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第二部 学生時代回想編
第26話 組長の決断3(※エロなし注意)
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「その、砂村さん、三橋さんという人の連絡先を私に教えて貰えないだろうか?」(迫間)
誘拐された倉庫の片隅にある事務所には、ヤクザのボスっぽい人がいて、その人が僕にそういう要求をしてきた。
砂村さんと三橋さんは、週末のOGの人たちの集まりを取り仕切っている二人なんだ。
(二人とも第11話から登場。砂村さんは圭太をOG会に連れて行くために車で迎えに来た人。三橋さんはスイートルームに入った圭太をいきなり押し倒して犯した人です。
三橋さんの描写は少なめですが、登場早々の圭太をみんなの前でいきなり犯す、なんてことができるのは主催者の一人だからとご理解いただければと思います。)
ということは、僕が誘拐されたのって、OG会と関係があるということなのかな。どうしよう、ヤクザの人に二人の連絡先を教えるとか、すごく迷惑をかけちゃう気がする。
もっともあの週末の会合、言ってみれば、社会人のお姉さん達が寄ってたかって僕を蹂躙するパーティなんで、とても公にできるようなものじゃない。・・だから、脅しをかけて、彼女たちからお金を巻き上げようということなのかな。
どうしよう。
教えたら二人だけじゃなく、関わった他のお姉さんたちみんなに迷惑がかかるのでは?
でも、断ったら、僕、無事にお家に帰れないかもしれない。
「・・・まあ、少し補足をしようか。」(迫間)
迷って、黙っている僕を見て、迫間さんが再び口を開いた。
「見た目で何となく察していると思うが、私はヤクザ者の人間だ。」(迫間)
や、やっぱり。
分かってたけど、はっきりそう聞くと、背筋が寒くなるよ。
「私がその気になれば、君一人を消すことなど、造作もない。だが、今、わざわざこうしてここに君を連れてきて話をしている理由は、なるべく穏便に事を済ませたいからだ。
私も、堅気の人間に不要な締め付けをしたいわけではないんでね。」(迫間)
よ、よく分からないけど、何でも暴力でっていう人じゃないってことかな。
「あの・・・、二人の連絡先を聞く目的は何なんですか?」(僕)
膝がガクガク震えるのを感じながら、何とか僕は声を絞り出した。
「理由が知りたいか、いいだろう。率直に話をした方がスムーズに事が運ぶこともあるだろうからな。」(迫間)
・・・・・・
ああ、・・・そういう。
迫間さんの話は至ってシンプルなものだった。
週末のOGのお姉さんの会合が盛り上がるようになって以来、迫間さんが経営する風俗店の客足が激減、存続の危機に瀕している、ということらしい。
だから、あの会合を取りしきっている二人に連絡をして(多分脅しもするんだろうけど)、あのパーティをやめさせようということらしい。
確かに・・・。僕、お金取ってないから、あのパーティに参加する人は風俗店にはいかなくなっても不思議じゃないよね。僕のせいで、裏社会にそんな影響が出てたなんて想像もつかなかった。
要求を聞かされ、背景の事情に思いを馳せていると、迫間さんがさらに言葉をかぶせてきた。
「これは、君にとっても悪い話ではないはずだ。」(迫間)
「え?」(僕)
「話によると君はそのパーティに駆り出されていながら、全く報酬を貰っていないらしいじゃないか。」(迫間)
「あ・・・、まあ、はい。」(僕)
だって、僕、いい思いをしているのに更にお金をもらうって、悪いかなって思うしさ。エッチにお金のやり取りを絡めるのはちょっと抵抗があるんだよね
「これは、彼女らの極めて悪質な性的搾取だよ。君がどんな弱みを握られてそんな境遇に陥ったのか、私は敢えて聞かないでおこう。だが、私が君と彼女らの間に入れば、君を今の境遇から解放することができる。
私はね、同じ男として、君の力になりたいと考えているんだ。
例え警察では対応できないような問題でも、私たちの力を使えば解決はできる。」(迫間)
す、すごくもっともらしい話になっている。ヤクザの人って、話術もうまいんだね。そうか、こうやっていろんな人がだまされたり取り込まれたりするのか。
きっと迫間さん的には風俗店の売上を回復させたいだけで、邪魔する奴は潰す、ていうスタンスに違いないんだ。なのに、そこにかわいそうな僕を助けるという視点を追加することで、いかにも自分が正義のために戦うみたいな話になってる。
どうしようかな・・・。
正直な話、僕、最初はエッチし放題の毎日を確かに楽しんでいたんだけども。。
ここ最近は、もう平日も休日も食事と睡眠以外は誰かとセックス、みたいな生活になっちゃってて、その相手も毎日どんどん増えてきてしまってて・・・、大学も行けなくなってかなり経つし、このままじゃ本当に僕の人生ダメになっちゃうんじゃないかって、不安を感じてたところなんだ。(←既に人としていろいろ駄目だと思いますね。)
特に相手がどんどん増えていくってところが、もう、自分の意思とは無関係に広がってきてて、自分の力じゃ元の生活に戻れない状況で・・・。
そう考えると、もしかしたらこれはいい機会なのかもしれない。
だって、毎日24時間のうち18時間以上、エッチなことばかり考えている、というか、エッチしている生活なんて異常だよ。僕だってちゃんと学校で勉強して、卒業して、社会人になって、てしたいのに、今のままじゃそんなの絶対無理だ。
・・・それなら。
「・・・分かりました。教えます。ただ、二人の身の安全は保証してもらえるのが条件です。」(僕)
「ふふ、いいだろう。身の安全は保証しよう。」(迫間)
ニヤリ、と迫間さんが笑った。
ここまでの迫間さんの誠実な言葉遣いにほだされた面もあり、僕は砂村さんと三橋さんの連絡先を教えた。あのニヤッとした笑いはちょっと背筋が寒くなったんだけど。
結局・・・僕が甘かったんだ。
後から振り返ってみると、この時の僕の判断はやっぱり甘かった。そもそも、どんなに誠実な言葉遣いしてても、この人は僕を誘拐させた人なんだしね。まともな人間なわけはなかった。
ヤクザの人は恐い・・。それをこの後僕は思い知ることになってしまったんだ。
誘拐された倉庫の片隅にある事務所には、ヤクザのボスっぽい人がいて、その人が僕にそういう要求をしてきた。
砂村さんと三橋さんは、週末のOGの人たちの集まりを取り仕切っている二人なんだ。
(二人とも第11話から登場。砂村さんは圭太をOG会に連れて行くために車で迎えに来た人。三橋さんはスイートルームに入った圭太をいきなり押し倒して犯した人です。
三橋さんの描写は少なめですが、登場早々の圭太をみんなの前でいきなり犯す、なんてことができるのは主催者の一人だからとご理解いただければと思います。)
ということは、僕が誘拐されたのって、OG会と関係があるということなのかな。どうしよう、ヤクザの人に二人の連絡先を教えるとか、すごく迷惑をかけちゃう気がする。
もっともあの週末の会合、言ってみれば、社会人のお姉さん達が寄ってたかって僕を蹂躙するパーティなんで、とても公にできるようなものじゃない。・・だから、脅しをかけて、彼女たちからお金を巻き上げようということなのかな。
どうしよう。
教えたら二人だけじゃなく、関わった他のお姉さんたちみんなに迷惑がかかるのでは?
でも、断ったら、僕、無事にお家に帰れないかもしれない。
「・・・まあ、少し補足をしようか。」(迫間)
迷って、黙っている僕を見て、迫間さんが再び口を開いた。
「見た目で何となく察していると思うが、私はヤクザ者の人間だ。」(迫間)
や、やっぱり。
分かってたけど、はっきりそう聞くと、背筋が寒くなるよ。
「私がその気になれば、君一人を消すことなど、造作もない。だが、今、わざわざこうしてここに君を連れてきて話をしている理由は、なるべく穏便に事を済ませたいからだ。
私も、堅気の人間に不要な締め付けをしたいわけではないんでね。」(迫間)
よ、よく分からないけど、何でも暴力でっていう人じゃないってことかな。
「あの・・・、二人の連絡先を聞く目的は何なんですか?」(僕)
膝がガクガク震えるのを感じながら、何とか僕は声を絞り出した。
「理由が知りたいか、いいだろう。率直に話をした方がスムーズに事が運ぶこともあるだろうからな。」(迫間)
・・・・・・
ああ、・・・そういう。
迫間さんの話は至ってシンプルなものだった。
週末のOGのお姉さんの会合が盛り上がるようになって以来、迫間さんが経営する風俗店の客足が激減、存続の危機に瀕している、ということらしい。
だから、あの会合を取りしきっている二人に連絡をして(多分脅しもするんだろうけど)、あのパーティをやめさせようということらしい。
確かに・・・。僕、お金取ってないから、あのパーティに参加する人は風俗店にはいかなくなっても不思議じゃないよね。僕のせいで、裏社会にそんな影響が出てたなんて想像もつかなかった。
要求を聞かされ、背景の事情に思いを馳せていると、迫間さんがさらに言葉をかぶせてきた。
「これは、君にとっても悪い話ではないはずだ。」(迫間)
「え?」(僕)
「話によると君はそのパーティに駆り出されていながら、全く報酬を貰っていないらしいじゃないか。」(迫間)
「あ・・・、まあ、はい。」(僕)
だって、僕、いい思いをしているのに更にお金をもらうって、悪いかなって思うしさ。エッチにお金のやり取りを絡めるのはちょっと抵抗があるんだよね
「これは、彼女らの極めて悪質な性的搾取だよ。君がどんな弱みを握られてそんな境遇に陥ったのか、私は敢えて聞かないでおこう。だが、私が君と彼女らの間に入れば、君を今の境遇から解放することができる。
私はね、同じ男として、君の力になりたいと考えているんだ。
例え警察では対応できないような問題でも、私たちの力を使えば解決はできる。」(迫間)
す、すごくもっともらしい話になっている。ヤクザの人って、話術もうまいんだね。そうか、こうやっていろんな人がだまされたり取り込まれたりするのか。
きっと迫間さん的には風俗店の売上を回復させたいだけで、邪魔する奴は潰す、ていうスタンスに違いないんだ。なのに、そこにかわいそうな僕を助けるという視点を追加することで、いかにも自分が正義のために戦うみたいな話になってる。
どうしようかな・・・。
正直な話、僕、最初はエッチし放題の毎日を確かに楽しんでいたんだけども。。
ここ最近は、もう平日も休日も食事と睡眠以外は誰かとセックス、みたいな生活になっちゃってて、その相手も毎日どんどん増えてきてしまってて・・・、大学も行けなくなってかなり経つし、このままじゃ本当に僕の人生ダメになっちゃうんじゃないかって、不安を感じてたところなんだ。(←既に人としていろいろ駄目だと思いますね。)
特に相手がどんどん増えていくってところが、もう、自分の意思とは無関係に広がってきてて、自分の力じゃ元の生活に戻れない状況で・・・。
そう考えると、もしかしたらこれはいい機会なのかもしれない。
だって、毎日24時間のうち18時間以上、エッチなことばかり考えている、というか、エッチしている生活なんて異常だよ。僕だってちゃんと学校で勉強して、卒業して、社会人になって、てしたいのに、今のままじゃそんなの絶対無理だ。
・・・それなら。
「・・・分かりました。教えます。ただ、二人の身の安全は保証してもらえるのが条件です。」(僕)
「ふふ、いいだろう。身の安全は保証しよう。」(迫間)
ニヤリ、と迫間さんが笑った。
ここまでの迫間さんの誠実な言葉遣いにほだされた面もあり、僕は砂村さんと三橋さんの連絡先を教えた。あのニヤッとした笑いはちょっと背筋が寒くなったんだけど。
結局・・・僕が甘かったんだ。
後から振り返ってみると、この時の僕の判断はやっぱり甘かった。そもそも、どんなに誠実な言葉遣いしてても、この人は僕を誘拐させた人なんだしね。まともな人間なわけはなかった。
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