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第1章 エルフ国編
第22話 ロザリーの陰謀
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エルヴィーノは屋敷に戻ってきた。
”直ぐに来い”と、グンデリックがエマスコで連絡してきた。
屋敷に戻って直ぐに兵舎のグンデリックの執務室に向った。
コンコン。
「エルヴィーノです」
「入れ」
扉を叩き許可を取り開け入ると「時間が無い、座れ」矢継ぎ早にグンデリックが説明してくれた。
それは自分の浮気がロザリーにバレた事だ。
ただ、その報告書は日付が無いから最近だと伝えてある事。
何年も前からだとは言うなと釘を刺された。
「兎に角、謝れ。ロザリーが許してくれるまで誤り続けろ。何を言われても済みませんでしたと言え。どんな要求も甘んじて受けろ。いいか? わかったか?」
後でグンデリックから聞いたが、その時エルヴィーノは顔面蒼白だったそうだ。
頭は思考停止して真っ白だった。
ただ、ただ、どうして? 何故発覚したのか不思議だった。
(あれだけ周りに気を使っていたのに・・・)
実は簡単な事で調査する者の能力的が格上だったに過ぎないと後から知らされた。
ガックリだった。
意気消沈のまま屋敷に戻るエルヴィーノ。
「ただいま・・・」
誰の返事もない。
迷宮で最終戦闘を行なう部屋に来た心境だ。
心臓が高鳴る。
居間に行くと自分宛ての手紙があった。
”軽い食事を取り、シャワーを浴び綺麗になって寝室へ来るように”とロザリーからだ。
エアハルトがいない事に気づく。
多分ナタリーが見ているだろう。
1日の汗を流し3人でゆっくり寝るのが最近の楽しみだった。
エルヴィーノは指示通り、テーブルにあった軽い食事を口に入れ2階に行った。
シャワーを浴び綺麗に拭いて出てくると、そこには服も何も身に着けていないロザリーが立っていた。
エルヴィーノに近づいてくると表情が一変し、大粒の涙を流し叫びながら胸に飛び込んできた。
「ワ―――――――ッ、エルヴィーノのバカバカバカ・・・」
「ゴメン、ロザリー・・・」
ロザリーは首や肩を咬んできた。
背中も引っ掻いている。
エルヴィーノは抱きしめた。
こんな時でも血液は相棒に逆流していった。
有無を言わさずロザリーの唇を塞ぎベッドに押し倒した。
その夜は一晩中愛し合った。
次の日も許してはくれなかった。
1日中求められた。
その夜も・・・そして、次の日もずっと愛し合っていた。
エルヴィーノはすでに決めていた。
ロザリーが許してくれるまで、愛してやろうと。
何度でも、何日でも。
実際許してくれたのは何日目の朝か解らなかった。(5日目だった)
過去にこんなヤリまくった事は無かった。
それでも最後にロザリーの口からは「絶対に許さない」と笑いながら言われ激しいキスをされた。
思う存分エルヴィーノを堪能したロザリーは食事を取り執務室へ戻って行った。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
ロザリーの思考は復讐で一杯だった。
「どんな復讐がいい? 2度とエルヴィーノに近づかないようにしないと。いっそ闇に葬ってしまおうか・・・」
(思考がエルヴィーノと酷似している)
「私が手を下したと思われてもダメね。さてと、どうしようかしら・・・」
暫らく熟考して出した案はこれだ。
「そう言えば王宮には古くて大きな転移装置が有るわ。あれを使って遠くの知らない場所へ飛ばしてやろうかしら。でもどうやって王宮に誘き寄せる?・・・」
自問自答するが転移魔法陣は高度な魔法でロザリーにも扱えない物だ。
まして、高度な魔法を使えるエルフも少ない。
直ぐに足の付く方法は避けよう。
ロザリーの言う古くて巨大な転移装置。
一見転移装置に見えるが、実はとんでもない魔道具だった。
遥か昔エルフの祖先が作っていた物、それは【転生魔導装置】
実験と失敗を繰り返し、理論上の議論や人体実験も数えきれないほど行い、最後に出来た装置が現在残っている転生魔法陣と補佐する魔導具だった。
ただし、この魔法陣は複雑で子孫のエルフも扱う事が出来なかった。
主な理由は発動に必要な動力不足が原因であった。
エルフの魔法使いが100人いても足りない魔素が必要な魔法陣。
使われない魔法陣は次第に忘れ去られていき、唯一古文書に記載される程度だった。
ただ、時の悪戯が魔法陣の発動を刻々と待っていた。
ダークエルフとの戦争で、大きな力を持つ第97代ダークエルフ王ディラン・デ・モンドリアンが戦争で負けた理由。
エルフ族に伝わるオスクロ・マヒアの元である魔素を吸収する聖玉これは代々エルフ王にしか扱えず、その魔素量によるが使用後の聖玉は普通の石になる。
吸収した暗黒魔素を少しずつ普通の魔素に変換し放出する為だ。
本来はその通りだが、別の古文書にはこう書かれている。
吸収した暗黒魔素を魔素動力に変換する魔導具。
それが転生魔法陣に組み込まれている、と・・・。
何日も自らが王都の図書館で調べ上げ手がかりを入手したロザリー。
ただしロザリーは転移装置だと思い込んでいる。
「私はメイド達と屋敷にいる。もしくはエルヴィーノと愛し合っている日が望ましいわ。あの女を誘き出し魔法陣に中に、そしてただの石となった聖玉を持ってくる。魔法陣の発動・・・外部のエルフね・・・亜人も有りか・・・」
悶々と悪巧みをするロザリー。
「あの女の居場所はわかるから、魔法陣まで連れてくる方法だわ。ただの石となった聖玉も場所はわかるわ。ブリンクス王しか扱えないので王宮の庭で粗末に扱われているあの石よね。これは庭の掃除と称して移動させれば良いわ。後は、魔法の発動か・・・時間をかけて練らなければ。でも外部の者となるとグンデリックに頼むしかないわね」
取りあえずやるべき事を決めたロザリーは気分を変える事にした。
「よし。とりあえず帰ってエルヴィーノを吸い尽くしてやろぉっと」
ルンルン気分で王都の図書館から帰宅するロザリー。
その晩エルヴィーノはたっぷりと吸い取られた。
余談だが、浮気がバレてからも実家には行けた。
ロザリーは何も言ってこなかった。
愚かなエルヴィーノは許してもらったと思いメルヴィと愛し合っていた。
そんなある日。
「グンデリック、チョツトお話があります」
「ハッ、何でしょうか?」
「では私の執務室で」
「ハッ」
執務室でロザリーはバオス・ホステの魔法をかけた。
「オーウェン卿の事は覚えていますか?」
「卿の話なら覚えている。突然死だったな」
「えぇそうなの。それでね、卿の親族から調べて欲しいと相談されたのよ」
「何故ロザリー様が?」
「親族もイロイロ調べているらしいけど一向に解らないらしいの。でね、内政的に敵対勢力が無かったか協力依頼があったのよ」
「フム、それでロザリー様はどうなされようと?」
「余り表立って調べられないし、トラブルに巻き込まれたくないし、家の者を使いたく無いわ」
「ふむっ、卿の身辺調査、裏事情、荒事兼用ですな?」
「えぇそうよ」
「では、何名ほどを用意すれば良いですか?」
「そうね・・・4~5人かしら・・・王宮にも入ってもらうわ」
「賜りました」
「それで、どのくらい費用が掛かりますか?」
「そうですな・・・今回は調査だけなので1人銀貨5枚あれば良いでしょう」
「そう、あと今回の依頼は私が直接します」
「それは駄目だ!奴ら足元見てくるしロザリー様を危険な奴らに見せたくねぇ!」
「大丈夫よ、グンデリック。貴方がずっと使っている者でしょ?」
「まぁそうですが・・・わかりました。こうしましょう。奴らのリーダーに会って説明して下さい。それで、二人で音声阻害の魔法を掛ければワシには聞こえません」
「えぇ、そうしましょう」
「では、後日改めて。奴らと会うのはワシの執務室で良いですか?」
「えぇ結構よ」
ロザリーは魔法を解いた。
「ではグンデリック、お願いしますね」
「ハッ」
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
数日後の朝食の時。
「ロザリー様。本日午後から報告が有りますがよろしいですか?」
「えぇ」
「何時頃が良いでしょうか?」
「昼食後はどうでしょう?」
「ハッでは御待ちしております」
(準備万端。詳細は紙に書いた。報酬も金貨20枚有れば大丈夫よね。フフフ)
約束の時間の前にロザリーはグンデリックの執務室に来ていた。
そして・・・コンコン。
「入れ」
現れたのは・・・
深々と被っていたフードを脱ぎ取ると、現れたのは魔族と称される容姿だった。
額から出た二本の角。
どちらも途中で折れて、いや切られているのがハッキリと解る。
「あなたは魔族ですか?」
「俺が魔族だと依頼は無しか?」
「イイエ。ちょっと驚いただけよ。グンデリックとは長いの?」
「あぁもう何100年だか覚えてねぇ」
「そう、わかりました。あなたを信頼しますわ」
「信頼だと?信用じゃねぇのか」
「グンデリックは私が産まれた時から私を守ってくれたわ。私よりも付き合いの長いあなただったら任せられそうと思ったの」
「まぁその話はその辺までだ、粗方説明してあるがロザリー様から何かありますか?」
「では、念には念を入れて私からも説明させて頂きます」
ロザリーはグンデリックの顔を見て、グンデリックは一歩下がる。
ここまでは事前に聞いていた魔族。
ロザリーが音声阻害の魔法を掛ける。
「これで、ヤツには聞こえ無いが、本当に良いのか?俺で」
「えぇあなたを見て安心しましたわ。必ずやってくれるだろうと」
「では、どうぞ」
「はい。まずは、ごめんなさい」
「何?」
「グンデリックから貴方に説明した依頼は嘘です」
「どう言う事だ?」
「はい。話せば長くなりますから紙に書きました。そして、報酬はこの袋に入っていますので中を出さずに確認して下さい」
魔族は袋を受け取り、中を覗く。
「こんな!こりゃヤバい仕事だな・・・」
「イイエそんな事ありませんわ。決して殺しではありません」
「本当か?いくらなんでも多すぎじゃねぇか?」
「確かに闇に消えてもらいますが殺したりはしませんわ」
「消えるが殺しでは無いと?」
「詳しい段取りは紙に書いてあります。必要な人数はお任せします」
受け取った手紙の冒頭を読む魔族。
「ターゲットは女の子1人。ハァ? どういう事だ?」
「理解できなくて構わないわ。これは女の意地と、嫉妬と、復讐よ」
「・・・解った。それ以上は聞かねぇ」
(なんかピンと来た魔族だった)
「まだ、決行日時までは大分あるわ。解らない事があればグンデリックに連絡して下さい」
「一応確認だが、グンデリックには秘密だな」
「えぇ勿論よ」
「解った」
魔族はもらった報酬と依頼書をしまうと帰ろうとしたのでロザリーが魔法を解き、魔族とグンデリックが目で挨拶をする。
「ロザリー様?!」
「無事に終わったわ。さてと、エアハルトにオッパイ飲ませてこようかな」
そう言ってロザリーは屋敷に戻って行った。
あとがき
メルヴィの運命は・・・押し寄せるロザリーの魔手・・・
次回、もう1人の主人公が転生します。
”直ぐに来い”と、グンデリックがエマスコで連絡してきた。
屋敷に戻って直ぐに兵舎のグンデリックの執務室に向った。
コンコン。
「エルヴィーノです」
「入れ」
扉を叩き許可を取り開け入ると「時間が無い、座れ」矢継ぎ早にグンデリックが説明してくれた。
それは自分の浮気がロザリーにバレた事だ。
ただ、その報告書は日付が無いから最近だと伝えてある事。
何年も前からだとは言うなと釘を刺された。
「兎に角、謝れ。ロザリーが許してくれるまで誤り続けろ。何を言われても済みませんでしたと言え。どんな要求も甘んじて受けろ。いいか? わかったか?」
後でグンデリックから聞いたが、その時エルヴィーノは顔面蒼白だったそうだ。
頭は思考停止して真っ白だった。
ただ、ただ、どうして? 何故発覚したのか不思議だった。
(あれだけ周りに気を使っていたのに・・・)
実は簡単な事で調査する者の能力的が格上だったに過ぎないと後から知らされた。
ガックリだった。
意気消沈のまま屋敷に戻るエルヴィーノ。
「ただいま・・・」
誰の返事もない。
迷宮で最終戦闘を行なう部屋に来た心境だ。
心臓が高鳴る。
居間に行くと自分宛ての手紙があった。
”軽い食事を取り、シャワーを浴び綺麗になって寝室へ来るように”とロザリーからだ。
エアハルトがいない事に気づく。
多分ナタリーが見ているだろう。
1日の汗を流し3人でゆっくり寝るのが最近の楽しみだった。
エルヴィーノは指示通り、テーブルにあった軽い食事を口に入れ2階に行った。
シャワーを浴び綺麗に拭いて出てくると、そこには服も何も身に着けていないロザリーが立っていた。
エルヴィーノに近づいてくると表情が一変し、大粒の涙を流し叫びながら胸に飛び込んできた。
「ワ―――――――ッ、エルヴィーノのバカバカバカ・・・」
「ゴメン、ロザリー・・・」
ロザリーは首や肩を咬んできた。
背中も引っ掻いている。
エルヴィーノは抱きしめた。
こんな時でも血液は相棒に逆流していった。
有無を言わさずロザリーの唇を塞ぎベッドに押し倒した。
その夜は一晩中愛し合った。
次の日も許してはくれなかった。
1日中求められた。
その夜も・・・そして、次の日もずっと愛し合っていた。
エルヴィーノはすでに決めていた。
ロザリーが許してくれるまで、愛してやろうと。
何度でも、何日でも。
実際許してくれたのは何日目の朝か解らなかった。(5日目だった)
過去にこんなヤリまくった事は無かった。
それでも最後にロザリーの口からは「絶対に許さない」と笑いながら言われ激しいキスをされた。
思う存分エルヴィーノを堪能したロザリーは食事を取り執務室へ戻って行った。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
ロザリーの思考は復讐で一杯だった。
「どんな復讐がいい? 2度とエルヴィーノに近づかないようにしないと。いっそ闇に葬ってしまおうか・・・」
(思考がエルヴィーノと酷似している)
「私が手を下したと思われてもダメね。さてと、どうしようかしら・・・」
暫らく熟考して出した案はこれだ。
「そう言えば王宮には古くて大きな転移装置が有るわ。あれを使って遠くの知らない場所へ飛ばしてやろうかしら。でもどうやって王宮に誘き寄せる?・・・」
自問自答するが転移魔法陣は高度な魔法でロザリーにも扱えない物だ。
まして、高度な魔法を使えるエルフも少ない。
直ぐに足の付く方法は避けよう。
ロザリーの言う古くて巨大な転移装置。
一見転移装置に見えるが、実はとんでもない魔道具だった。
遥か昔エルフの祖先が作っていた物、それは【転生魔導装置】
実験と失敗を繰り返し、理論上の議論や人体実験も数えきれないほど行い、最後に出来た装置が現在残っている転生魔法陣と補佐する魔導具だった。
ただし、この魔法陣は複雑で子孫のエルフも扱う事が出来なかった。
主な理由は発動に必要な動力不足が原因であった。
エルフの魔法使いが100人いても足りない魔素が必要な魔法陣。
使われない魔法陣は次第に忘れ去られていき、唯一古文書に記載される程度だった。
ただ、時の悪戯が魔法陣の発動を刻々と待っていた。
ダークエルフとの戦争で、大きな力を持つ第97代ダークエルフ王ディラン・デ・モンドリアンが戦争で負けた理由。
エルフ族に伝わるオスクロ・マヒアの元である魔素を吸収する聖玉これは代々エルフ王にしか扱えず、その魔素量によるが使用後の聖玉は普通の石になる。
吸収した暗黒魔素を少しずつ普通の魔素に変換し放出する為だ。
本来はその通りだが、別の古文書にはこう書かれている。
吸収した暗黒魔素を魔素動力に変換する魔導具。
それが転生魔法陣に組み込まれている、と・・・。
何日も自らが王都の図書館で調べ上げ手がかりを入手したロザリー。
ただしロザリーは転移装置だと思い込んでいる。
「私はメイド達と屋敷にいる。もしくはエルヴィーノと愛し合っている日が望ましいわ。あの女を誘き出し魔法陣に中に、そしてただの石となった聖玉を持ってくる。魔法陣の発動・・・外部のエルフね・・・亜人も有りか・・・」
悶々と悪巧みをするロザリー。
「あの女の居場所はわかるから、魔法陣まで連れてくる方法だわ。ただの石となった聖玉も場所はわかるわ。ブリンクス王しか扱えないので王宮の庭で粗末に扱われているあの石よね。これは庭の掃除と称して移動させれば良いわ。後は、魔法の発動か・・・時間をかけて練らなければ。でも外部の者となるとグンデリックに頼むしかないわね」
取りあえずやるべき事を決めたロザリーは気分を変える事にした。
「よし。とりあえず帰ってエルヴィーノを吸い尽くしてやろぉっと」
ルンルン気分で王都の図書館から帰宅するロザリー。
その晩エルヴィーノはたっぷりと吸い取られた。
余談だが、浮気がバレてからも実家には行けた。
ロザリーは何も言ってこなかった。
愚かなエルヴィーノは許してもらったと思いメルヴィと愛し合っていた。
そんなある日。
「グンデリック、チョツトお話があります」
「ハッ、何でしょうか?」
「では私の執務室で」
「ハッ」
執務室でロザリーはバオス・ホステの魔法をかけた。
「オーウェン卿の事は覚えていますか?」
「卿の話なら覚えている。突然死だったな」
「えぇそうなの。それでね、卿の親族から調べて欲しいと相談されたのよ」
「何故ロザリー様が?」
「親族もイロイロ調べているらしいけど一向に解らないらしいの。でね、内政的に敵対勢力が無かったか協力依頼があったのよ」
「フム、それでロザリー様はどうなされようと?」
「余り表立って調べられないし、トラブルに巻き込まれたくないし、家の者を使いたく無いわ」
「ふむっ、卿の身辺調査、裏事情、荒事兼用ですな?」
「えぇそうよ」
「では、何名ほどを用意すれば良いですか?」
「そうね・・・4~5人かしら・・・王宮にも入ってもらうわ」
「賜りました」
「それで、どのくらい費用が掛かりますか?」
「そうですな・・・今回は調査だけなので1人銀貨5枚あれば良いでしょう」
「そう、あと今回の依頼は私が直接します」
「それは駄目だ!奴ら足元見てくるしロザリー様を危険な奴らに見せたくねぇ!」
「大丈夫よ、グンデリック。貴方がずっと使っている者でしょ?」
「まぁそうですが・・・わかりました。こうしましょう。奴らのリーダーに会って説明して下さい。それで、二人で音声阻害の魔法を掛ければワシには聞こえません」
「えぇ、そうしましょう」
「では、後日改めて。奴らと会うのはワシの執務室で良いですか?」
「えぇ結構よ」
ロザリーは魔法を解いた。
「ではグンデリック、お願いしますね」
「ハッ」
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
数日後の朝食の時。
「ロザリー様。本日午後から報告が有りますがよろしいですか?」
「えぇ」
「何時頃が良いでしょうか?」
「昼食後はどうでしょう?」
「ハッでは御待ちしております」
(準備万端。詳細は紙に書いた。報酬も金貨20枚有れば大丈夫よね。フフフ)
約束の時間の前にロザリーはグンデリックの執務室に来ていた。
そして・・・コンコン。
「入れ」
現れたのは・・・
深々と被っていたフードを脱ぎ取ると、現れたのは魔族と称される容姿だった。
額から出た二本の角。
どちらも途中で折れて、いや切られているのがハッキリと解る。
「あなたは魔族ですか?」
「俺が魔族だと依頼は無しか?」
「イイエ。ちょっと驚いただけよ。グンデリックとは長いの?」
「あぁもう何100年だか覚えてねぇ」
「そう、わかりました。あなたを信頼しますわ」
「信頼だと?信用じゃねぇのか」
「グンデリックは私が産まれた時から私を守ってくれたわ。私よりも付き合いの長いあなただったら任せられそうと思ったの」
「まぁその話はその辺までだ、粗方説明してあるがロザリー様から何かありますか?」
「では、念には念を入れて私からも説明させて頂きます」
ロザリーはグンデリックの顔を見て、グンデリックは一歩下がる。
ここまでは事前に聞いていた魔族。
ロザリーが音声阻害の魔法を掛ける。
「これで、ヤツには聞こえ無いが、本当に良いのか?俺で」
「えぇあなたを見て安心しましたわ。必ずやってくれるだろうと」
「では、どうぞ」
「はい。まずは、ごめんなさい」
「何?」
「グンデリックから貴方に説明した依頼は嘘です」
「どう言う事だ?」
「はい。話せば長くなりますから紙に書きました。そして、報酬はこの袋に入っていますので中を出さずに確認して下さい」
魔族は袋を受け取り、中を覗く。
「こんな!こりゃヤバい仕事だな・・・」
「イイエそんな事ありませんわ。決して殺しではありません」
「本当か?いくらなんでも多すぎじゃねぇか?」
「確かに闇に消えてもらいますが殺したりはしませんわ」
「消えるが殺しでは無いと?」
「詳しい段取りは紙に書いてあります。必要な人数はお任せします」
受け取った手紙の冒頭を読む魔族。
「ターゲットは女の子1人。ハァ? どういう事だ?」
「理解できなくて構わないわ。これは女の意地と、嫉妬と、復讐よ」
「・・・解った。それ以上は聞かねぇ」
(なんかピンと来た魔族だった)
「まだ、決行日時までは大分あるわ。解らない事があればグンデリックに連絡して下さい」
「一応確認だが、グンデリックには秘密だな」
「えぇ勿論よ」
「解った」
魔族はもらった報酬と依頼書をしまうと帰ろうとしたのでロザリーが魔法を解き、魔族とグンデリックが目で挨拶をする。
「ロザリー様?!」
「無事に終わったわ。さてと、エアハルトにオッパイ飲ませてこようかな」
そう言ってロザリーは屋敷に戻って行った。
あとがき
メルヴィの運命は・・・押し寄せるロザリーの魔手・・・
次回、もう1人の主人公が転生します。
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日本を含め世界の未来を守る為に聖戦士 正輝が妖怪達と共に黑緋神之命と滝夜叉姫、そして悪霊軍団に立ち向かう─
【完結】魔法は使えるけど、話が違うんじゃね!?
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「話が違う!!」
思わず叫んだオレはがくりと膝をついた。頭を抱えて呻く姿に、周囲はドン引きだ。
「確かに! 確かに『魔法』は使える。でもオレが望んだのと全っ然! 違うじゃないか!!」
全力で世界を否定する異世界人に、誰も口を挟めなかった。
異世界転移―――魔法が使え、皇帝や貴族、魔物、獣人もいる中世ヨーロッパ風の世界。簡易説明とカミサマ曰くのチート能力『魔法』『転生先基準の美形』を授かったオレの新たな人生が始まる!
と思ったが、違う! 説明と違う!!! オレが知ってるファンタジーな世界じゃない!?
放り込まれた戦場を絶叫しながら駆け抜けること数十回。
あれ? この話は詐欺じゃないのか? 絶対にオレ、騙されたよな?
これは、間違った意味で想像を超える『ファンタジーな魔法世界』を生き抜く青年の成長物語―――ではなく、苦労しながら足掻く青年の哀れな戦場記録である。
【注意事項】BLっぽい表現が一部ありますが、BLではありません
(ネタバレになるので詳細は伏せます)
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
2019年7月 ※エブリスタ「特集 最強無敵の主人公~どんな逆境もイージーモード!~」掲載
2020年6月 ※ノベルアップ+ 第2回小説大賞「異世界ファンタジー」二次選考通過作品(24作品)
2021年5月 ※ノベルバ 第1回ノベルバノベル登竜門コンテスト、最終選考掲載作品
2021年9月 9/26完結、エブリスタ、ファンタジー4位
私が産まれる前に消えた父親が、隣国の皇帝陛下だなんて聞いてない
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ハミルトン侯爵家のアリスはレノワール王国でも有数の優秀な魔法士で、王立学園卒業後には婚約者である王太子との結婚が決まっていた。
しかし、王立学園の卒業記念パーティーの日、アリスは王太子から婚約破棄を言い渡される。
王太子が寵愛する伯爵令嬢にアリスが嫌がらせをし、さらに魔法士としては禁忌である『魔法を使用した通貨偽造』という理由で。
身に覚えがないと言うアリスの言葉に王太子は耳を貸さず、国外追放を言い渡す。
翌日、アリスは実父を頼って隣国・グランディエ帝国へ出発。
パーティーでアリスを助けてくれた帝国の貴族・エリックも何故か同行することに。
祖父のハミルトン侯爵は爵位を返上して王都から姿を消した。
アリスを追い出せたと喜ぶ王太子だが、激怒した国王に吹っ飛ばされた。
「この馬鹿息子が!お前は帝国を敵にまわすつもりか!!」
一方、帝国で仰々しく迎えられて困惑するアリスは告げられるのだった。
「さあ、貴女のお父君ーー皇帝陛下のもとへお連れ致しますよ、お姫様」と。
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