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第7章 レース編
第181話 クラベルからグリシナ経由のイグレシア
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二日目当日の朝、アルモニアの選手とバリエンテの選手に”ある事”を教えるイベントが有った。
遡る事数週間前。
マルソ殿との打ち合わせで相談を受けたのだ。
「王国内でグリシナだけでは良く無いのでは?」
「それはどのような意味ですか?」
「ふむ。グリシナは私とアブリルが出会った町だからだ」
「なるほど」
直ぐに理解した。
クラベルはエルヴィーノとロリが出会った場所だ。
”他の二組の出会った場所にも寄った方が良い”と言う事だ。
だから急遽マルソ殿に場所の選定をしてもらい、数か所ある中でエルフ達が”選ばせた”のは、ハルディーン町(エネロとフェブレロ出会いの町)と、カサドール町(リアムとプリマベラ出会いの町)だったそうだ。
そして何を買わせるかだが、ハルディーン町では、赤い花、白い花でハズレが斧だ。
何故ハズレかと言うと、単に重いからだ。
カサドール町では、干し肉、毛皮でハズレが桶だ。
大きさは多々有るが、持って運ぶとなると邪魔になりそうだから桶になった。
2日目は買い物レースだが、北の町グリシナだけ通達してあった。
事前にエルフ達に選んでもらい、今朝獣人族に教えるのだ。
この時点で順路を知っているのはメディテッラネウスの選手だけだ。
ただし、国内の地理を知っているアルモニアの選手。
地図を頼りに進むか、2か国の後を追うかの選択をするバリエンテの選手。
早朝の案内で関係者が慌ただしく動いている。
朝食をしっかり取る選手達を横目に作戦の練り直しだ。
今回はルートが自由な長距離お買い物レースなので、新しく加わった2か所をどのように進むかが問題だ。
だが、選択肢は余り無く安全かつ最短となれば、ルートはほぼ1つなのだ。
今日は前日の順位でスタートするが、
(3,フリオ・カデラ)、(8,カニーチェ)、(5,バスティアン)、(2,カミラ)、(9,ビエルナス)、(6,ブオ)、(7,ネル)、(4,リアム)、(1,ローガン)の順で時間差が5秒だ。
次々に飛び立って行く選手達だ。
わずか5秒の差だが先頭と最後尾は40秒の差は見ている感じはかなりある。
だが、各国の作戦会議では味方の後続よりも敵を意識し、道順を間違えない様にする事を重要視していた。
特に先頭の3人だ。
後ろを意識するよりも道順を優先し、魔法を使われたら交差時にやり返す事でフリオの意識をレースに集中させた。
アンドレアの指示は、前日同様に”足”で稼いだ方が良いと判断。
無駄に魔法を使い後続に抜かれる事の無い様にする事が大前提だった。
バスティアンもしかりだが一番気楽な位置で最後までやり過ごす作戦だ。
まず目指すのは、ハルディーン町(エネロとフェブレロ出会いの町)で、次が地方都市グリシナ(マルソとアブリル出会いの街)。
その次がカサドール町(リアムとプリマベラ出会いの町)で、最後が王都イグレシアだ。
因みにハルディーン町とカサドール町は余り発展していない。
理由は街道と交差しておらず、辺鄙な場所に有り交通が不便なのだ。
しかし、今回レースの中継地点として注目を集める事になる。
選手たちは上限速度を上限高度で飛ばし、ほぼ一列になって進んで行った。
ハルディーン町はのどかな田園風景の中にポツンと集落が有る。
見渡す限り様々な作物が作られている。
そんな何も無い一面の田園風景を見ながらフリオは思った。
(一体どこまで続いているんだろう)
メディテッラネウスよりも広い田園や畑ばかりの風景に多少不安ぎみだった。
自国ならば既に一周以上の距離をひたすら北上しているのだから無理も無い。
何しろ初めて国を出たのだから。
そうこうしている内に遠くの丘に建物が見えてきた。
(あそこだ!)
平屋の建物が幾つか並び、一番大きな建物は教会だった。
近づくとレースの案内板が掲げて有り、次々と到着して機体を置き駆け出す選手達。
「さぁ、選手の皆さんはこちらで”くじ引き”してくださぁい」
まずは駆けつけたフリオが箱に手を入れる。
「中の紙を一杯だけ引いてくださいねぇ」
言われるままに取り出して見るが読めないフリオは係員に見せて教えてもらった。
「赤い花ですね」
急いで町に向う。
続いてカニーチェだが、同じく読めない。
「白い花ですね」
続いてバスティアンだ。
くじを見て黙ったまま駆け出した。
それ以降はカミラが赤い花。
ビエルナスが白い花。
ブオが白い花。
ネルが斧。
リアムが斧。
ローガンが赤い花だった。
買い物は”これが欲しい”と町の誰にでも伝え、くじで引いた紙を見せれば物をもらえるのだ。
買い物だがお金は不要だ。
後から運営委員から支払われる。
そして今日は到着順では無く、出発順に連絡させる様にしたのだ。
町には花屋が有り2人以外が花を買いに来た。
くじ券は切り離され花と一緒に大切に鞄に入れられた。
そして次々と走り出す。
そして飛び立って行く選手達。
先頭は各国の参謀が想定していた通りになった。
順位は(8,カニーチェ)、(3,フリオ・カデラ)、(5,バスティアン)、(2,カミラ)、(9,ビエルナス)、(1,ローガン)、(6,ブオ)、(7,ネル)、(4,リアム)だ。
ローガンが特に頑張った訳では無い。
ブオが特に足が遅いだけだ。
そして、斧を売っている店が花屋よりも遠かっただけである。
一応ハズレで順位が変わりレースが面白くなると思っていたのだが、マルソ殿と2人でガックリしてしまった。
「まぁ、まだ二か所の買い物も有るから解らないぞ」と言うマルソ殿だった。
その頃ロザリー達は一報を聞いて、本格的にフリオを鍛える計画を考え始めた。
ポルトンを交え今後メディテッラネウスでも選抜レースも行なう事で同意し、基礎体力や地理も教える事など討論していたのだった。
一行が向っているのは、北の都市グリシナだ。
王都イグレシアを意識して発展した街だ。
人々の意識が高い。
田園地帯を抜けると見渡す限りの草原と青い空が一面に広がる。
これに感動したのがカニーチェだった。
「綺麗だ・・・」
二色のコントラストがカニーチェの目に焼き付いて、思考は草原を思いっきり走っている風景だった。
しかし、いつまでも続くと思われた風景は徐々に家や建物が目に着き、次第に街へと変わって行った。
案内板の示す方向に飛んで行き、所定の場所に降り立ち抽選場に駆けだす一行。
「皆さぁん、こちらですよぉ」
手を振っている綺麗なお姉さんに見とれる事も無く、抽選箱に手を突っ込むカニーチェだった。
「これ、何て言うの?」
「名物料理ですよ」
「名物料理・・・」
「あっお弁当もお持ちください」
そう言って手渡されたのが昼の軽食だった。
しかし、カニーチェには名物料理が何なのか解らなく周りをキョロキョロとしていた。
そしてフリオが引いたのは「綺麗な花ですね」そう聞いて駆け出した。
そしてバスティアンだが。
くじを引き駆け出した。
それ以降はカミラが名物料理。
ビエルナスが名物料理。
ローガンが綺麗な花。
ブオが綺麗な花。
ネルが特産人物石像。
リアムが特産人物石像だった。
しかし、本来ハズレの特産人物石像を売っている店が直ぐ目の前に有り、続いて花屋。
何処にでも有りそうな名物料理が遠かったのだ。
そこまではエルヴィーノも考えてはおらず面白い結果で出発した。
出発した順位は(4,リアム)、(7,ネル)、(3,フリオ・カデラ)、(1,ローガン)、(6,ブオ)、(5,バスティアン)、(2,カミラ)、(9,ビエルナス)、(8,カニーチェ) だ。
リアム殿とネル殿は等身大のマルソ殿の石像をアウメンタール・ラ・フォルサ・ムスクラールと、カパシダ・フィジィカ・メホラを使い軽々と持ち運んだと言う。
バスティアンは当然この街の事も知っているので早かった。
カミラとビエルナスは人に聞いて買ったらしい。
問題のカニーチェだが1人で焦っていたようで、迷子になったそうだ。
そして、この一報を聞いて喜んだのは教会関係者と、尻尾の生えている人達だ。
だが、理由が解らなかった。
最後尾の2人がどうして先頭になったのかだ。
しかも、先頭のカニーチェが最後尾になったのなら何かしら理由が有ったのだと全員が思ったが、フリオが検討しているのに驚いたのだ。
既に感極まって泣いているメイド長が1人いるが放置して、それぞれが考えていた所に配置されていたベルデボラの特派員から詳細が送られて来た。
☆
幸運を呼ぶ男フリオ・カデラ
股に名を持つ、腰・振男がやってくれます。
遡る事数週間前。
マルソ殿との打ち合わせで相談を受けたのだ。
「王国内でグリシナだけでは良く無いのでは?」
「それはどのような意味ですか?」
「ふむ。グリシナは私とアブリルが出会った町だからだ」
「なるほど」
直ぐに理解した。
クラベルはエルヴィーノとロリが出会った場所だ。
”他の二組の出会った場所にも寄った方が良い”と言う事だ。
だから急遽マルソ殿に場所の選定をしてもらい、数か所ある中でエルフ達が”選ばせた”のは、ハルディーン町(エネロとフェブレロ出会いの町)と、カサドール町(リアムとプリマベラ出会いの町)だったそうだ。
そして何を買わせるかだが、ハルディーン町では、赤い花、白い花でハズレが斧だ。
何故ハズレかと言うと、単に重いからだ。
カサドール町では、干し肉、毛皮でハズレが桶だ。
大きさは多々有るが、持って運ぶとなると邪魔になりそうだから桶になった。
2日目は買い物レースだが、北の町グリシナだけ通達してあった。
事前にエルフ達に選んでもらい、今朝獣人族に教えるのだ。
この時点で順路を知っているのはメディテッラネウスの選手だけだ。
ただし、国内の地理を知っているアルモニアの選手。
地図を頼りに進むか、2か国の後を追うかの選択をするバリエンテの選手。
早朝の案内で関係者が慌ただしく動いている。
朝食をしっかり取る選手達を横目に作戦の練り直しだ。
今回はルートが自由な長距離お買い物レースなので、新しく加わった2か所をどのように進むかが問題だ。
だが、選択肢は余り無く安全かつ最短となれば、ルートはほぼ1つなのだ。
今日は前日の順位でスタートするが、
(3,フリオ・カデラ)、(8,カニーチェ)、(5,バスティアン)、(2,カミラ)、(9,ビエルナス)、(6,ブオ)、(7,ネル)、(4,リアム)、(1,ローガン)の順で時間差が5秒だ。
次々に飛び立って行く選手達だ。
わずか5秒の差だが先頭と最後尾は40秒の差は見ている感じはかなりある。
だが、各国の作戦会議では味方の後続よりも敵を意識し、道順を間違えない様にする事を重要視していた。
特に先頭の3人だ。
後ろを意識するよりも道順を優先し、魔法を使われたら交差時にやり返す事でフリオの意識をレースに集中させた。
アンドレアの指示は、前日同様に”足”で稼いだ方が良いと判断。
無駄に魔法を使い後続に抜かれる事の無い様にする事が大前提だった。
バスティアンもしかりだが一番気楽な位置で最後までやり過ごす作戦だ。
まず目指すのは、ハルディーン町(エネロとフェブレロ出会いの町)で、次が地方都市グリシナ(マルソとアブリル出会いの街)。
その次がカサドール町(リアムとプリマベラ出会いの町)で、最後が王都イグレシアだ。
因みにハルディーン町とカサドール町は余り発展していない。
理由は街道と交差しておらず、辺鄙な場所に有り交通が不便なのだ。
しかし、今回レースの中継地点として注目を集める事になる。
選手たちは上限速度を上限高度で飛ばし、ほぼ一列になって進んで行った。
ハルディーン町はのどかな田園風景の中にポツンと集落が有る。
見渡す限り様々な作物が作られている。
そんな何も無い一面の田園風景を見ながらフリオは思った。
(一体どこまで続いているんだろう)
メディテッラネウスよりも広い田園や畑ばかりの風景に多少不安ぎみだった。
自国ならば既に一周以上の距離をひたすら北上しているのだから無理も無い。
何しろ初めて国を出たのだから。
そうこうしている内に遠くの丘に建物が見えてきた。
(あそこだ!)
平屋の建物が幾つか並び、一番大きな建物は教会だった。
近づくとレースの案内板が掲げて有り、次々と到着して機体を置き駆け出す選手達。
「さぁ、選手の皆さんはこちらで”くじ引き”してくださぁい」
まずは駆けつけたフリオが箱に手を入れる。
「中の紙を一杯だけ引いてくださいねぇ」
言われるままに取り出して見るが読めないフリオは係員に見せて教えてもらった。
「赤い花ですね」
急いで町に向う。
続いてカニーチェだが、同じく読めない。
「白い花ですね」
続いてバスティアンだ。
くじを見て黙ったまま駆け出した。
それ以降はカミラが赤い花。
ビエルナスが白い花。
ブオが白い花。
ネルが斧。
リアムが斧。
ローガンが赤い花だった。
買い物は”これが欲しい”と町の誰にでも伝え、くじで引いた紙を見せれば物をもらえるのだ。
買い物だがお金は不要だ。
後から運営委員から支払われる。
そして今日は到着順では無く、出発順に連絡させる様にしたのだ。
町には花屋が有り2人以外が花を買いに来た。
くじ券は切り離され花と一緒に大切に鞄に入れられた。
そして次々と走り出す。
そして飛び立って行く選手達。
先頭は各国の参謀が想定していた通りになった。
順位は(8,カニーチェ)、(3,フリオ・カデラ)、(5,バスティアン)、(2,カミラ)、(9,ビエルナス)、(1,ローガン)、(6,ブオ)、(7,ネル)、(4,リアム)だ。
ローガンが特に頑張った訳では無い。
ブオが特に足が遅いだけだ。
そして、斧を売っている店が花屋よりも遠かっただけである。
一応ハズレで順位が変わりレースが面白くなると思っていたのだが、マルソ殿と2人でガックリしてしまった。
「まぁ、まだ二か所の買い物も有るから解らないぞ」と言うマルソ殿だった。
その頃ロザリー達は一報を聞いて、本格的にフリオを鍛える計画を考え始めた。
ポルトンを交え今後メディテッラネウスでも選抜レースも行なう事で同意し、基礎体力や地理も教える事など討論していたのだった。
一行が向っているのは、北の都市グリシナだ。
王都イグレシアを意識して発展した街だ。
人々の意識が高い。
田園地帯を抜けると見渡す限りの草原と青い空が一面に広がる。
これに感動したのがカニーチェだった。
「綺麗だ・・・」
二色のコントラストがカニーチェの目に焼き付いて、思考は草原を思いっきり走っている風景だった。
しかし、いつまでも続くと思われた風景は徐々に家や建物が目に着き、次第に街へと変わって行った。
案内板の示す方向に飛んで行き、所定の場所に降り立ち抽選場に駆けだす一行。
「皆さぁん、こちらですよぉ」
手を振っている綺麗なお姉さんに見とれる事も無く、抽選箱に手を突っ込むカニーチェだった。
「これ、何て言うの?」
「名物料理ですよ」
「名物料理・・・」
「あっお弁当もお持ちください」
そう言って手渡されたのが昼の軽食だった。
しかし、カニーチェには名物料理が何なのか解らなく周りをキョロキョロとしていた。
そしてフリオが引いたのは「綺麗な花ですね」そう聞いて駆け出した。
そしてバスティアンだが。
くじを引き駆け出した。
それ以降はカミラが名物料理。
ビエルナスが名物料理。
ローガンが綺麗な花。
ブオが綺麗な花。
ネルが特産人物石像。
リアムが特産人物石像だった。
しかし、本来ハズレの特産人物石像を売っている店が直ぐ目の前に有り、続いて花屋。
何処にでも有りそうな名物料理が遠かったのだ。
そこまではエルヴィーノも考えてはおらず面白い結果で出発した。
出発した順位は(4,リアム)、(7,ネル)、(3,フリオ・カデラ)、(1,ローガン)、(6,ブオ)、(5,バスティアン)、(2,カミラ)、(9,ビエルナス)、(8,カニーチェ) だ。
リアム殿とネル殿は等身大のマルソ殿の石像をアウメンタール・ラ・フォルサ・ムスクラールと、カパシダ・フィジィカ・メホラを使い軽々と持ち運んだと言う。
バスティアンは当然この街の事も知っているので早かった。
カミラとビエルナスは人に聞いて買ったらしい。
問題のカニーチェだが1人で焦っていたようで、迷子になったそうだ。
そして、この一報を聞いて喜んだのは教会関係者と、尻尾の生えている人達だ。
だが、理由が解らなかった。
最後尾の2人がどうして先頭になったのかだ。
しかも、先頭のカニーチェが最後尾になったのなら何かしら理由が有ったのだと全員が思ったが、フリオが検討しているのに驚いたのだ。
既に感極まって泣いているメイド長が1人いるが放置して、それぞれが考えていた所に配置されていたベルデボラの特派員から詳細が送られて来た。
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幸運を呼ぶ男フリオ・カデラ
股に名を持つ、腰・振男がやってくれます。
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