能力者は現在に

わまり

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合宿? 7

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深夜、直人と由紀は寝ていた
「じゃあ、決行するわよ…」
杏がコソコソと航に言う

「お前もなかなか粋な事するなー」
感心したように航が返す

「じゃあ、気付かれないようにゆっくり…」

直人の布団をゆっくりと引っ張り、由紀の布団に近付ける。2人の距離は30cm程だ

「よし、完了」
すっと遠ざかる

「じゃあ、私達も寝ますか」

そう言ったところで気付く
「なあ…俺らはどこで寝るんだ?」

「っ…!」
「確かに、こっちの座敷は2人が…」
「嫌よ!あんたとなんて!」
コソコソと航に言う

「俺だって嫌なんだよ!」
航もコソコソと言う
「でも、仕方ねえだろ」

「し、仕方ないわね…」
「特別なんだから、ほんと…」
少し顔を赤くして答える

「じゃあ最大限まで離すぞ」

「えっ…!」
杏が言う

「なんだよ」

「その…あんたとなのは嫌なんだけど」
「1人じゃ寝られなくて…」

「は…」
「じゃあ戻すか?」

「それはダメ…」
「だから、その…」

「面倒だな、分かったよ」
そう言い、布団を近付ける

「本当はやなんだからね!」
頬を赤らめる

「うるせーな…」
「さっさとしろよ」

杏は布団に潜った
「もう…」
そして、顔を赤くする




翌日、由紀と直人が目覚ましで目覚めた
そして横にいる人を確認すると、顔を赤くする

「なんで由紀が!?」
目の前に由紀と目が合い、混乱する

「えっ…なんで直人が…」
そう言い、更に顔を赤くした

2人の距離はとても近かった
「あいつらか…?」

「そうみたい…」
そう言い、2人はもう一つの座敷に目を向ける
そこには、まだ眠っている2人がいた

「あれ、あの2人…」

「一緒に寝てるじゃない」

「ちょっと仕返ししてやろう」

「そうね」
由紀と直人は2人の布団をぴったりとくっつける
2人は向かい合わせになった

「よし、これで後は起きるのを待てば…」

「うん」
そう言い、クスクスと笑った


少しすると、
「きゃあああ!!」
と、杏が叫んだ
「な、なんでこいつがこんな近くに…」
そう言い、顔を真っ赤にした

それによって航も目を覚ました
少し寝ぼけている
「あれ…こんな近かったか…?」


「2人共、仲良しだね」
クスクス笑いながら由紀が言う

「そ、そんなんじゃないわよ!」
「こ、これは、その…」
「ってか、あんた達に仕掛けたんじゃない!」

「もう引っかかったよ」
直人が水を飲んで言う

「でも、2人がそうやって寝る必要はないよね」
笑いながら由紀が言う

「こ、これは、違うのぉぉ!!」
更に顔を赤くし、叫ぶ

帰りの電車でもまだ顔を真っ赤にしていた
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