた。
なぜなら露出の多い衣装だからだ。
しかしシオンは弁えている。
シーラが主の女になる為に”おめかし”しているのだと。
だが、エルヴィーノは二つの”考え”が有った。
1つは、あれだけ”殺す、殺す”と言って追い回していたのに、この変わり様は絶対に何か有ると思っていた。
そしてもう1つはエルヴィーノの意思とは関係無く視界からの情報で”血液が逆流し”臨戦態勢を取る馬鹿者だ。
(やれやれ全く困ったモノだ)
警戒心全開のエルヴィーノはシーラ嬢が着飾った姿の美貌を褒める事などせず、周りの話しに合わせていた。
(もしかして、この食事用のナイフで切りかかって来るのかなぁ?)
疑惑は有りえない事も妄想させ1人でシーラの動きを見張っていたが、シーラは妄想していた。
(ああん、あの角をどうやって出してもらおうかなぁ)
2人は全く別の世界に入っていた。
一方は疑心暗鬼で一方は欲望の扉の前でモジモジと上目遣いだった。
宴会も頃合いで飲んだ物が出る尿意を感じたので、断って退席するエルヴィーノだ。
廊下に出ると案内されるのだが、部屋の中ではシーラに言葉が送られていた。
「シーラよ。健闘を祈る」
「大願成就を待っているぞ」
「ガンバレ」
「シーラだったら出来るよ」
親兄弟から魅力を使って虜にする事に声援を送っているが、アルコンとシオンには子作りを応援しているように聞こえていた。
頬を赤く染めて「任せて!」と言って外に出て行った。
「シオンよ、明日はお前とモンドリアンが一緒に転移するのだな?」
「はい。そのように伺っていますが」
「どの位で戻るのだ?」
「それは陛下がお決めになる事ですぞ」
「ふむ。しかしシーラとはまだ出会って幾ばくも無いからのぉ」
「おおっ花嫁の為でしたら、我からも提案致しますぞ」
「頼むシオン」
そう言って頭を下げる国王に驚いたシオン。
それだけ娘の事を気にかけているのだと思ったのだが、実際はちゃんと魅力に掛り言う事を聞くか確かめたい”魔王”だった。
用を足し、戻ろうと思い廊下に出るとシーラが待っていた。
「これを使ってください」
差し伸べられたのは温かいタオルだった。
手を拭くと御付の者が受け取り「では参りましょう」と言って御付の者が先を歩き後からシーラと2人で付いて行く。
エルヴイーノはてっきり先ほどまでの宴会場に戻るのだと思っていた。
(わざわざ迎えに来る事も無いのに。今更俺が逃げるとでも思っているのかなぁ)
すると用を足しに来た廊下と違っている事に気づく。
「あのさぁ、案会場は向こうの廊下じゃないのか?」
無言のまま前を歩く御付の者と、寄り添うように隣を歩くシーラ嬢が他人行儀に答えてくれた。
「こちらの順路で大丈夫です」
もしかすると何か企んでいると思い、いつでも防御の体勢を取れるようにする思考と、その思考と切り離された”ヤツ”も何かを感じでムクムクと臨戦態勢を取りつつあった。
先程の宴会場から大分離れた所に案内されたエルヴィーノ。
完全に”あの試合の仕返し”だと判断し臨戦態勢を取りつつ付いて行くと、階段を上がって行く。
(あれ、何処に行くんだろう。上の階に戦う場所なんてあるのか?)
迷路のように進んで行くと「こちらになります」と先頭を歩いていた御付の者が扉の前でお辞儀をした。
シーラ嬢が扉を開き「入って」と部屋の中へ入る様に進める。
仕方なく言われた通りに入ると綺麗に整った部屋だ。
御付の者も全員その部屋に入る。
「では、シーラ姫様、モンドリアン様、心行くまでお楽しみくださいませ」
そう言って奥の扉の前で2列になりお辞儀をしているシーラ付きの世話係り。
この時エルヴィーノは直感した。
(しまった。こんなに早く仕掛けて来るとはっ! どうしよう)
扉を開けて中に入るシーラが、まだ奥の部屋に入って来ないエルヴィーノを見て催促する。
「さぁ、早く」
それでも考えているエルヴイーノに周りの女達がグイグイ後ろから押してくる。
「どうぞ中へ」
「わ、分かったから押すな」
仕方なく部屋に入ると扉が閉まり”ガタンッ”と大きな音がしたのは、中からは出られない様にされたのだった。
「あ、あのぉ、アレを出してもらえますか?」
いきなり相棒を見せろとは、大胆な事を言う子だと思ったエルヴィーノはズボンを下そうとする。
「ち、違う! 何を勘違いしているのだ!」
「えっ」
目の前には大きなベッドが有り、問われた事に対する答えを出そうとしたら違ったようだ。
「さっきの角に決まっているだろう」
「なんだそっちか」
ちょっとがっかりしたが変化して、太くて反り返った大きな2本の角を出した。
どうやらシーラは黒光りした角にそそられている様だ。
出す前と後では目が違う。
(す、凄い! この角を私だけの物にして見せるわ)
ウットリして見ていたシーラ嬢はフッと我に返り指示した。
「では身体を洗って来てください」
そう言って部屋の片隅に有る洗い場に案内された。
(その間に私も準備しないと)
シーラは着ていた露出の高い衣装を脱ぎ、スケスケの衣装に着替えた。
スケスケの下は布が2つだけだ。
シーラは自らの力を封印していた耳飾りを外し、シーラに備わった魔眼の力を解放させていた。
(洗い場から出てきたら最後よ。後は私の魅力で言いなりにしてやるわ)
☆
普段とは逆に魅力を使われる事となるエルヴィーノ。
アルコンから突然の申し出だが、おかしな話では無い。
遥か昔に国を出たが、今一度王族と合流する為に現女王に会いたいと言っているからだ。
「分かった。その事も伝えておくよ」
「すまんな、モンドリアン」
アルコンが”モンドリアン”と言ってエルヴィーノを見る時は、実に温かい目をしていた。
そこにシオンが意見する。
「アルコンよ。お前達種族の王が陛下の母君、女王様で有れば陛下は皇太子では無いのか?」
「そ、そうだな」
「いくら同一種族と言えども皇太子に無礼な口利きは感心せんぞ」
「いや、これは失礼した」
うんうんと納得したシオンだが、堅苦しいのが嫌いなエルヴィーノだ。
そうこうしていると「宴の準備が整いました」と連絡が有った。
そして、宴は始まった。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
(・・・達よ、私の所に来てくれますか)
((承知いたしました))
トレ・デ・エスピナスの一室で待つ1人の男。
扉を叩き、入室する2人の男。
「2人共座りなさい。また、君達の力を借りようと思ったのだが」
そこにはバレンティアとカマラダが座っていた。
「モンドリアンさんの動向は掴んでいますか?」
「ハイ。前回以降、常に気にかけております」
「何か又厄介毎に巻き込まれているようですねぇ。本当に楽しい人だ。流石は運命の男ですね」
生真面目なバレンティアと、知性は高いのだが退屈が嫌いなカマラダだ。
「知っているようにフィドキアは特命が有るので、よっぽどの事が無い限り係われないから君たちの協力を要望する」
「承知しました。しかし、コラソン様。あの地域は」
「分かっている。アレの介入も計算に入れてある」
「大丈夫ですか? アレは感情で動くので予測が難しいですよ」
「うむ。新しい嫁次第だがな」
バレンティアとカマラダは”アレ”が気になって仕方ないようだ。
「兎に角、ラソンには言うなよ」
「「はっ」」
(((あの2人が会えば災害が起こるからなぁ)))
同じ事を考えていた人外の存在達だった。
地上における生物との接触は五人の龍人に任されていた。
それぞれの管轄を持ち互いに干渉しない様にしていたのだ。
因みにコラソン(オルギデア・ロサ・ティロだが本当の名はロサだ)は龍人では無い。
現在もう一体の龍人は、エルヴィーノと離れた場所を管轄にしていた為、接触が無かったがノタルム国に出入りするとなれば”例のヤツ”が必ず、いや絶対に関わって来ると三人は予測していた。
ペンタガラマにも一か所だけ石像の無い龍の塔が有り、その象徴と呼べる者だ。
しかし、三人の男達は同じ事を思っていた。
(((アレが出張ると面倒だなぁ。パパッと済ませるようにモンドリアンさんに助言しようかなぁ)))
ブルブルと頭を振り自らの考えを否定する。
(((イカンイカン。我らが口出ししてはダメなのだ)))
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
前回とは違い多少大きな宴会場では、エルヴィーノにアルコン、シオン、ジャンドール王に三兄弟が飲んで食べてノタルム族の女達が躍る種族舞踊を楽しんでいた。
だがシーラ嬢はいない。
何故なら主役だからだ。
御付の者と”部屋の支度”と念入りな衣装合わせに化粧などで手間取っていた。
「姫様、今宵は姫様の魅力を使いあの者を虜にするのでね」
「ええ、そうよ。必ず私のモノにして見せるわ」
確固たる決意を胸に、その瞳の奥には淫靡な炎が揺らめいていた。
「虜にさえすれば、何もしなくとも良いのですから」
ずる賢く微笑む御付の者の言葉を聞きながら(でも、あの角なら・・・)と自分の欲望が燻ぶっているシーラだった。
着飾ったシーラ嬢は御付の者達と宴会場へやって来た。
「「「おおおっ」」」
全員がシーラ嬢を見て唸る。
いつもは軽装備の鎧を身に付けているが、今回は剣や盾の代わりに美しい宝石や衣服を身に纏っていた。
親兄弟は嬉しそうに見ているが、アルコンは目のやり場に困っていた。
なぜなら露出の多い衣装だからだ。
しかしシオンは弁えている。
シーラが主の女になる為に”おめかし”しているのだと。
だが、エルヴィーノは二つの”考え”が有った。
1つは、あれだけ”殺す、殺す”と言って追い回していたのに、この変わり様は絶対に何か有ると思っていた。
そしてもう1つはエルヴィーノの意思とは関係無く視界からの情報で”血液が逆流し”臨戦態勢を取る馬鹿者だ。
(やれやれ全く困ったモノだ)
警戒心全開のエルヴィーノはシーラ嬢が着飾った姿の美貌を褒める事などせず、周りの話しに合わせていた。
(もしかして、この食事用のナイフで切りかかって来るのかなぁ?)
疑惑は有りえない事も妄想させ1人でシーラの動きを見張っていたが、シーラは妄想していた。
(ああん、あの角をどうやって出してもらおうかなぁ)
2人は全く別の世界に入っていた。
一方は疑心暗鬼で一方は欲望の扉の前でモジモジと上目遣いだった。
宴会も頃合いで飲んだ物が出る尿意を感じたので、断って退席するエルヴィーノだ。
廊下に出ると案内されるのだが、部屋の中ではシーラに言葉が送られていた。
「シーラよ。健闘を祈る」
「大願成就を待っているぞ」
「ガンバレ」
「シーラだったら出来るよ」
親兄弟から魅力を使って虜にする事に声援を送っているが、アルコンとシオンには子作りを応援しているように聞こえていた。
頬を赤く染めて「任せて!」と言って外に出て行った。
「シオンよ、明日はお前とモンドリアンが一緒に転移するのだな?」
「はい。そのように伺っていますが」
「どの位で戻るのだ?」
「それは陛下がお決めになる事ですぞ」
「ふむ。しかしシーラとはまだ出会って幾ばくも無いからのぉ」
「おおっ花嫁の為でしたら、我からも提案致しますぞ」
「頼むシオン」
そう言って頭を下げる国王に驚いたシオン。
それだけ娘の事を気にかけているのだと思ったのだが、実際はちゃんと魅力に掛り言う事を聞くか確かめたい”魔王”だった。
用を足し、戻ろうと思い廊下に出るとシーラが待っていた。
「これを使ってください」
差し伸べられたのは温かいタオルだった。
手を拭くと御付の者が受け取り「では参りましょう」と言って御付の者が先を歩き後からシーラと2人で付いて行く。
エルヴイーノはてっきり先ほどまでの宴会場に戻るのだと思っていた。
(わざわざ迎えに来る事も無いのに。今更俺が逃げるとでも思っているのかなぁ)
すると用を足しに来た廊下と違っている事に気づく。
「あのさぁ、案会場は向こうの廊下じゃないのか?」
無言のまま前を歩く御付の者と、寄り添うように隣を歩くシーラ嬢が他人行儀に答えてくれた。
「こちらの順路で大丈夫です」
もしかすると何か企んでいると思い、いつでも防御の体勢を取れるようにする思考と、その思考と切り離された”ヤツ”も何かを感じでムクムクと臨戦態勢を取りつつあった。
先程の宴会場から大分離れた所に案内されたエルヴィーノ。
完全に”あの試合の仕返し”だと判断し臨戦態勢を取りつつ付いて行くと、階段を上がって行く。
(あれ、何処に行くんだろう。上の階に戦う場所なんてあるのか?)
迷路のように進んで行くと「こちらになります」と先頭を歩いていた御付の者が扉の前でお辞儀をした。
シーラ嬢が扉を開き「入って」と部屋の中へ入る様に進める。
仕方なく言われた通りに入ると綺麗に整った部屋だ。
御付の者も全員その部屋に入る。
「では、シーラ姫様、モンドリアン様、心行くまでお楽しみくださいませ」
そう言って奥の扉の前で2列になりお辞儀をしているシーラ付きの世話係り。
この時エルヴィーノは直感した。
(しまった。こんなに早く仕掛けて来るとはっ! どうしよう)
扉を開けて中に入るシーラが、まだ奥の部屋に入って来ないエルヴィーノを見て催促する。
「さぁ、早く」
それでも考えているエルヴイーノに周りの女達がグイグイ後ろから押してくる。
「どうぞ中へ」
「わ、分かったから押すな」
仕方なく部屋に入ると扉が閉まり”ガタンッ”と大きな音がしたのは、中からは出られない様にされたのだった。
「あ、あのぉ、アレを出してもらえますか?」
いきなり相棒を見せろとは、大胆な事を言う子だと思ったエルヴィーノはズボンを下そうとする。
「ち、違う! 何を勘違いしているのだ!」
「えっ」
目の前には大きなベッドが有り、問われた事に対する答えを出そうとしたら違ったようだ。
「さっきの角に決まっているだろう」
「なんだそっちか」
ちょっとがっかりしたが変化して、太くて反り返った大きな2本の角を出した。
どうやらシーラは黒光りした角にそそられている様だ。
出す前と後では目が違う。
(す、凄い! この角を私だけの物にして見せるわ)
ウットリして見ていたシーラ嬢はフッと我に返り指示した。
「では身体を洗って来てください」
そう言って部屋の片隅に有る洗い場に案内された。
(その間に私も準備しないと)
シーラは着ていた露出の高い衣装を脱ぎ、スケスケの衣装に着替えた。
スケスケの下は布が2つだけだ。
シーラは自らの力を封印していた耳飾りを外し、シーラに備わった魔眼の力を解放させていた。
(洗い場から出てきたら最後よ。後は私の魅力で言いなりにしてやるわ)
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普段とは逆に魅力を使われる事となるエルヴィーノ。
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