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第1章 エルフ国編

第26話 正体の発覚

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ブリンクス王は巨大な龍のブレス攻撃をエルヴィーノが凌いだ後、親衛隊隊長ジャックに連れられ自室に避難していた。
自室にて休んでいたブリンクス王のかたわらには親衛隊隊長ジャック、部下のミシェルとジョン。
そこにやってきたのはロザリーとグンデリックと街の防衛をしていた兵士長のローガンと数名の兵士達。


「王の御前である」

ジャックがと言うと皆がひざまずきブリンクス王が問いかける。

「どうした説明せよ、ロザリー」
「ハイ、ブリンクス王。ブリンクス王や私達をワイバーンから救い、飛来した黒く巨大な龍達の強烈なブレス攻撃からも守ってくれた者を、この兵士達が事もあろうか・・・エルヴイーノを牢に入れたのです」
ジャック、ミシェル、ジョンは驚いた。
エルヴイーノの秘密を知る数少ない者だ。

親衛隊隊長ジャックがローガンに問いただす。

「ローガン。どう言う事か説明してもらおうか」
「ハッ、ジャック様。それにブリンクス王もお聞きください。私たちが街の防御でワイバーンと交戦を交えていますと、どこからか現れた黒い円盤が次々とワイバーンの首を一瞬でねていったのです。そして王宮に巨大な龍が近づいていたので我らが駆けつけて時には龍の姿は無く、2人の男が立っていました。1人は龍人と名乗っておりました」

ブリンクス王が驚いた。
「なんと・・・龍人が!」
「そして龍人が何かの魔法でもう1人の頭巾を空に飛ばしました。すると、そこに居たのがダークエルフだったとは流石に私も驚きました。何故かダークエルフが同朋を守っていたか解かりませんが、龍人は龍に変化しながらこう言ったのです。エルヴィーノ・デ・モンドリアンよ。また会おうと」

「本当か?」
ジャックが皆に尋ねると一同が頷き、ロザリーが王に問いかけた。

「ブリンクス王。彼は誰も倒せなかったワイバーンを一瞬で葬り、龍のブレス攻撃からも私達を守ってくれましたわ。それなのに牢に入れるなどあんまりです・・・」

涙するロザリー。
泣きながら懇願するロザリーにローガンが更なる糾弾する。

「しかし、これもこやつらがグルだとしたら我々は大打撃を受けました。多数の魔法使いに戦士がワイバーンのブレスで死にました。やはり、ダークエルフは滅ぼさねばなりません」

ロザリーがローガンを睨みながら罵る。
「あなたの勝手な妄想です。誰に仲間の命を、街が救われたのか分かっているのですか?」

怒鳴り散らすロザリーを宥めるグンデリック。
ブリンクス王が立ち上がり皆の前に立つ。

「ローガンの言う通り、ダークエルフはエルフの国、メディテッラネウスに居てはならん」

「なっ、何を・・・」
ロザリーが驚きブリンクス王が諌める。
「まぁ待てロザリー。ローガンよ」
「ハッ」
「あの者の事は追って沙汰をする。今は街の状況の把握と復興の指揮をせよ」
「ハッ。賜りました」
そう言ってローガンと兵士達はその場を後にした。


ブリンクス王が残った者達に問いかける。
「ジャック、ミシェル、ジョン、ロザリー、グンデリック。では行こうかの・・・」
親衛隊隊長ジャックが行き先をうかがった。
「どちらにお越しでしょうか?」

「ウム、皆ワシと一緒に牢屋へついてまいれ」

一行は牢屋に迎い、番兵から鍵をもらう。番兵を下がらせ、階段付近から音声阻害の魔法をブリンクス王が唱える。ジャックが鍵を開けると、ブリンクス王が牢に近づき入ろうとした。

ジャックが驚いて呼び止めた。
「ブリンクス王よ、何をされるおつもりですか!」
「良いのじゃ」
ブリンクス王が牢部屋の中に入り、エルヴィーノの前に座った。

「我が子よ。エルヴィーノよ。今回は助かったぞ。ありがとう」
そう言って座りながらブリンクス王は頭を下げた。

「別に・・・いいよ。そんなの」
いきなりだったから恥ずかしかった、ロザリーも見てるし。

「お前にはもっと早く会って話さなければならない事があったのだ」
(・・・何だろ?)
「今のお前たちダークエルフの状況を作る事となった原因についてだ」
ダークエルフとエルフの長きに渡る戦争は知っているが、その理由について・・・エルヴィーノは知らなかった。


「それは、母さんは知っているのですか?」
「もちろんリーゼロッテには話してある」







あとがき
戦争の火種とは・・・
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