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序章 転生から眷族創生
第7話 聖白龍も成龍になる。そして龍人も。
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始祖龍スプレムスが呼びかけた。
「アルブマ、あなたはそろそろ最終進化の次期では無いですか?」
「ハイ。次の眠りにつけば最後の進化が始まると思います」
長い時を経てアルブマ・クリスタが成龍となる”時代”が来ていた。
「アルブマ」
「ハイ、お姉様」
「私が見守ってあげるわ」
「お姉様、ありがとうございます」
自分達が産まれた洞窟の片隅で深い眠りに着くアルブマの側で、見守る様に寄り添うテネブリスだ。
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
この時代になると大陸は分裂し、いくつもの生命体が群れを成す様になっていた。スプレムス達は、小さな生命体を踏みつぶさない様に長く暮らして居た洞窟を拠点として1つの大陸で暮らして居た。
テネブリスの第1ビダであるロサが成龍となって暫くすると、最終進化の為に寝ていたアルブマの身体が輝きだす。その事に気づいたテネブリスが叫ぶ。
「誰かぁ! お母様を呼んで来て頂戴」
皆の見守る中、一段と輝きを増し辺りが光に飲み込まれ・・・次第に終息していった。
一回り大きくなったアルブマはまだぼんやりと輝いている。
その輝きも収まり目を覚ますと、仲間の龍達に祝福を受けた。
成龍となって喜んだ聖白龍アルブマの体長は65kmで、テネブリスよりも若干小さい。
美しい白い鱗を纏い、黄金の瞳に虹色の角と爪。成龍になると角も成長していた。
成龍となった身体を確認するアルブマにテネブリスが近づくと
「綺麗だよアルブマ。お母様と同じ角と爪だね。本当に綺麗だ」
「やだっ、お姉様ったらぁ」
するとデレまくるアルブマだ。
「お姉様。これより私の使徒を創造します」
「あなた、覚えてる? お母様に教えて頂いた方法」
「ハイ、想像力ですね」
「流石はアルブマ。私の妹だわ」
自慢げなテネブリスと嬉しそうなアルブマ。
「全体のイメージよ。形、色、魔素の量と・・・」
「ハイ、お姉様。では、始めます」
集中を始めるアルブマ。そして両手を差し出すと手が輝き出し、二つの光がぶつかる場所が激しく輝いている。そしてアルブマの手から光が消えて行く。
目の前には卵であろう球体が光っている。
「凄かったわ、アルブマ。あなたの創生、とても美しかったわ」
テネブリスに褒められて嬉しそうなアルブマ。
その光景を見ていた始祖龍スプレムスが
「あなたの使徒の名前は考えてあるの?」
「ハイ。私の使徒の名前はベルス・プリム、最初の美しさです」
恥ずかしそうにテネブリスを見つめるアルブマ。
「あなたに良く似て美しい使徒が産まれるのでしょうね」
とテネブリスが褒めるとデレまくるアルブマだ。
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
暗黒龍テネブリスの使徒が第1ビダであるロサを創生から10,000年で成龍となる。
使徒の誕生から第1ビダが成龍となるまでの間に数多くの生命の種が現れて淘汰されて行った。種の進化と共に小さな集落も発生するが様々な自然現象の中で、現れては消える繰りかえしで知性を持つ種が産まれるまでには至らなかった。
自然現象の中には天災や他種族との生存競争に、最上位種である龍達の無意識による踏みつぶしや不可抗力も含まれる。そのような光景を見て”苛立ち”と”あきらめ”を持って関与せず、考えない様にする者が居た。それは”自らが望む存在の発生”には遠く及ばないからだ。そして今は前世の種族よりも、目の仲間に前の子どもたちの事だけを考える様にしたテネブリスだった。
テネブリスの使徒ベルムからロサへ指導され創生の手順を教えられた。それは代々教わった言葉とまったく同じ物で、今回もテネブリスからロサへと助言があった。
「ロサ、良いですか? 」
「はい。テネブリス様」
テネブリスはロサに名前で呼ばせるようにしていた。
テネブリスからは孫にあたるロサ。そのロサから祖母様などとは聞きたくなかったからだ。前世と違い、月日や時代が変わっても容姿が全く変わらない成龍なので、精神的にも”友達感覚”の方が、気が安らぐテネブリスの要望だった。
友達感覚と言っても姿は小さな龍なので致し方ないのだが、それでも自らが創生した者の”子”が可愛くない訳が無い。
「あなたの子は創生を必要とせず交配だけで構いません。ですから最初から性別が必要です。あなたの様に男性型か、それ以外の女性型か。まぁ私とベルムには性別は有りませんが・・・性格は女性型です。順番にすれば男性型ですが、あなたに任せますわ」
「はい。テネブリス様」
そう言ってロサは龍人の創生を始める。
現状の龍種で明確な性別が有るのはロサだけで他は全て無性だ。性器は存在しない。
ロサを創生する時にベルムを連れ回り性教育をした事が懐かしく思い出すアルブマだ。小さな生物の交配を観察させて、男女どちらにするか問われた時に迷う事無く男型と指示したのは、自らの欲望が思わず出てしまったと後になって後悔したアルブマだった。
目を閉じ集中するロサ。教わった通りまずは想像している。
どの様な形で、性格や、色などを細かく思い浮かべ、その子の力となる魔素を周囲の空間から全身で集める。魔素量を感じとり両手で放出して混ぜるように形にしていく。
集中し想像力を膨らませる・・・・集めた魔素と放出時間でこの子の力と強さが決まる。
手から出ている魔素の先には光り輝く球体状の物体(卵)が出来ていた。
それは光沢の有る真っ黒な卵だった。
テネブリスが始祖龍スプレムスの代わりに聞いてきた。
「ベルム、ロサ、あなた達この子の名前は決めているの?」
「「いいえ」」
そこにテネブリスが念話を挟む。
「分かりました。あなた達と同様に私が決めます」
「「お願いします」」
「この子の名前は・・・フィドキアです」
「「それは・・・」」
「信頼と言う意味です」
「今後、小さな生命体と数多く交流するこの者は、私達が信頼し任せられる者だからです」
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
時は流れ・・・
フィドキアは創生から5,000年で成龍となる。
Epílogo
成長日記「アルブマの成龍時点」
暗黒龍・・・テネブリス・アダマス・・・・・生後130,000年、体長70km、成龍。
暗黒龍の使徒であるベルム・プリム・・・・・生後30,000年、体長20km、成龍。
暗黒龍の使徒の第1ビダであるロサ(男型)・・生後10,000年、体長2km、成龍。
暗黒龍の龍人であるフィドキア(男型)・・・・卵の大きさ・・20m・・生後17m
生後5,000年、体長100m、成龍。
聖白龍・・・アルブマ・クリスタ・・・・・・生後100,000年、体長65km、成龍。
聖白龍の使徒であるベルス・プリム・・・・・卵の大きさ・・8km・・生後6km
転生前から87万年前の出来事。
☆ロサとフィドキアの成龍状態の体長は、その後魔法で大きさを変える事となります☆
龍の使徒とは、それぞれの龍が力を与え創造した生命体(性別無)
使徒の第1ビダとは、使徒が創造した最初の生命「Primero Vida」の意(性別有、後に人化になり交配も可)
第1ビダが創造した龍人とは、龍、使徒、第1ビダの使命を実行し他種族との交配する者
(性別有、交配のみ)
「アルブマ、あなたはそろそろ最終進化の次期では無いですか?」
「ハイ。次の眠りにつけば最後の進化が始まると思います」
長い時を経てアルブマ・クリスタが成龍となる”時代”が来ていた。
「アルブマ」
「ハイ、お姉様」
「私が見守ってあげるわ」
「お姉様、ありがとうございます」
自分達が産まれた洞窟の片隅で深い眠りに着くアルブマの側で、見守る様に寄り添うテネブリスだ。
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
この時代になると大陸は分裂し、いくつもの生命体が群れを成す様になっていた。スプレムス達は、小さな生命体を踏みつぶさない様に長く暮らして居た洞窟を拠点として1つの大陸で暮らして居た。
テネブリスの第1ビダであるロサが成龍となって暫くすると、最終進化の為に寝ていたアルブマの身体が輝きだす。その事に気づいたテネブリスが叫ぶ。
「誰かぁ! お母様を呼んで来て頂戴」
皆の見守る中、一段と輝きを増し辺りが光に飲み込まれ・・・次第に終息していった。
一回り大きくなったアルブマはまだぼんやりと輝いている。
その輝きも収まり目を覚ますと、仲間の龍達に祝福を受けた。
成龍となって喜んだ聖白龍アルブマの体長は65kmで、テネブリスよりも若干小さい。
美しい白い鱗を纏い、黄金の瞳に虹色の角と爪。成龍になると角も成長していた。
成龍となった身体を確認するアルブマにテネブリスが近づくと
「綺麗だよアルブマ。お母様と同じ角と爪だね。本当に綺麗だ」
「やだっ、お姉様ったらぁ」
するとデレまくるアルブマだ。
「お姉様。これより私の使徒を創造します」
「あなた、覚えてる? お母様に教えて頂いた方法」
「ハイ、想像力ですね」
「流石はアルブマ。私の妹だわ」
自慢げなテネブリスと嬉しそうなアルブマ。
「全体のイメージよ。形、色、魔素の量と・・・」
「ハイ、お姉様。では、始めます」
集中を始めるアルブマ。そして両手を差し出すと手が輝き出し、二つの光がぶつかる場所が激しく輝いている。そしてアルブマの手から光が消えて行く。
目の前には卵であろう球体が光っている。
「凄かったわ、アルブマ。あなたの創生、とても美しかったわ」
テネブリスに褒められて嬉しそうなアルブマ。
その光景を見ていた始祖龍スプレムスが
「あなたの使徒の名前は考えてあるの?」
「ハイ。私の使徒の名前はベルス・プリム、最初の美しさです」
恥ずかしそうにテネブリスを見つめるアルブマ。
「あなたに良く似て美しい使徒が産まれるのでしょうね」
とテネブリスが褒めるとデレまくるアルブマだ。
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
暗黒龍テネブリスの使徒が第1ビダであるロサを創生から10,000年で成龍となる。
使徒の誕生から第1ビダが成龍となるまでの間に数多くの生命の種が現れて淘汰されて行った。種の進化と共に小さな集落も発生するが様々な自然現象の中で、現れては消える繰りかえしで知性を持つ種が産まれるまでには至らなかった。
自然現象の中には天災や他種族との生存競争に、最上位種である龍達の無意識による踏みつぶしや不可抗力も含まれる。そのような光景を見て”苛立ち”と”あきらめ”を持って関与せず、考えない様にする者が居た。それは”自らが望む存在の発生”には遠く及ばないからだ。そして今は前世の種族よりも、目の仲間に前の子どもたちの事だけを考える様にしたテネブリスだった。
テネブリスの使徒ベルムからロサへ指導され創生の手順を教えられた。それは代々教わった言葉とまったく同じ物で、今回もテネブリスからロサへと助言があった。
「ロサ、良いですか? 」
「はい。テネブリス様」
テネブリスはロサに名前で呼ばせるようにしていた。
テネブリスからは孫にあたるロサ。そのロサから祖母様などとは聞きたくなかったからだ。前世と違い、月日や時代が変わっても容姿が全く変わらない成龍なので、精神的にも”友達感覚”の方が、気が安らぐテネブリスの要望だった。
友達感覚と言っても姿は小さな龍なので致し方ないのだが、それでも自らが創生した者の”子”が可愛くない訳が無い。
「あなたの子は創生を必要とせず交配だけで構いません。ですから最初から性別が必要です。あなたの様に男性型か、それ以外の女性型か。まぁ私とベルムには性別は有りませんが・・・性格は女性型です。順番にすれば男性型ですが、あなたに任せますわ」
「はい。テネブリス様」
そう言ってロサは龍人の創生を始める。
現状の龍種で明確な性別が有るのはロサだけで他は全て無性だ。性器は存在しない。
ロサを創生する時にベルムを連れ回り性教育をした事が懐かしく思い出すアルブマだ。小さな生物の交配を観察させて、男女どちらにするか問われた時に迷う事無く男型と指示したのは、自らの欲望が思わず出てしまったと後になって後悔したアルブマだった。
目を閉じ集中するロサ。教わった通りまずは想像している。
どの様な形で、性格や、色などを細かく思い浮かべ、その子の力となる魔素を周囲の空間から全身で集める。魔素量を感じとり両手で放出して混ぜるように形にしていく。
集中し想像力を膨らませる・・・・集めた魔素と放出時間でこの子の力と強さが決まる。
手から出ている魔素の先には光り輝く球体状の物体(卵)が出来ていた。
それは光沢の有る真っ黒な卵だった。
テネブリスが始祖龍スプレムスの代わりに聞いてきた。
「ベルム、ロサ、あなた達この子の名前は決めているの?」
「「いいえ」」
そこにテネブリスが念話を挟む。
「分かりました。あなた達と同様に私が決めます」
「「お願いします」」
「この子の名前は・・・フィドキアです」
「「それは・・・」」
「信頼と言う意味です」
「今後、小さな生命体と数多く交流するこの者は、私達が信頼し任せられる者だからです」
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
時は流れ・・・
フィドキアは創生から5,000年で成龍となる。
Epílogo
成長日記「アルブマの成龍時点」
暗黒龍・・・テネブリス・アダマス・・・・・生後130,000年、体長70km、成龍。
暗黒龍の使徒であるベルム・プリム・・・・・生後30,000年、体長20km、成龍。
暗黒龍の使徒の第1ビダであるロサ(男型)・・生後10,000年、体長2km、成龍。
暗黒龍の龍人であるフィドキア(男型)・・・・卵の大きさ・・20m・・生後17m
生後5,000年、体長100m、成龍。
聖白龍・・・アルブマ・クリスタ・・・・・・生後100,000年、体長65km、成龍。
聖白龍の使徒であるベルス・プリム・・・・・卵の大きさ・・8km・・生後6km
転生前から87万年前の出来事。
☆ロサとフィドキアの成龍状態の体長は、その後魔法で大きさを変える事となります☆
龍の使徒とは、それぞれの龍が力を与え創造した生命体(性別無)
使徒の第1ビダとは、使徒が創造した最初の生命「Primero Vida」の意(性別有、後に人化になり交配も可)
第1ビダが創造した龍人とは、龍、使徒、第1ビダの使命を実行し他種族との交配する者
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