8 / 430
第1章 エルフ国編
第8話 ロザリー・ファン・デ・ブリンクス公爵婦人
しおりを挟む
未亡人の心の隙間に見知らぬ親子の光景が衝撃と共に闇が落ちて行く・・・
その美しい女性は未亡人だった。
白磁のような白い肌、大きな二重瞼の目には青空のように透き通るような碧眼、スッとした高い鼻、薄紅色であまり大きく無い厚めの唇、シャープな顎、黄金に輝くウェーブのかかった髪を左側にまとめて胸に置き、ふくよかな双丘は重力を無視して下着も着けず前方へ起立していた。
まるで、壁に立つ人のように!
それとは対処的にくびれた腰を境にさほど大きく無い臀部だが、ヒップアップされた臀部は丸く弾むような大きさで双丘に負けないほどである。
100年前のダークエルフとの戦いで夫を亡くし未亡人を貫いて、亡き夫エミリアンに操を立てる貞淑な女性として、エルフの中(特に既婚女性に)とても信頼が厚い。
そんな性格も良い、たぐいまれな容姿を持つ未亡人を世の男達がほって置かないのだが、例外無く玉砕し独り身を貫いていた。
亡き夫エミリアンはエルフの王ディーデリック・ファン・デ・ブリンクスの第2子だった。
エミリアンの死後、エルフ国メディテッラネウスにおいてエミリアンの内政の功績を後世に伝えたいとブリンクス王に嘆願し公爵の位を受け継いだ。
甘く透き通るような綺麗な声、シミやシワも無い女神のような美しさのこの女性。
実は心に闇を抱えていた。
人には言えないその闇とは・・・
小さい男の子を対象に抱く愛情・執着・・・少年愛好家だ。
元は正常思考だったが亡き夫と性に目覚め、性技の限りをつくし行為に励んでいた。
しかし夫が亡くなった後再婚の話も数えきれず出て来るも、自分の性癖がエルフとして度を越していると自覚するあまり再婚しても以前のようなメクルメク快楽の彼方へは行けないと考えていた。
そんなある日、散歩しながら街の景色を見ていると何組かの親子が遊んでいる。
珍しくはないが、エルフは長寿の為余り子供は出来ないのである。
早くに未亡人となった彼女にも子供は居なかった。
公園の近くの椅子に座り一休みしながら親子達を見ていると、ロザリーの目に衝撃の光景が映る。
ほとんどの親子が母親と子供で、一番近くで見ていた親子は母親と男の子。
それがキスをしたのである。
ロザリーの目の前で。
廻りの親子も同じである。
ロザリーは目を見開き、身を震わせた。
まさに衝撃であった。
電気系の魔法を当てられたかの衝撃がロザリーの全身に走ったかに思われブルッと身震いをする。
(実際は親子のスキンシップだ)
ロザリーは、いそいそと自宅に帰る途中ブツブツと小声で喋りながら睨むような眼差しで・・・まるで遠くを見るように帰って行った。
ロザリーは公爵である。
地位があり、金もある。
信頼のおける家臣もいる。
私利私欲のために、そこそこの事は出来る。
専属の召し使いの中でもメイド長ナタリーと、専属の騎士の中でも影の仕事もこなすグンデリックが居る。
二人はロザリーが産まれる以前からロザリーの実家であるコルト家に身を置き、ロザリーが幼き時より躾けや、魔法に学問、一般的な世の中の事まで教えてきたつもりである。
160歳の時に公爵家に嫁ぎ、幸せ一杯のロザリーを影ながら御世話をするのが二人の生涯の楽しみになっていた。
ところが、ダークエルフとの戦争でわずか40年足らずの夫婦生活が終わり、そのまま未亡人として暮らしてきたが、八方からの再婚の声も全て断る始末。
あれから100年も経ち二人が再婚を諦めた矢先にロザリーからトンでもない爆弾発言が二人に投げられた。
「エルフの100歳前後から赤子までの名前と両親を調べよ」と。
二人は「何故?」と聞いた。
ロザリーはこう答えた。
「私の理想の夫を育てます」
二人ともポカーンとしているとグンデリック問いただす。
「ロザリー様!一体どう言うおつもりか?」
グンデリックの思想(一般のエルフ的な考え)は裕福な家の娘として類い稀な美貌と、知識にマナーを身に着けた自慢の娘が、何を言っているのか信じられなかった。娘の居ないグンデリックは本当の娘のような思い入れを少なからず持っていたからだ。
ただ、ロザリーとグンデリックが話しているとナタリーは「カシコマリマシタ」と。
その言い方と表情は(ハー。仕方ない・・・)的な感じだ。
ナタリーは知っている。
当然女同士なのでグンデリックには解らない事もあるし、ロザリーのこのような態度と話し方は、自分の考えを変えない事も。
確かにエルフは長寿だ。
成人してからも若い時間が長い。
ロザリーはまだ若いからと、ナタリーも勝手に考える。
過去も”まぁまぁ”とナタリーがグンデリックをなだめる事も多々あった事だ。
数日経ち、ロザリーの執務室へ報告書を持ってグンデリックとナタリーがやって来た。
ロザリーが「どうですか?良さそうな子は居ましたか?」と期待しながらたずねた。
一応ナタリーとグンデリックが二人でチェックして身元の確かな、ある程度身分の高い子を選別してロザリーに見せた。一応魔法で両親と本人の姿が見えるようになっている。
まず、階級、両親の名前、職業、家族構成、年齢、だいたいの身長、おおよその体重、性格などが調べられてあった。
その数10人。5歳から12歳まで。
一通り目を通してロザリーの口からは「これだけですか・・・」ナタリーが思うに、どうやら気に入らなかった様子。
何度も写真を見て最終的に二人に絞るがロザリーから「暫くこの件は保留にしましょう」と告げられる。
グンデリックはヤレヤレ的なチョッとほっとした気分だった。
ずっと見てきた我が子のように思う娘が自分の夫を育てたいなどと。
グンデリックは正気の沙汰とは思えなかった。
ナタリーは理解していたようだが「俺には解らん」と納得がいかない様子だった。
これは王宮内でバッタリとエルヴィーノに合う10年前の出来事で、人知れず変態が発生した時の話である。
実際にそんな野望は難しく、子供に話しかけても怖がられ回りからは誘拐犯に見られたりと、人を使っての説明も怒られ怒鳴られ交渉で雇った旅人のエルフにも冷たい目で見られたり。
もっとも、身元のしっかりした子が簡単に手に入る訳もなく、今までの苦労は何だったのかと半ば諦めていたこの頃だった。
そしてロザリーにとって運命の出逢いが待ち受けていた。
何も知らないエルヴィーノにとっても宿命の歯車が回りだす。
あとがき
この後、幼気な子羊が淫魔に食べられていく展開です。
その美しい女性は未亡人だった。
白磁のような白い肌、大きな二重瞼の目には青空のように透き通るような碧眼、スッとした高い鼻、薄紅色であまり大きく無い厚めの唇、シャープな顎、黄金に輝くウェーブのかかった髪を左側にまとめて胸に置き、ふくよかな双丘は重力を無視して下着も着けず前方へ起立していた。
まるで、壁に立つ人のように!
それとは対処的にくびれた腰を境にさほど大きく無い臀部だが、ヒップアップされた臀部は丸く弾むような大きさで双丘に負けないほどである。
100年前のダークエルフとの戦いで夫を亡くし未亡人を貫いて、亡き夫エミリアンに操を立てる貞淑な女性として、エルフの中(特に既婚女性に)とても信頼が厚い。
そんな性格も良い、たぐいまれな容姿を持つ未亡人を世の男達がほって置かないのだが、例外無く玉砕し独り身を貫いていた。
亡き夫エミリアンはエルフの王ディーデリック・ファン・デ・ブリンクスの第2子だった。
エミリアンの死後、エルフ国メディテッラネウスにおいてエミリアンの内政の功績を後世に伝えたいとブリンクス王に嘆願し公爵の位を受け継いだ。
甘く透き通るような綺麗な声、シミやシワも無い女神のような美しさのこの女性。
実は心に闇を抱えていた。
人には言えないその闇とは・・・
小さい男の子を対象に抱く愛情・執着・・・少年愛好家だ。
元は正常思考だったが亡き夫と性に目覚め、性技の限りをつくし行為に励んでいた。
しかし夫が亡くなった後再婚の話も数えきれず出て来るも、自分の性癖がエルフとして度を越していると自覚するあまり再婚しても以前のようなメクルメク快楽の彼方へは行けないと考えていた。
そんなある日、散歩しながら街の景色を見ていると何組かの親子が遊んでいる。
珍しくはないが、エルフは長寿の為余り子供は出来ないのである。
早くに未亡人となった彼女にも子供は居なかった。
公園の近くの椅子に座り一休みしながら親子達を見ていると、ロザリーの目に衝撃の光景が映る。
ほとんどの親子が母親と子供で、一番近くで見ていた親子は母親と男の子。
それがキスをしたのである。
ロザリーの目の前で。
廻りの親子も同じである。
ロザリーは目を見開き、身を震わせた。
まさに衝撃であった。
電気系の魔法を当てられたかの衝撃がロザリーの全身に走ったかに思われブルッと身震いをする。
(実際は親子のスキンシップだ)
ロザリーは、いそいそと自宅に帰る途中ブツブツと小声で喋りながら睨むような眼差しで・・・まるで遠くを見るように帰って行った。
ロザリーは公爵である。
地位があり、金もある。
信頼のおける家臣もいる。
私利私欲のために、そこそこの事は出来る。
専属の召し使いの中でもメイド長ナタリーと、専属の騎士の中でも影の仕事もこなすグンデリックが居る。
二人はロザリーが産まれる以前からロザリーの実家であるコルト家に身を置き、ロザリーが幼き時より躾けや、魔法に学問、一般的な世の中の事まで教えてきたつもりである。
160歳の時に公爵家に嫁ぎ、幸せ一杯のロザリーを影ながら御世話をするのが二人の生涯の楽しみになっていた。
ところが、ダークエルフとの戦争でわずか40年足らずの夫婦生活が終わり、そのまま未亡人として暮らしてきたが、八方からの再婚の声も全て断る始末。
あれから100年も経ち二人が再婚を諦めた矢先にロザリーからトンでもない爆弾発言が二人に投げられた。
「エルフの100歳前後から赤子までの名前と両親を調べよ」と。
二人は「何故?」と聞いた。
ロザリーはこう答えた。
「私の理想の夫を育てます」
二人ともポカーンとしているとグンデリック問いただす。
「ロザリー様!一体どう言うおつもりか?」
グンデリックの思想(一般のエルフ的な考え)は裕福な家の娘として類い稀な美貌と、知識にマナーを身に着けた自慢の娘が、何を言っているのか信じられなかった。娘の居ないグンデリックは本当の娘のような思い入れを少なからず持っていたからだ。
ただ、ロザリーとグンデリックが話しているとナタリーは「カシコマリマシタ」と。
その言い方と表情は(ハー。仕方ない・・・)的な感じだ。
ナタリーは知っている。
当然女同士なのでグンデリックには解らない事もあるし、ロザリーのこのような態度と話し方は、自分の考えを変えない事も。
確かにエルフは長寿だ。
成人してからも若い時間が長い。
ロザリーはまだ若いからと、ナタリーも勝手に考える。
過去も”まぁまぁ”とナタリーがグンデリックをなだめる事も多々あった事だ。
数日経ち、ロザリーの執務室へ報告書を持ってグンデリックとナタリーがやって来た。
ロザリーが「どうですか?良さそうな子は居ましたか?」と期待しながらたずねた。
一応ナタリーとグンデリックが二人でチェックして身元の確かな、ある程度身分の高い子を選別してロザリーに見せた。一応魔法で両親と本人の姿が見えるようになっている。
まず、階級、両親の名前、職業、家族構成、年齢、だいたいの身長、おおよその体重、性格などが調べられてあった。
その数10人。5歳から12歳まで。
一通り目を通してロザリーの口からは「これだけですか・・・」ナタリーが思うに、どうやら気に入らなかった様子。
何度も写真を見て最終的に二人に絞るがロザリーから「暫くこの件は保留にしましょう」と告げられる。
グンデリックはヤレヤレ的なチョッとほっとした気分だった。
ずっと見てきた我が子のように思う娘が自分の夫を育てたいなどと。
グンデリックは正気の沙汰とは思えなかった。
ナタリーは理解していたようだが「俺には解らん」と納得がいかない様子だった。
これは王宮内でバッタリとエルヴィーノに合う10年前の出来事で、人知れず変態が発生した時の話である。
実際にそんな野望は難しく、子供に話しかけても怖がられ回りからは誘拐犯に見られたりと、人を使っての説明も怒られ怒鳴られ交渉で雇った旅人のエルフにも冷たい目で見られたり。
もっとも、身元のしっかりした子が簡単に手に入る訳もなく、今までの苦労は何だったのかと半ば諦めていたこの頃だった。
そしてロザリーにとって運命の出逢いが待ち受けていた。
何も知らないエルヴィーノにとっても宿命の歯車が回りだす。
あとがき
この後、幼気な子羊が淫魔に食べられていく展開です。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
【R18】アリスエロパロシリーズ
茉莉花
ファンタジー
家族旅行で訪れたロッジにて、深夜にウサギを追いかけて暖炉の中に落ちてしまう。
そこは不思議の国のアリスをモチーフにしているような、そうでもないような不思議の国。
その国で玩具だったり、道具だったり、男の人だったりと色んな相手にひたすらに喘がされ犯されちゃうエロはファンタジー!なお話。
ストーリー性は殆どありません。ひたすらえっちなことしてるだけです。
(メインで活動しているのはピクシブになります。こちらは同時投稿になります)
俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
とある婚約破棄の顛末
瀬織董李
ファンタジー
男爵令嬢に入れあげ生徒会の仕事を疎かにした挙げ句、婚約者の公爵令嬢に婚約破棄を告げた王太子。
あっさりと受け入れられて拍子抜けするが、それには理由があった。
まあ、なおざりにされたら心は離れるよね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる