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33 公体験 キー子さっちん
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視線を感じる。
さっちんと並んで黒板の前に立っている。
今は先生の話中だ。
横目で生徒達を見ると、ゆきがこちらを見ているのが分かった。
目が合うと気まずいので、後ろの黒板にある文字を見る。
さっちんは目が泳いでいて、しきりにメガネを拭いたりかけ直したりと忙しない。
変に関係を聞かれるのも嫌なので、この話が終わったらどこか別の場所へ連れてってくれるといいのだが、出来ない場合は確実にゆきが来る。
妹でもない生徒が私のところに来る。
さっちんはエッチなの苦手そうだから、ゆきが口を滑らせた途端軽蔑するだろう。
気を付けないと…
「…それでは、礼」
そう言って生徒達が礼をする。
ゆきがパッと顔を上げ、こちらに来ようとした。
「2人は少し手伝って欲しいんだけど、いい?」
先生が私達に声をかける。
「は、はいっ」
さっちんが返事をして付いていくので、私もそれに続く。ちらっと後ろを向くと、ゆきが立ち止まってこちらを見ていた。みかちゃんが後ろにいる。
少し寂しそうにしていた。
「さっちん、あのね」
先に言ってしまう事にした。その方が後々楽になるはずだ。
「ん?」
廊下を歩きながらさっちんは少し前屈みになって私を見た。
「4年2組、私の知り合いがいるの」
みかちゃんのほうは安心して大丈夫だろう、一応ゆきの事だけ言おう。
「ゆきって子でね、ほら、黒髪が首下辺りまで伸びてる子」
ショートカットと言っただろうか。
「…ごめん、よくわからない」
当たり前なのだが、さっちんは申し訳なさそうに言う。
「その子が私に色々構ってくるけど、あまり気にしないでね」
困ったような笑みを浮かべる。
それを見たさっちんは頷き、また前を見た。
「いいね、仲いい子がいて」
ボソッとさっちんが言った。
さっちんと並んで黒板の前に立っている。
今は先生の話中だ。
横目で生徒達を見ると、ゆきがこちらを見ているのが分かった。
目が合うと気まずいので、後ろの黒板にある文字を見る。
さっちんは目が泳いでいて、しきりにメガネを拭いたりかけ直したりと忙しない。
変に関係を聞かれるのも嫌なので、この話が終わったらどこか別の場所へ連れてってくれるといいのだが、出来ない場合は確実にゆきが来る。
妹でもない生徒が私のところに来る。
さっちんはエッチなの苦手そうだから、ゆきが口を滑らせた途端軽蔑するだろう。
気を付けないと…
「…それでは、礼」
そう言って生徒達が礼をする。
ゆきがパッと顔を上げ、こちらに来ようとした。
「2人は少し手伝って欲しいんだけど、いい?」
先生が私達に声をかける。
「は、はいっ」
さっちんが返事をして付いていくので、私もそれに続く。ちらっと後ろを向くと、ゆきが立ち止まってこちらを見ていた。みかちゃんが後ろにいる。
少し寂しそうにしていた。
「さっちん、あのね」
先に言ってしまう事にした。その方が後々楽になるはずだ。
「ん?」
廊下を歩きながらさっちんは少し前屈みになって私を見た。
「4年2組、私の知り合いがいるの」
みかちゃんのほうは安心して大丈夫だろう、一応ゆきの事だけ言おう。
「ゆきって子でね、ほら、黒髪が首下辺りまで伸びてる子」
ショートカットと言っただろうか。
「…ごめん、よくわからない」
当たり前なのだが、さっちんは申し訳なさそうに言う。
「その子が私に色々構ってくるけど、あまり気にしないでね」
困ったような笑みを浮かべる。
それを見たさっちんは頷き、また前を見た。
「いいね、仲いい子がいて」
ボソッとさっちんが言った。
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