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第5章 棘城編

第137話 視察

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エルフ国メディテッラネウスでゲレミオの責任者を任命されたコルト家当主ポルトン・デ・コルト。
執事のコンフィ・アンサはポルトンの代理として様々活動の手助けをして知識と理解を深めポルトンに報告する役割となる。
ゲレミオの売上金の保管場所は王宮で親衛隊隊長の部下ミシェルが担当だと説明してある。
その事に対してポルトンからベタ褒めだったようだ。

「誰かに預けるのではなく、王宮に保管するとは流石は陛下だ。王宮をそのように使う発想が思い付くとは一体どのような頭脳なのか図り知れん」

頷く執事のコンフィ・アンサ。
「全くでございます。コルト様の一族にもそのような方が出て来られる事を祈っております」

実は直ぐ側に居たりしてね。
既にエアハルトで繋がっているからさ。

ガルガンダからコルト達の事を聞いて安堵していたオセアノ、プライヤ、イスラ、ネブリナ、カリマの若返ったエルフ達だった。

「今後はエルフ国に行き各自の準備に当たって欲しい」

そう言って、帝國民の証しセットを1人ずつ渡された。
首飾りは”帝國民の証し”で特定の魔法陣から夜の帝國城に行き来する鍵となる魔導具だ。
エマスコと二つでセットにした。
リカルドから預かって来た物を五人に渡して説明した。

「転移魔法陣はいろいろあるが、ラ・ノチェ・デル・カスティリオ・インペリオに繋がっている魔法陣は限られている。エルフ国にはまだ無いのでバリエンテかアルモニアに転移してからとなる」

「いつ頃設置して頂けるのでしょうか?」
オセアノからの質問にガルガンダが答えた。

「多分、それぞれの事務所が無いと作っては頂け無いだろう。後は、コルトの働き次第だな。奴にはまだコレを与える指示は出ていないからな。多分五人の”帝國民の証し”を見たら欲しがるだろう」

エルフ五人はアルモニア経由でエルフ国に向うが、それぞれの事務所に立ち寄りエルフ国での責任者が決まった事を報告した。
その足でコルト家に向い代表してオセアノが話す。

「この度はノチェ・デル・インペリオに参加されると聞きまして、心よりお喜び申し上げます」
「良い、我らは既に仲間では無いか」
「ハイ、お心遣いありがとうございます」

エルフの中では家柄や格式など面倒な序列があるが、帝國民としての仲間で対等の立場だと言うポルトンだった。

「しかし、コルト様はエルフ国での責任者です」
「確かにそうだが、実質の管理はお前達だろう。ならば私は全体管理だけだからな。我らの上にはあのお方だけだ」
「「「ははっ」」」
「それから私は通常の仕事もあるので、連絡は執事のコンフィ・アンサに伝えてくれれば良い」
「その件でお話が有ります」

オセアノがガルガンダに聞いた事を伝える。
「ゲレミオとしては早期にこの国で出店させたいのですが、まずは各部門の事務所を作りたいと考えております。個別でも一か所に集めても構いません」

頷きながら聞いているポルトンと執事。
「我ら五人は研修を終えてこのような”帝國民の証し”を頂きました」
「何ぃ! 帝國民の証しだとぉ」
「はい。これは特定の魔法陣でラ・ノチェ・デル・カスティリオ・インペリオに行き来する専用の鍵となる魔導具です。そして特定の魔法陣はまだこの国には有りませんので、現在はアルモニア経由で出向いています」
「どうすれば設置してもらえるのだ? 後、私達は貰えるのか?」
「はい、確認しました。コルト様の頑張り次第だそうです」
「ふむ、分かったぞ」
「それとこのような物もゲレミオに認められれば授かります」
そう言って見せたのはエマスコだ。

「何だそれは?」
「これはエマスコと言って手紙を送る魔導具です」
「何ぃ!」

離れた場所に瞬時に、しかも複数に送れると聞いて、その活用性、便利さ、重要性、貴重性を理解したポルトンだった。

「こんな物を一体誰が考えたのだか」
「私が聞いている限りでは、幼少の頃の陛下だとリカルド様が申しておられました」
「凄い。やはり天才だ。このような発想はまさに神が与えた賜物に違いない」

それと新しい名前が出たので聞いてみた。
「リカルド様とは陛下の側に付き従い、一番信頼している者だとガルガンダ様から聞きました」
「あの方か!」

徐々に教えて行くオセアノだが自分達とダークエルフの事は、まだ秘密にしろと指示を出してある。
オセアノ達は自分たちの部署を説明しブルデールの建設希望地を伝えた。
その希望地とは港の近くだ。
オセアノはセゴリダッド、プライヤはベルデボラ、イスラはビエネス、ネブリナはコメルベビーダの食事系、カリマはコメルベビーダの飲み屋系になった。

セゴリダッド、ベルデボラは比較的どこでも良い。
問題のブルデールが港の近くであればビエネスもその近辺で一階もしくは二階だ。
あとはコメルベビーダの出店場所だ。ゲレミオのエルフ達七人が考えるが直ぐには決まらず、街を見ながら後日候補地を提案する事となった。

「時にコメルベビーダが二つなのはどうしてなんだ?」
「一度アルモニアのお店に視察に行きましょう」
口頭での説明では”あの”素晴らしい料理と雰囲気に御持て成しを理解してもらえずカリマが提案した。

前日ポルトン達は常闇の帝王エル・モンド陛下に謁見した後、超高級旅館エスピナに戻り部屋付の召使いに歓迎されたのだ。
なぜなら超高級旅館エスピナはゲレミオの運営だと教えてもらい驚いたポルトン達だった。

”超高級”の説明も聞いたのだが、歳を理由に辞退して身体を指圧してもらっていた。
そんな訳で食事処を利用したので味の記憶は鮮明に有り、料理は理解できるが飲み屋がピンと来なかった。
グラナダに連絡して明日の夕方からエルフ七人が食事と飲み屋の視察に行きたいと連絡した。

「お疲れちゃん。いつもの所で待ってるねぇ」

相変わらずのグラナダからの返信だ。
指定した日時に決められた場所で集まる八人は、グラナダの案内で料理屋に向う。
連れて来られた店はイグレシアでも一、二を争う美味しくて超高くて有名な店だ。
来店する客層も貴族、大使、富豪などばかりで、常に賑わっていた。
そして案内された個室には1人のエルフが待っていた。

「イグレシアでゲレミオの全体補佐をしているリリオと申します」
「リリオちゃんと私ともう2人いるけどゲレミオでは”始まりの四人”って言われてまぁす。因みにどちらも彼氏が居るからねぇ」

聞いても居ない事をペラペラと話すグラナダは何時に無く弾けている。
フォーレから仕事を奪って来たせいか楽しそうだった。
理由は新参の美しいエルフが2人いるからだ。
獣王国でアミスターとチャルタランから密告が有ってから、グラナダはそうした接触をことごとく潰して回っている。

一方、フォーレはその動きを感づいていて策を練っていた。
束縛が厳しくなるほど、1回の情事にあらゆる手段を使い情熱を燃やすフォーレだった。
成功したのかは知らないけど。

挨拶を済ませ、食事を始める一行は数々の料理を胃袋に納めて行く。
料理も素晴らしいが店員の接客も最高だった。
ポルトンも金持ちの部類だが、”ここまで”行き届いた接客をする店は初めてだった。
”どこまで”の内容かは微妙な表現なので、知識の無い物には言葉では無く、体感しなければ解らないと言っていたネブリナとカリマの話していた事を理解した。
美味しい食事に行き届いた御持て成しと、未来を語るエルフ達を見て久しぶりに心から楽しめたポルトンだった。

食事の席では酒は余り飲まなかったが、丁度良い腹具合で満足なポルトンに告げた。
「では続きまして、飲み屋に行きまぁす」
「どちらのお店に向うのですか?」

担当のカリマが気になって聞いて来た。
「違いが分かるように、まずはエストレイヤに行ってからぁ、ふふふっ、貴女の好きな最高級倶楽部に参りまぁす」
「キャー! 私あの店ダァイ好きっ!」
はしゃぐカリマに「んんっ!」と咳払いで諌めるネブリナだった。

案内されたエストレイヤは王都イグレシアでは中級の店だ。
料金と女性陣のバランスが良く幅広く客層が付いている。
店内は落ち着いた感じで薄暗いが、慣れて来ると良く見える明るさになっている。

「いらっしゃいませぇ~」
元気の良い掛け声とキビキビ動く店員達に、着飾ったお姉さんが客に付いている。
案内された席には男女別に座り、お姉さんを呼んでもらう。

「ごめんねぇ、2人には”別の店”も有るけどさ、今日はほら責任者になる方の説明だからね」
「大丈夫ですよ」
「別の店って、何ぃ?」
気を効かせて返事をするカリマと興味津々のネブリナだ。

「それはねぇ」
耳元で囁く様に教えるグラナダ。
「それは!」
バッと立ち上がり
「こうしては居られない直ぐに行かなければ」
「「まあまあ」」
と宥めて思いとどまらせる。

カリマがコッソリと「例の店は朝までやっているから、コルト様が帰られた後にふふふっ」微笑んで頷くネブリナだった。

「いらっしゃいませぇ~」
人族と獣人族の女性達がエルフの男達に1人ずつ付いた。
和やかに会話している中、笑い声も聞こえて来た。
男達が話している間にリリオが問いかけてネブリナが答える。

「それで店の場所は決まったの?」
「まだ場所も決まっていません。コメルベビーダの場所が決まれば早いのですが」
「焦っても仕方ないわ。まずは一か所に決めるべきよ。一度に沢山店を作るよりも確実だし、エルフは保守的でしょ?」

自分たちの都合ばかり考えていたが、改めて思い出した。
エルフは閉鎖的なのだった。
新しい物には余り関心が無く、自然と調和する暮らしが中心となっている。
そんな連中に派手できらびやかな店は受け入れてくれるのだろうか? と急に心配になって来たカリマとネブリナだった。

頃合いとなり次の店に移動する一行。
歩きながらカリマが訊ねた
「どうでしたかコルト様」
「フム、実に楽しかった。女性達は我々のような年代にも話を合わせているようだしな」
教育の一環を見て取ったポルトンだった。

「着きましたよ」
扉の前に男達が立っていた。
「いらっしゃいませ。グラナダ様」

扉の中は小さな部屋で、全員が入ると壁の数字を触って「転移」と唱えるリリオだった。
扉を開けて外に出ると、華やかで煌びやかな女性達が二列に並んで出迎えてくれていた。

「「いらっしゃいませぇ~」」
ささっと近寄る男の店員が呼びかける。

「ご案内致します。グラナダ様、リリオ様」
用意してあったのは店の入口近くのソファ席だ。
個室もあるが今回は来店する客や店員を見て参考にしてもらう作戦だ。

ポルトンと執事のコンフィ・アンサは店の入口から室内の素材が先ほどの店とは全く違い、見るからに高級そうな物で出来ている事に気が付いた。
調度品も一級の物を惜しげも無く使われている。
目の肥えたポルトンでさえ唸る一品も中にはあった。

「この店だけで一体幾ら掛けたのか想像も出来ん」
辺りを見ながら座って待っていると、ぞろぞろとやって来る女性達にヴィノティント赤葡萄酒と、ヴィノブランコ白葡萄酒と、おつまみをそろえて用意する男性店員。

「「「おおおおっ~」」」
その女性達を見るなりエルフの男達を”全員”唸らせる程の美しさだった。

明らかに、見るからに、先程とは違う態度のエルフの男達に”多少気分の良く無い"ゲレミオの女四人だった。
カリマは酒の旨さも気に入っているので女性達に進める様に指示すると、美しい女性に進められた旨い酒はエルフ国でも稀な程の味だった。

「「旨い!」」
「こんな旨い酒が有ったとは知らなかった」
調子に乗って来たポルトンは良く話すようだ。

そして、カリマがポルトンに訊ねた。
「コルト様、如何でしたでしょうか?」
「ウム、確かに2人の言う通りだ。聞いただけではこの素晴らしさは想像も出来ん」

一拍して
「だがな、エルフ国でここまでの店を作って客が入るのか? さっきの店にしてもそうだ。いったい幾らだったのか聞いていないからな、想像も付かん」

「コルト様はこの手の店には行かれないのですか?」
ポルトンに付いた人族の女性が聞く。

「我らの国にはこのような素晴らしい無いし、今回が初めてだ」
「キャァ嬉しいぃ、私が初めて付いたのですねぇ」
そう言われるとも満更でも無く嬉しそうなポルトンだった。

そして、グラナダが先ほどの店での料金をポルトンに教えた。
総額と1人分だ。

「ふ~む。それなりの値段だなぁ」
高いと思ったらしい。
「では、この店の料金です」
別の紙を渡す。
「何ぃ! 何なんだこの価格は!」
流石のポルトンも驚いた様子だった。

「今回のお酒は”程々”の物を出しましたが、多少安めに上がりましたね」
「これで安いだと! では店に来ている客はこれより高い金を出しているのか?!」
「勿論です。この店に来られるのは限られたお客様だけなので、最高の女性と最高の酒で御持て成ししているのですよ」

店内を見回したら半分以上の椅子に客が座っている。
腕組みして考えるポルトンだが儲けの計算で思考が支配されていた。

「それで一体どの位儲かるのだ?」
「ふふふふっそれは後日お話しします。ですが驚かれると思いますよ」
微笑んで話すグラナダを見て(陛下が損をする店を作る訳が無いしなぁ)と思っていた。

「カリマは飲み屋の研修を受けたと言ったな?」
「はい」
「では、最初の店の価格帯で半分の大きさの室内で試算してくれ。女性も含めてたぞ」
「はっ、ハイ!」
「ネブリナも同じく食事屋の研修を受けたのだな?」
「はい」
「では、大きさは半分で価格を三分の一にしたもので試算してくれたまえ」
「承知しました」
「エルフ国にいきなり同じ内容を出すのは、私でも自身が無いのでエルフ族の口に合った調理に工夫してな。どちらの店も、この国を参考にして富裕層を狙う事にしよう」
「「はい!」」

その夜、男達を宿に送ると四人の女達は”別の店”へと向かうのだった。
そして朝まで大騒ぎして、寝坊した揚句に男達に怒られる羽目になる。

後日、その日の事はリリオから報告を受けていた。
エルヴィーノはエルフの閉鎖的な観点から飲み屋の店名を思い付いた。
気に入ったら使ってくれれば良いと思ってリリオに連絡した。
そして忘却の彼方へ消え去ったのだが、その時その場所で看板を見るまで忘れる事になる。
その名はエルフ倶楽部アリウス・ムンディ。







あとがき
アリウス・ムンディ=別世界
別世界では、どんな綺麗な女性が居るのだろう。
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