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第5章 棘城編

第148話 至高の美容魔法

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これはパウリナに施したスプレモ・デセオ・マヒア究極魔法の脂肪移動で“あの二人”に匹敵するほどの霊峰になってからの出来事だ。

ある日、妻達三人でお風呂に入っている時に一人が気づいた事から始まる。

「ねぇ、パウリなの胸が大きくなってない?」
「あれっ本当だ、前よりずっと大きくなってる」
「そんな事無いよぉ、少しだけだよぉ」
「いいえ、確実に私達に匹敵するほど大きくなっているわ」

モジモジとするパウリナの胸をジロジロと見定める2人の姉嫁。

「やっぱりデカくなってる」
「どうしてなの!?」
ロザリーが問いただす。

「そっそれは・・・」
パウリナの目線がロリに向いたので察したロザリー。

「ロリィあなた知っているわね」
とばっちりが来たと思って何とか躱そうとするロリは自己弁護した。

「私はやって無いわよ」
「何をやって無くて、パウリナは何をやったのか納得のいく説明をして頂戴」
「貴女が言いなさいよ」
「お姉様が説明してください」
風呂場で仁王立ちになるロザリーの霊峰を見上げながら妹たちは、お互いに譲り合っていた。

「そう、2人だけで私を除け者にするのね。解かったわ」
「「違います」」
しぶしぶパウリナが説明した。

「旦那様の魔法で盛り上げてもらったの」
「何ですって!」
それは胸が大きくなった事もさることながら、エルヴィーノがずっと内緒にしていた事がショックだった。

「あのぉお姉様。内緒にしていたのでは無くて、私達には必要無いからしないと言ってましたよ」
「ロリィ、貴女は家族が何をしているか知りたいでしょ?」
頷くロリ。

「貴女は知っていて自分はしなかったの?」
「あの人がこのままで良いと言ったの。お姉様もよ」
「寂しいわ、貴女が教えてくれないなんて」
「ごめんなさいお姉様。てっきりあの人が話している物だと思っていたの」
「私もごめんなさい。みんな知っていると思ったの。私はお姉様たちよりも”小さかった”から大きくしてもらったの」
ロリの謝罪に便乗するパウリナだった。

「まぁ良いわ。あの人には私一人でお仕置きするけど良いわね」
「「はい」」
今回の件は仕方ないと思った2人だった。
お仕置きと言う名の性奴隷だ。

「それでどうやって盛り上げたの?」
パウリナが説明したが、一部の魔法だったのでロリが改めてスプレモ・デセオ・マヒア究極魔法を説明し直した。

「お姉様エルフ王に使った魔法は覚えていますよね。アレを発見する過程で幾つかの効果が違う魔法を発見したそうなのです」
「本当に”あの子”は私に何も言わないで!」
激オコのロザリーは本当に怒った時は子供扱いするのだ。

「それは、サント・マヒア、ブランコ・マヒア、オスクロ・マヒアを魔力操作する合成魔法でエルヴィーノしか扱えない魔法なの」


スプレモ・デセオ・ウノは、部分的なシミ取りや傷を消す為の皮膚の活性化でサント・マヒア系。 
スプレモ・デセオ・ドスは、体内の異分子除去でブランコ・マヒア系 。
スプレモ・デセオ・トレスは、体内の血管や臓器器官の細胞活性化でサント・マヒア系。 
スプレモ・デセオ・クアトロは、脂肪除去、脂肪移動、シワ取りでオスクロ・マヒア系。
「除去は男女、移動は女性専用」
スプレモ・デセオ・プリメロは、若返り魔方陣でオスクロ・マヒア系。
「毛も生える」


「凄いわ、それだけの魔法を”あの時”作っていたなんて。そして内緒にしていたのね。許せないわ」
「お姉様。許せないなんて」
「良く聴きなさいロリ、パウリナ。私達は普通の家族とは違うの。だから皆の事は共有しないといけないわ。解かった?」

龍人の事があるので気まずい2人だが、龍人の意向で話すなと言われていると聞いているのでその事だけは固く決心していた。

「「ハイお姉様」」

改めて湯船に浸かりジッとしていたロザリーが口を開いた。

「やはり、スプレモ・デセオ・プリメロ以外全部してもらうわ」
「ええっお姉様の何処に必要ですか?」
「私はあなた達よりも長く生きているから当然よ」
「そんな事無いよ、スッゴク綺麗だし羨ましいよ」
「ありがとうパウリナ。でもね、私はしたいの。あの人の手であの人の作った魔法を感じたいの」

にこやかに話す優しい表情の義姉を見ていると自分もしたくなったので名乗りを上げた。

「じゃ私もする」
「ロリは若いから必要無いでしょ!?」
「お姉様がするなら私も魔法を体感したいの」

あくる日、エルヴィーノは早く帰るようにロザリーからエマスコで連絡が有ったので、夕方に別荘へ戻ると三人の妻達に待ち構えられていた。

「あれ、どうしたんだ三人そろって」
「あなた! スプレモ・デセオ・マヒアにはいろいろと効果の違う種類があるそうね。初めて知ったわ 」

ギクッとした焦りが顔に出たかも。と思いながら、当たり前のように答えた。

「あぁ、ロザリーとロリの完璧ボディには必要無いと思ってね」
話しがこじれないうちに逃げる体制を取る。

「ちょっとお腹が空いたな、何か食べる物ある?」
「待ちなさい。私は魔法を受けたいの」
「何でだよロザリー。何処を直すって言うんだよ。俺は今のままで満足だよ」
「でも、私はしたいの。それに今まで私にだけ内緒にしてきたから今日はお仕置きよ」

(別に構わないが最近疲れているのか長く寝たい欲求があるので早く切り上げたいが、お仕置きだと朝までだからなぁ)

「じゃこれから魔法を行えばお仕置きは無しでも良い?」
「えっ!」

ロザリーは数時間の説得、もしくはお仕置きしながらゆっくりと楽しんだ後に、魔法を体感しようと思っていたのだ。

「それで、ロザリーがするならロリもしたいんだろ?」
「もっ勿論よ」
エルヴィーノはニコッと笑い確認した。
「パウリナもするよな?」

頷いて1人小さくなっているパウリナを見て察しが付いた。
以前パウリナの胸を大きくした事で、多分ロザリーが気付いて問い詰めたのだろう。
そしてロリにも聞いて魔法の種類を知った。
三人でロリしか全ての魔法を知らないからだ。
その事は別に構わない。
エルフは長寿なので100年経っても体型は変わらないからだ。
いつかは教えようと思っていたが今になっただけの事だ。
やはり、嫉妬と欲望は違うらしい。

(まったく女って生き物はめんどくさいなぁと思っているのは俺だけか?)

「三人で良く聴いて欲しい。スプレモ・デセオ・ドスとスプレモ・デセオ・トレスは何も考えなくても健康にするだけだから問題無いが、スプレモ・デセオ・ウノは、部分的なシミ取りや傷を消すから、消したい場所を明確にして欲しい。そして一番の問題がスプレモ・デセオ・クアトロだ。脂肪除去、脂肪移動、シワ取りを自分の身体の何処をどのようにしたいのか明確にして欲しい。たとえば、胸の形だとか、お尻の形とか、顎の肉や二の腕の肉、腰回りなど。ロザリー? 考えるだけでも結構時間かかると思うよ」


腕組みしながら考えるロザリーとロリに姿見の鏡を持って来たパウリナだった。
「お姉様達どうぞ」
「あら、ありがとうパウリナ」
そう言ってロザリーは着ている衣服を脱ぎだした。

「ちょっとココで脱がなくてもさぁ」
隣ではロリも脱いでいる。
何故か、もう二台鏡を持って来たパウリナは自分の服も脱ぎだした。

我が家の応接室で妻達がすっぽんぽんになり、体中をまさぐる姿を見ている自分は・・・幸せなのか? 
いつ見ても三人とも素晴らしい体をしている。
しかし、側に居ながらまるで置物扱いの様に無視されているのはどうだろうか。
妻達の邪魔をしてはいけないのでメイドさんに食事を作ってもらう事にした。
しばらくして食べ終わっても、まだやっているので妻達の食事もお願いして自分の部屋に引き篭もった。
久しぶりの1人の時間だ。
大切に使わなくては。
溜まっていた研究魔法や魔導具や、散らかった部屋の整理もしながら優先順位を決めて行く。


そして、気が付いたら涎を垂らして机で寝ていた。
背中にはフワフワの毛布が掛けてあった。
起きると体が痛い。
慣れない椅子で寝て居たせいだろう。
寝室に行くと三人の妻達が仲良く寝ていたので邪魔をせずそのまま放置して一階の風呂場に行く。

火を起こして湯を沸かす事も出来るが1人で簡単にするには、テンペラトラ温度操作魔法を使う。
この魔法は気温だけではなく大量の水も温かくしてくれるのだ。
調理じゃあるまいし決してフエゴ・マヒア火の魔法の火炎操作で水を温めたりはしないのだ。
何故なら水が汚れるから。
まだ薄暗い明け方から熱い風呂に1人で入る贅沢。

湯船でウトウトとしていたら
「居たぁ~! 風呂場に居たよぉ~」

元気なパウリナの声で起きてしまった。
ガヤガヤと脱衣室で声が聞こえてくるとバンッと扉が開いた。
入って来たのは三人の女神たちだが、至福の時間を淫魔の性獣達に奪われる事になるのだった。





あとがき
転移は・・・ありません。すみません。
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