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第2章 聖魔法王国編

第53話 親子の秘密と和解案

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アロンソにも魔の手が・・・
アロンソはエルヴィーノとメルヴィの隠し子だ。
産みの親であるメルヴィの母親でオリビアと、エルヴィーノの母親のリーゼロッテが交代で面倒を見ている。
生後間もないアロンソはリーゼロッテの魔手に侵される事となる。
それは、エルヴィーノと同じ呪い・・・
リーゼロッテが一族復興の為、エルヴィーノたちの身体を犠牲にして刻まれる呪いだ。


ダークエルフの親子最大の秘密。
ダークエルフの男児が初めての精通時に出た魔精はエルフの女性にとって若返りの薬となるらしい。
魔精の力や女性の状況もあるが、過去の魔導書によれば200~500年若返り若さを維持するのだ。
この事が昔、数々の不幸を呼んだ事実があるので極秘にされている。
不幸にして幸いだったのか解らないが、別の目的で捕まったエルヴィーノは見事に初魔精を吸われ、快楽の虜になって行った。


舌に施された呪い。
キスをして舌を絡ませると発動するこの呪いは一瞬で電気信号を女性の脳を経由して絶頂快楽信号となり子宮に送られる。
ただし、1人の女性に対して最初の1回だけ。
2回目からは、これも微癪な電気信号が脳を経由して全身の性感帯と言うか、皮膚を敏感にさせるようだ。
舌を絡めている間は髪だろうが爪だろうが敏感に気持ち良くなるらしい。
らしいのは、嫁達に聞いているだけだから。
エルヴィーノは体感出来ないし。
だから、キスだけで女性を虜にする訳だ・・・


足の親指と親指の間に施された呪い。
聞いた所によると通常男性よりも直径がかなり太いらしい。
更に先端はもう少し太い。
長さも多少長いらしい・・・。
エルヴィーノは他人と比べた事は無いので分からないがこいつで愛されると、その女性は自分達以外の男性では満足しないそうだ。

耐久力
どうやら普通の者とは違い、かなりタフらしい・・・
回数もだ。
個人的なので自覚は無い。
人は人。
自分は自分。
確かにエルヴィーノは、女性を怒らせた後の奉仕は何日も奉仕する事がある・・・
個人差だろう・・・そう言う事にしよう。


どれにせよエルヴィーノに性教育したのは性魔獣とも淫獣とも呼んでいる自称少年愛好家だ。
アロンソがどんな女性と結ばれるか解らないが、少年愛好家にだけは気を付けさせよう・・・


エアハルトは普通だ。
エルヴィーノ同様お一人様で家庭教師に教えられる。
体術、剣術は屋敷の兵士や、ブリンクス王直属親衛隊隊長のジャックが手ほどきしてくれる。

2人には、たまに転移魔法で昔使っていた低級の迷宮へ連れて行ってやり、一緒に冒険と称して魔物討伐に行くのが楽しみみたいだ。
エルヴィーノもここぞとばかり魔法を見せたりして、2人が危なくなると助けてやる。
父親としての株は上がりっ放しだ。

エアハルトには2人だけの秘密の約束をした。
「屋敷の者には内緒だぞ。特にママには絶対に秘密だぞ。男と男の約束だ」
嬉しそうに「ハイ」答えるエアハルト。
どうやらママよりパパ方が好きみたいだ。
(俺の思い違いだろうか?)



※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez



「どうしよう・・・別れるだなんて。りによって、こんな手紙を送ってくるなんて・・・ブリンクス王には例の件(知らなかったとは言え初めての魔精を摂取した事)も有るし聞きづらいわ・・・そうだわ、お母様に相談しましょう」

ロザリーは転移魔法陣でダークエルフの家に1人で転移した。
裏の魔法陣小屋から入口に回る。

コンコンッ。
「ハイ」
「ロザリーです、お母様は御在宅でしょうか?」
扉を開けて出てくるリーゼロッテ。

「あらっどうしたの? ロザリーさん」
「お母様にご相談したい事がありまして・・・」
「では、中に入って」

ソファに座り、待っているとオリビアが紅茶を出す。
ロザリーがリーゼロッテと話すのはロザリー目線の説明だ。
だが、既にエルヴィーノから経緯を聞いていたので、多少食い違う部分もあるが黙って聞いていた。

「ロザリーさん」
「ハイ。貴女1人で来たのですか? もう1人の方が居ないとダメですわね」
「ですがお母様!」
「貴女の言いたい事は解ります。けれど、ロザリーさん。貴方本当にエルヴィーノの事を愛していますか?」
「勿論です」
「この件は2人がそろってからもう一度聞きますから。早くもう1人を連れて来てください。たとえブリンクス王が許可をしても、それはエルフの話です。我ら一族の決定は私がするのよ。お解り? 」
「ハイ・・・」
「では、連れて来てください。3人で話しましょう」


「なんで私があの女を・・・」
ブツブツと言いながら、迎賓館へ向かうロザリー。


※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez


「マルソ! いるでしょ?」
「どうした?」
「どうしたも、こうしたも無いわよ。貴方の一族のせいで、こちらは散々なのですから。で、あの子は何処?」
「ロザリー。ロリと・・・」
「解っているわ。今日はあの子を連れて来いとお母様に言われているの」
「何? それはエルヴィーノの母親か?」
「勿論よ」
「連れて行って何をするんた?」
「多分・・・・お説教よ。息子の妻としてのね。さっき私も言われたわ・・・」
「そうか」
少し安心したマルソだった。

「それで2人で来なさいって」
「少し待っていてくれ。呼んで来るから」
そう言ってマルソは孫のロリを呼びに行った。

コンコンッ。
「ロリ、私だ、入るぞ」
「ハイ、お祖父様」
「ロリ。実はな。ロザリーがお前を迎えに来ている」
「えっ! あの女が?」
「そうだ」
「何でよ? 何しに来たの?」
「ウム。エルヴィーノの母親がお前に会いたいそうだ」
「えっエルヴィーノのお母様が!」
「あぁ。どうやら、ロザリーが先に行ってお前の事を言ったらしい。そして説教されてお前を連れて来いと言われたらしいのだ」
「そうですか・・・実はお祖父様」
「ん?」
「私もお話したい事が・・・」
「なんだ」
「ハイ。このような手紙が届いております」

エルヴィーノから送られた、仲良くしないと別れる手紙だ。
一通り読んだマルソ。

「とにかく、母親に合ってこい」
「ハイ」
「正装でな」
「解りました」

聖女の法衣を着て、杖を携えロザリーの前に現れたロリ。
「遅かったわね・・・」
嫌味を言うロザリー。

「サッ。行きましょうか」
とロリが言って外に出る。
「待ちなさい。貴方は行き方も知らないでしょ! 私の後ろから付いてきなさい」

お互いに「フンッ」と言いながら歩いて行く。
それを玄関で見ていたマルソ。

「大丈夫かな・・・ブリンクス王に報告しなくては」
そう思い宮殿へ向かう。


※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez


先程同様にロリを連れてダークエルフの家にやってきたロザリー。
2人は居間に案内されて挨拶した。

「初めまして、お母様。聖魔法王国国王リアム・ガブリエル・シャイニングの娘でロリ・ヴァネッサ・シャイニングと申します」
ロリが挨拶をする。

「まぁ、可愛いらしい方ね」
ロザリーは言いたい事が有ったが噛み潰した・・・
オリビアが紅茶とクッキーを持ってきた。

「どうぞ、大した御持て成しも出来ませんが・・・」
「いいえお母様、お気遣いは要りませんわ」
「では、さっそくですが・・・貴女達はお互いの事をどう思っているのかしら?」

「認めていません」とロザリーが言うと「私も認める事など出来かねます」とロリ。

「貴女達の気持ちは十分理解出来ます。あの子を独り占めしたい事もね・・・ただ・・・貴女達、本当にエルヴィーノの事を愛していますか? 快楽だけを愛と勘違いしていませんか?」

ロザリーの方が早く答えた。
「違います。心から愛しています」
「私も心から愛しています」
追いかけるロリ。


「あの子の人生を全て受け入れてこそ、本当に愛している事になります。今回の事もこれからの試練も・・・貴女達が本当に愛していると言うのなら証明してもらいます」

リーゼロッテが2人に試練を言い渡す。

「今日は3人で一夜を共にしなさい」
「「え―――っ」」
「そっ、それは」
「そんな、この人と・・・」
見つめ合うロザリーとロリ。

「これが私の出すエルヴィーノの嫁としての試練です」
「「・・・・・・・」」

困惑した表情の2人。
「明日、確認しますからね」
「「・・・ハイ」」









あとがき
次回、☆があります。
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