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第3章 獣王国編

第100話 嵐の前の静けさ

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出産後2週間が過ぎ、エルヴィーノとロリはロザリーに案内されて新築の”別荘”に来ていた。

外観は粘土質の土を塗った壁に、貝の粉を磨り潰した物を更に塗りつける事で全体が白くなり、わざわざ焼いた木の板を要所要所に使いながら白黒のモダンな別荘になっていた。

内装は無垢の木を使い漆喰の壁と、一階の床は大理石が敷き詰められていて、二階は全て木と漆喰だ。
ロザリーが集めた調度品や親父にマルソ殿から頂いた調度品も沢山置いてあった。
以前の家で使っていた材料は主にエルヴィーノの部屋と研究室に使われていた。
まずは”儀式”を済ませてからのお披露目と考えていた嫁達は完成後ロリの訪問を待っていた。


クララは専任の召使いと一緒に同行している。
内部の音が聞こえなくしてある寝室で、召使いに専用のエマスコを渡してあるので安心して淫靡な世界にのめり込むことが出来るロリは、溜まっていた鬱憤で身体は朝から準備万端の状態で疼いていた。
真新しい別荘の中を見て回り、新築の匂いに絶賛するロリ。

「凄ぉい、お姉様! わぁ、召使いの部屋もこんなに沢山ある!」

エルヴィーノはパウリナやアロンソの事を視野に入れ2人には無謀な嘘を付いて部屋を多く作らせていた。
その嘘とは(将来2人に子供が増える事も考えて多めに部屋を作った方が良いよ)だ。

家族が増える事に一切の疑念や不満も無く予定の部屋数が倍になっていた。
その分、屋敷も大きくなり金銭的な負担が多くなったがエルフ王に元国王からも援助があり難なく改築されて当初よりは大きな屋敷になっていた。

基本的にエルヴィーノ直系家族用、来客用、使用人用の部屋に、便所、お風呂を個別に用意し、"支配者2人"の大きな専用部屋と、主の”ささやかな個室”と3人共同の寝室にも便所とお風呂が付いている。

全ての部屋に鍵が付いているが、"支配者2人"と繋がっているエルヴィーノの部屋には扉だけで鍵は付けてもらえない。

公爵の屋敷もそうだが公私共にエルヴィーノを束縛したいロザリーの仕業でロリも賛同したようだ。

また、この屋敷には大量の水と湯沸しの小屋が有り、わざわざ標高の高い場所から専用の水路を引いたのだ。
これには流石に驚いたが”最も重要な事”だとロザリーがこだわった仕組みだった。

(まぁ確かに、水の確保は重要なのは分かるが水路まで作るとは思わなかった)

そして屋敷の裏手には温泉が設置されてあった。
魔法で温める物だが暑い季節には水の風呂になって気持ちいいらしい。


エルヴィーノ達は寝室に入りロザリーに宣言された。

「ロリ、思う存分堪能しなさい。そして私の事が恋しくなったら呼びなさい」

照れた様子のロリは”義姉”に抱きつく告げる。

「ありがとうございます、お姉様。二~三日したら連絡しますわ」

淫靡な微笑みを浮かべロザリーは部屋の外に出て行った。

「さてと、ロリッ!」

エルヴィーノは久しぶりなのでユックリと愛してやろうと思っていたがロザリーが居なくなった途端、目が座り漂う気配がピンク色の淫獣になり襲い掛かって来たロリだった。

(俺は・・・それはもう戦ったさ・・・)

ロリは力強く手で掴み、足を絡めて腰をグイグイと押し付けてくる顔は、目を開いたまま舌に襲い掛かっていた。
本当に食べられると思うくらいに! 
そのままベッドに倒れ三日三晩エルヴィーノは頑張った。
離れるのは便所と”クララに食事を与える時”だけだった。



その後ロザリーも交えて三人で主導権(ベッドの上)のせめぎ合いを始めるのだが、これも三日かかったが、エルヴィーノの想定していた10日よりは早く終焉となる。
愛し合う三人を体感出来て幸せそうな2人だった。



そして、運命の歯車は回り出していった。

ロザリーはエルフ王とリーゼロッテ(エルフに変身)から王宮に呼び出され。

ロリはエネロとマルソ、プリマベラ等一族の前に立っていた。







ロザリー側

ブリンクス王がロザリーに問いかけた。

「ロザリーよ、実はエルヴィーノの事でとても重要な話しが有る。これは我らエルフ国メディテッラネウスにとっても過去に無い事なので良く聞いて欲しい」

ロザリーは戸惑った。
まさか、また浮気かとも一瞬脳裏を過ぎったが自国の大事に関わっているとなると軍事的な事。
聖魔法王国との何かしらの協定でも作るのか? と思いを巡らせていたが、次の一言で思考が停止してしまった。

「エルヴィーノと獣王国の姫との婚儀が決まった。エルフ国メディテッラネウスと聖魔法王国アルモニアに獣王国バリエンテ加わり三ヶ国協定を結ぶ事になった。エルヴィーノが鍵となり三ヶ国が姻戚関係となり、強固な関係になる。聞いていると思うがエルヴィーノが作ったノチェ・デル・インペリオ(夜の帝国)は形の無い裏側の国だ。表と裏から国を管理するとは良く考えたモノよ」

一方的に話し自慢げにしているブリンクス王。
その光景を見ていたリーゼロッテがロザリーに説き伏せる様に語りかけた。

「ロザリーさん、貴女の思う事は理解します。ですが、以前も言ったわよね? あの子の全てを受け入れる事が出来ないと嫁として認められないわ。今回もだけど国の未来が関わる事に”妻”が意見する事では無いと思うの」

手を握りしめ涙目で聞いていたロザリーにリーゼロッテが歩み寄り抱きしめた。
耳元でリーゼロッテが語りかける。

「正妻として受け入れるのです。ただ、あの子に個人的な思いをぶつけるのは貴女の自由よ」

ロザリーの両肩をガシッと掴み励ました。
「近いうちにロリさんと一緒に来なさい」

微笑んで語りかけるローゼロッテに確認した。
「分かりましたお母様、ですがロリは知っているのでしょうか?」

それを聞いたブリンクス王は立ち上がりロザリーの元に近づいて語った。
「ロリには教祖とマルソから伝えると聞いている。息子と国の為にも妻として我慢してくれるな?」

涙目で睨むロザリーは黙ったまま小さく頷いた。
そしてローゼロッテの胸を借りて声を噛み殺して泣いた。

「ローゼロッテ、後は頼んだぞ」
うなずいてロザリーと公爵の屋敷に戻る。




エルヴィーノは2人の告知の日を事前に知っていたので、”火元”から離れてパウリナの所で”汗”をかいていた。







ロリ側

曾祖母エネロ(教祖であり聖女)、曾祖父フェブレロ(大司教)、祖母アヴリル(聖女)、祖父マルソ(大司教補佐)、母プリマベラ(前王妃であり聖女)、父リアム(前国王)と直系一族が全て揃い、クララはプリマベラが抱っこしていた。

聖魔法王国アルモニアにとってとても重要な話しが有ると言われて来たが、”国王”を除いて親族が全員居たので何か悪い予感がしていたロリだった。
そしてエネロが問いかけた。

「ロリよ、以前お前が旅立つ時にワシが言った言葉を覚えておるか? (その者はかなり強い星の下に産まれておるのだろう、ワシも今までこれ程の強烈な運勢を見た事は無い)とな」
言われて思い出したロリが頷いた。

「これから話す事は我ら一族総意の決定事項じゃ。心して聞くが良い」
厳しい表情の一同に教祖としての意思が伝わるかの声にロリは息を飲んだ。

「国王エルヴィーノと獣王国の姫との婚儀が決まったぞ。聖魔法王国アルモニアとエルフ国メディテッラネウスに獣王国バリエンテ加わり三ヶ国協定を結ぶ事になったのじゃ。エルヴィーノが中心となり三ヶ国が姻戚関係となって、強固な関係になる訳じゃ。聞いていると思うがエルヴィーノが作ったノチェ・デル・インペリオ(夜の帝国)は形の無い裏側の国だ。表と裏から国を管理するとは全くもって良く考えたものじゃ」


“こちらも”一方的に話したエネロにロリは「えぇっ?」っと、聞き返す位だった。

「ちょっと待ってください、エルヴィーノは私の夫ですよ! 何故他の女と結婚するのですか? 私は何も聞いていません!」

自分の事は棚に上げてと全員思ったが、教えて無いのも事実だったのでエネロが話した。

「ロリや、お前は既に二番目じゃぞ。その事を言わなかったのはお前が妊娠していたからじゃ。そして、獣王国の姫も三番目で良いと納得しておる」

握り拳を作りワナワナと震えるロリは激昂していた。
「私は反対です。絶対に認めません!」
全員にそう言い切ったロリ。

そこにマルソがロリの前に出て宥め聞かす。

「ロリよ、あの時の事を覚えているか? ロザリーが言った事と同じ言葉で、同じ様に怒っているぞ」

ハッとしたロリ。

ロザリーと初めて会った時に修羅場になった事を思い出した。
込み上げてくる怒りの感情と、信頼し心を開いた”お姉様”のあの時の気持ちが、今理解出来たからだ。


グッと歯を食いしばり涙が溢れるロリにエネロが説き伏せる。
「強烈な運勢を持っておると言ったじゃろう。ワシはもっと増えると思うぞ! それにサンクタ・フェミナ(神聖女)様がダダをこねれば国の関係に影響がでるぞ」

エネロを睨み何も言い返せないロリだった。
「おねえさまは・・・お姉様はご存知なのですか?」

ロリの問いかけにマルソが答えた。
「同じ日、同じ時刻に2人に知らせると決めて有ったので、お前と同じく今ブリンクス王とエルヴィーノの母親から聞かされているだろう」

ポロポロとこぼれる大粒の涙を見たアヴリルとクララを抱いたプリマベラがロリを優しく抱く。

「貴女はエルヴィーノさんの妻でありクララの母親で、王妃と同時にサンクタ・フェミナですよ。時にはこの国の事を一番に考える必要が有ります」
優しく言って聞かすアヴリルだった。

ブワッとあふれて来た涙と嗚咽おえつ

「ロリよ。いやサンクタ・フェミナ様、返事はどうしましたか?」
厳しく問いかけるエネロに答えるロリ。
「・・・わかりました」
小さく返事するロリだった。


「一度ロザリーさんに相談しなさい」
プリマベラに言われ頷くロリは1人部屋に戻り号泣した。
1人叫び泣いていたロリはロザリーを思い出し手紙を送った(お姉様、会いたい)短い文それだけだった。


そのころロザリーは自室でボーッとしていた。

”また浮気された”。

意識はその事で一杯だった。

そこにエマスコが着信を知らせる。

手紙を見たロザリーは短い文でロリがどんな状況か瞬時に理解した。

返信を書き(別荘に来れる?)送ると直ぐに返事が帰ってきた(行きます)と。

ロザリーは屋敷の者に指示を出し急いで別荘に転移した。
リビングに行くと既にロリが居て、こちらを見ると泣きながら駆け寄ってきた。

「お姉様~。ごめんなさい、ごめんなさい」

ロザリーはエルヴィーノの監視ができず浮気をされてしまった事だと思ったが、真意は違っていた。

「お姉様の"あの時の気持ち"が今、分かりました」


2人はベッドで抱き合いながら、どのように聞かされたか話し合い互いを慰め合った。
泣きはらして顔がグシャグシャのロリを優しく抱きしめるロザリー。
共通の悩みが有ると、より深く信頼が産まれている感覚が2人には芽生えていた。
一通り話し合い2人の周りと国の事を考えると認めたくないが、ある意味”あきらめた”2人はどちらからともなく唇を重ねて行った。


翌朝。

「ロリ! 大事な事を忘れていたわ!」

この状況でまだ何かあるのかとロリは思った。

「お母様に呼ばれていの、貴女を連れていらっしゃいと」

ロリは思い出したのだ。
以前2人に言われた事を。

「嫌です、私はお姉様意外とはしたくありません!」
「私だって嫌よ」
真顔で答える2人。


確かに前回は三人で一夜を共にする事で妻として認めると言われたのだ。
見つめ合い舌を絡ませようと思ったがクララが泣きだしたので止めるロリ。

「だけど、行かなければならないのよ、私達は」
それは妻としての義務のような思いの言葉でロリも納得してくれた。

ロザリー、ロリ、クララ、召使の四人でダークエルフの新居に転移した。

ロザリーは訪問する際にはいつもリーゼロッテに事前に連絡を入れて有り、今回もロリを連れて伺う事を連絡してあった。
クララと召使いは別室にお昼寝させていた。

「あなた達二人を呼んだのは大事なお話が有ったからです」
今度は四人でと思っていたロザリーとロリ。

「これから我がダークエルフ一族の秘密を2人にお話しします」
(あれ、なんか違うぞ?) と思った2人は背筋を伸ばした。


「この話をするのは貴女達の行いが”エルヴィーノの為に考えて、怒り、慰め合い、共に生きて行く”と私が見て判断したからです」

過去に無く真剣な表情のリーゼロッテに2人は息を飲んだ。
どうやら三人目の事では無さそうだからだ。




「エアハルトには弟が居ます」
「ええぇっ! どう言う事ですかお母様」

驚いたロザリー。

「貴女の子ではありませんよ。その子は私達がずっと隠して来ました。何故だかお分かりかしら、ロザリーさん?」

ハッとするロザリー。
エアハルトの弟だが隠すのはエルフでは無いからと瞬時に理解し、そうであれば当然ながら100歳未満。
”あれ”の事だと理解する。

「貴女が知らずに体感した”薬”をあの子はまだ持っているのです」
手を口に当てるロザリー。

「そう、弟はダークエルフです」

エルフとダークエルフが戦った原因が奇跡的に残っていた事実を打ち明けられたロザリー。

「この事はブリンクス王にも教えてありません」

その言葉を聞いて恐る恐るたずねる。
「私は疑われていたのですか?」

すでに経験済の自分を疑われていたとしても仕方のない事だと思った。
「貴女では無くエルフを警戒していたのです。それにエルヴィーノに口止めしたのは私です」



そこまで話した時に疑問に思った事をロリが言った。
「その子の母親は誰ですか?」

少し暗い表情になったリーゼロッテが語り出す。
「その子の名はアロンソと言います。以前の家でも、今もこの屋敷で一緒に暮らして居ます。正確に言うとロリさんは二番目では無く三番目ですが、アロンソを産んでしばらくした後、居なくなったの」

両手を口に当てて驚くロリと、”ある事”を思い出し嫌な汗が流れるロザリー。

「ロザリーさん」

ビクッとしたロザリーはまさかあの事が知られたのかと思い心臓が止まるくらい驚いた。

「エアハルトとアロンソは、仲良くやっていますよ。母親は違いますが列記とした兄弟ですからね」

何も言えないロザリーの頭は真っ白だった。
過去に、嫉妬から犯した行いがこんな形で目の前に現れるとは夢にも思わなかった。



リーゼロッテがエマスコに手を乗せると”コンコン”と扉が鳴った。
「お入りなさい」と”若く見える御祖母ちゃん”が答えると「失礼します」扉を開けて入って来る小さな子はエアハルトと良く似た顔立ちの黒髪黒目の”人族”だった。


リーゼロッテの隣に立ち「初めまして、アロンソです」
お辞儀をして挨拶する声はエルヴィーノの小さかった頃を思い出して泣いているのだろうとリーゼロッテは思ったが、実際は罪悪感で一杯のロザリーだった。

泣きながら挨拶をするロザリー。
「初めましてエアハルトの母でロザリーと申します」
鼻声で話すロザリーに感化されて涙ぐむロリも挨拶を交わす。
「初めまして。クララの母でロリです」

大粒の涙を流すロリにアロンソが問いかける。
「後でクララに会っていい?」
無邪気に問いかけられたロリが答える。

「ええっ勿論よ。あなたの妹ですからね。じゃ、今から行きましょうか」
そう言ってアロンソをつれてクララの寝ている部屋に向った2人。



残されたロザリーは落ち着かない様子だったのでリーゼロッテから釘を刺された。

「ロザリーさん、分かっていると思いますがアロンソの事は我ら血族以外には貴女達2人しか知らない事ですから、もしもの事があった時は・・・解りますね?」

うなずくロザリー。

「それと獣王の姫様の件ですが、貴女が第一夫人としてロリさんにも説得しないといけませんよ。エルヴィーノの事を愛しているのであれば、ですがね」

キッとした表情になるロザリー。

「分かりましたお母様、一族の秘密と三人目の嫁とロリの説得は私が責任を持って対応致します」
その言葉を聞いてニッコリと微笑むリーゼロッテだった。




「可愛い! ロリかあさんと同じピンクの髪だ!」
寝ているクララの頭をなでるアロンソ。

「目は貴男と同じ黒目よ」
ロリは新鮮な感覚と喜びに震えていた。
聖女は女児しか産めないが”ロリかあさん”と呼ぶ愛しい人と良く似た小さな男の子がかたわらに居るからだ。
アロンソの頭を撫で「これからクララの事もお願いね、お兄ちゃん」

幸せそうなやり取りを、あとから部屋に来たロザリーが羨ましく見ていた。
起きたクララを抱っこしたり”初めての妹”が可愛くてしょうがないアロンソだった。
三人は再度リビングに戻りローゼロッテからアロンソの事を誰にも言わない様に念を押され、たとえ血族に対しても秘密にするように要求された。
2人は平和の為に秘密にする事を誓いその日は別荘に帰って来た。

別荘に戻り召使が夕食の準備を初めている間にクララの食事を与えるロリ。
別荘はまだ物資の搬入しておらず食料も少なく、誰もいないのでクララ専任の召使いが簡単な食事を作っていた。
ロザリーとクララを抱くロリの三人はリビングで一連の事を相談していた。

クララを産んでから立て続けに新たな婚姻と隠し子の説明。
ロリにはクララの出産をひかえて全ての人達が気を使っていた事。
言いかえれば私達には内緒にしていた事で苛立っていたロリ。

「貴女の怒りは何に対してかしら?」

ロザリーが突然変な事を言ってきた様に思えたロリ。

「あの頃、私は貴女を受け入れたわ。貴女にも事情があったように、獣王の姫かしら? その子にも事情が有ったのでしょう。私達は”あの人”の嫁として妻として受け入れなければならないわ」

驚きの言葉にロリは絶句した顔でいると
「その子からもいずれ事情を聞くとして、悪いのはエルヴィーノよ! 次から次へと浮気ばかりして許せないわ! 体罰が必要だわ、それと新しい決め事。その子にも早目に会う必要があるわ」

握り拳を作り立ちあがって怒りながらも冷静にロリを説き伏せる様に話す姿をロリは女神からの啓示のように聞いていた。

クララをあやしながらコクコクと頷くロリと夜遅くまで話し合うロザリーだった。









あとがき
全ての行いが露見して妻達の制裁が待ち受けるエルヴィーノ。
どんな辛い仕打ちが待ち受けているのだか。
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