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第2章 聖魔法王国編

第44話 ロリの初めての迷宮 その2

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昨夜は興奮状態だったロリが寝入るまで結構時間が掛かったが、手を繋いで大人しくなってから寝てくれた。
朝起きると既にロリが起きていた。

「おはようございます」
「あぁ、おはようロリ」

身支度を整えて食事を済ませ、エルヴィーノの使える魔法攻撃系と補助魔法を一つ一つ教えながら説明をした。

オスクロ・エスパーダ暗黒剣
オスクロ・エスクード暗黒盾
ネグロ・グロボ黒玉
ネグロ・ラミナ黒刃
フエゴ・グロボ火の玉
アグア・グロボ水の玉
ランサ・イエロ氷の槍
リンピエサ洗浄魔法
テンペラトラ温度操作魔法
グラビダッド重力操作魔法
ルス・マヒア光度操作魔法
インヒビション・レコノシメント認識阻害魔法
バシーオ真空
エアラス酸素
エアラス・グロボ酸素の玉
エスパシオ・ボルサ空間バック
カパシダ・フィジィカ・メホラ体能力向上魔法
アタッケ・フィジィコ・デサティバド物理攻撃無効化
マヒア・デ・アタッケ・デサティバド魔法攻撃無効化
ベロシダ・スビール速度上昇
アウメンタール・ラ・フォルサ・ムスクラール筋力上昇
インバリダ・ノルマール状態異常無効
エスパシオ・モダンザ近距離空間移動
メタスタシス・マヒア長距離転移魔法
クリアトラ・トランスフェレンシア生物転送魔方陣

「凄ぉ―い。補助魔法が沢山使えるんだぁ―凄い凄い」

ロリが覚えたい魔法もいずれ教えると硬い約束をさせられた。
ただし、現在開発中の魔法や必殺技にエマスコ通信魔道具ブランコ・マヒア白の魔法サント・マヒア聖の魔法が使える事は内緒にした。

「さてと、ロリ」
「ハイ」
「歩くのも疲れたし、もっと早く行きたいな」
「そうですね。でも迷宮には流石に転移は出来ませんので歩くしかないですよ」
そう言われるとエルヴィーノは煽ってその気にさせる事にした。

「ロリの活躍する所を早く見たいなぁ」
「もちろんですとも。魔物なんか私の魔法で全部やっつけてあげますからねぇ」
「クククッ聞いたぞロリ!」
「えっ、なっ何ですか?」
「迷宮の魔物をロリが退治してくれるのだな?」
「えぇそうですよ」
「俺は見ているだけだな?」
「そうですね。安心して見ていてください」
「よぉ―しっ。分かったぁ―! 直ぐ行こう!」
「だから歩・・・何ですかそれは?」

エルヴィーノはエスパシオ・ボルサから 黒い毛布を出して魔素を送る。
魔法陣が起動してフワリと浮く毛布に座りロリを手招きする。

「なっなっなんですかこれは!」
「これはぁ、魔法の毛布さ。さっ乗って」

恐る恐る乗るロリはエルヴィーノにしがみ付き、上空に飛べと思念を送るエルヴィーノ。

「キャ―ッ、浮いてる、浮いてる! 浮いてますぅ―――――――っ」
「大丈夫だよロリ。目を開けて御覧」

ゆっくりとまぶたを開くロリの目に入った光景は、上空100mからの景色。
エルヴィーノに抱き着く力が余計強くなった。

「これは俺が作ったブエロ・マシルベーゴォ飛行魔導具の簡易版さ」
エルヴィーノに抱き付いて無口になったロリ。

「じゃ目的地に行くよ」
恐る恐る頷くロリ。
エルヴィーノは迷宮の場所に移動しろと念じる。
すると、けっこうな速さで飛ぶ黒い毛布。

後ろから叫び声が聞こえて来る。
「キャ―――――――――――――――――ッ」
(なかなかうるさい物だ・・・)

あっと言う間に迷宮上空に着きゆっくりと降下をはじめた。
すると後ろで騒ぎ出すロリ。
「落ちてる、落ちてる、落ちてる、落ちてるよぉ」

「さっ着きましたよ、お姫様」
地上1mで止まり先に降りロリの手を取った。
先に降りると直ぐに飛び降りてエルヴィーノに抱きついて来た。
胸が当たって・・・逆流しそうだ。

エルヴィーノは平然として聞く。
「怖かったか?」頷くロリ。
「よしよし。もう大丈夫だよ」頷くロリ。
「見てみな、迷宮の入口だ」
エルヴィーノは黒い毛布をしまい考えた。
(帰りはルーシェ君(箱)を出すか・・・)

迷宮内からの移動はクリアトラ・トランスフェレンシアで可能なので、近場に魔法陣を設置し魔導具を置く。
これで一気に出て来られるし、迷宮の先に魔導具を置いてこれば一気に下まで行ける。


「もうぉっ。さっきのは止めてください」
「分かったよ」
「でもロリって高所恐怖症なんだね」
「普通いきなり、あんなのに乗せられたらビックリしますよ。怖がらない方が可笑しいです」
・・・ロザリーは変なのか・・・
「えっ何ですか?」
「いやっ何でもない」

「さて、ロリ君先頭をどうぞ」
「何でですか?」
「さっき言ったろ? ロリが魔物を全部1人で退治するって」
「言ってませんそんな事」
「言いました」
「言ってません」
「言いました」
「言ってません」
「・・・ロリってさ・・・頑固ダネ」
「だって言って無いもん」
「じゃ何て言ったの? それは・・・貴男と一緒に・・・」
「ロリィ!」

エルヴィーノが睨むと逆ギレするロリ。
「だってあんなに怖い事するからだもん」
エルヴィーノはロリを抱き寄せる。
「ごめんよ。まさかあんなに怖がるとは思わなかったのさ」
エルヴィーノの胸で甘えるロリ。
「じゃ一緒に入ろうか?」
「ハイ」


迷宮の入口で数匹の不良スライムが#屯__たむろ___#しているのが見えた。


スライムの声が脳に直接響いてきた。
(ヘイヘイ御2人さん! お熱い事ですねー)

ロリには聞こえないが、エルヴィーノの万能翻訳魔導具を介して脳裏に聞こえてくる。
(シカトしてんじゃねーつーの!)

「いやいや別に・・・」
(結構なご身分だねー。えーオイ)

「だから・・・」
(もしかして俺達を倒して御宝でも狙っているのかぁ? ハァッハッハッハッ)

「笑われちゃった・・・」
(どうした? 来ないのか? それとも怖くて足が震えているのか? ハァッハッハッハッ)

「あーあ、どうしようかな」
ロリが不思議そうに聞いて来た。

「どうしたの?」
「いや、何でも無いよ・・・」
溜息をつくエルヴィーノ。


スライムはバシーオが効かない魔物だ。
(呼吸しないからな・・・)
後はゴーレム系や骸骨など一部の不死者にも通用しない。
倒す方法は他にもあるが面倒だ。
コイツは普通に燃やしたり爆殺はしない。
弾けて汚い体液が服に付くと嫌だからね。
まぁ凍らせるか核を切れば問題ないけど・・・


「ホントに邪魔な奴ら。大嫌い」
「私もです」


そう言ってイチャつく2人に何故かスライムがキレた。
(ッザケンナ!)
飛びかかってきた。

スライムの攻撃をロリはヒラリかわす。
(テメーら、ふざけやがって、ぶっ殺す!)

エルヴィーノはランサ・イエロ氷の槍を唱えた。
沢山の氷の槍がスライム達を串刺しにする。
そして、刺さった部分から次第に凍りついて行く。

(あっすみみません、ごめんなさい、許してください。見逃してください・・・)
エルヴィーノは無視して持っていた剣で切り刻んだ。
と、同時に記憶から消去した。

「さてと、掃除もしたし進もうかロリ」
「ハイ」







あとがき
魔物って強弱関係無くガラ悪いのかな?
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