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第一章 ~『ドラゴンと小部屋』~
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ドラゴンは低クラスの魔法に耐性を持ち、並みの剣士では斬り傷一つさえ付けることができない鋼鉄の鱗に守られている怪物である。
その脅威は対峙したからこそより強く実感する。口を大きく開けて、牙を剥き出しにするドラゴンは恐怖を形にしたような生物だった。
「気をつけてください。ファイヤードラゴンは強力な魔物です」
「だろうな……」
「ですがランクDの魔法を使えるアルクくんならば、落ち着いて対処すれば、後れを取ることはありません。百年の修業の成果を、いつも通りに発揮すればよいのです」
アルクはアドバイスに従い、小さく息を吸い込み緊張を呑み込む。
「敵との距離は十二分にあります。焦らず、ゆっくりと詠唱を始めてください」
「いいや、まだ詠唱はしない」
「で、ですが、無詠唱の魔法でドラゴンを倒すことはできませんよ」
「分かっているさ。だからこそ先に安全を確保してから、ゆっくりと詠唱を唱えるさ」
「安全な場所なんてどこにもありませんよ」
「いいや、あるさ。それを証明してやる」
そう言い残すと、アルクはファイヤードラゴンの足元まで駆ける。魔法の使い手が接近戦を挑む行為は、一見するとあまりにも無謀だが、彼なりの考えがあった。
ファイヤードラゴンの最大の脅威はブレスである。岩すら溶かす炎の直撃を受けては、人の身で耐えることはできない。
だがブレスも万能ではない。口に魔力を溜めてから、それを炎に変換して吐き出すまでに一瞬のスキが生まれるのだ。
さらに距離が近いと自分に被害が及ぶため、接近している相手には使えない課題も抱えている。ブレスを溜める動作のスキを突き、懐に入り込むことこそがアルクの狙いだった。
「ここまでくれば俺の勝ちだっ!」
巨大な体躯が影を差す地で、百年間の修業中に頭に叩き込んだ詠唱を唱える。ドラゴンは膝元のアルクを排除しようと足を揺らすが、その動きは詠唱と比べるとあまりにも遅かった。
アルクの魔法が発動し、地面に黒い穴がポッカリと開く。丸飲みするほど大きな落とし穴にドラゴンは吸い込まれていく。
しかし落ちたのはドラゴンだけではなかった。アルクもまた魔法の効果範囲に含まれていたのだ。
暗闇に包まれ、周囲から光が消える。かと思えば、次の瞬間、視界が光で白く染まる。目を開けるとそこは見慣れた場所だった。
「転移魔法に成功したようだな」
アルクの生み出した転移魔法は教会の地下にある小部屋へと繋がっていた。その部屋は魔法の練習をしても壊れないように、魔鉄の壁で囲われている。
人が暮らすなら十分な広さの部屋だが、ドラゴンにとっては狭すぎた。小さな空間に押し込まれたファイヤードラゴンは狭さに耐えきれず、背を丸めている。
「この狭さではブレスを使えず、空を飛ぶこともできず、さらには満足に身体を動かすことさえできない。悪いが、既に詰んでいるんだ」
アルクは風魔法の詠唱を開始する。ドラゴンは脅威を感じ取り、詠唱を邪魔しようとするが、腕さえ満足に振るうことができない。彼の詠唱を黙って聞いていることしかできなかった。
「ランクDの風魔法発動だっ!!」
詠唱を終えると、風の刃がドラゴンを襲う。鋼鉄の鱗で守られた外皮も、魔力を圧縮した風の刃の前では紙切れ同然の脆さしかなく、体から血を流して、ドラゴンはその場に倒れこんだ。
「村人の俺がドラゴンを倒した……ははは、やったぞ。俺が倒したんだ!!」
冴えない村人が強さの代名詞ともいえるドラゴンを討伐したのだ。百年の修業は無駄じゃなかったと、手の平に実感をギュッと握りしめる。
「アルクくん、無事ですか?」
「クリス!?」
「いきなり転移魔法で消えたものだから心配したんですよ」
「それはすまないことをしたな……だがよくここが分かったな? 居場所を探知する魔法でも使ったのか?」
「ふふふ、女性なら好きな人の居場所くらい分かっちゃうものなんです♪」
「怖くなるほどに恐ろしい勘だな……」
「それよりも……ドラゴン討伐おめでとうございます♪ やりましたね♪」
「おう、ありがとな」
「ふふふ、あとは魔石化を残すのみですね」
魔石化とは魔物の死体を魔力の結晶体に変化させることである。冒険者たちはこれで得た魔石を冒険者組合に持ち帰ることで、魔物討伐を証明するのだ。
「ファイヤードラゴンの死骸に触れてみてください。そうすれば自然と魔石化しますので」
「とりあえず試してみるか」
アルクはドラゴンの死骸に触れると、心の中で糧となってくれたことに感謝する。部屋を覆うような巨体は消え去り、手の平サイズの赤い結晶だけがポツンと残った。
「これがドラゴンの魔石です。ちなみにドラゴン討伐の恩恵である魔力上昇は魔石化したタイミングで受けることができます」
「おおっ、確かに魔力が増えたような気がする」
「ふふふ、アルクくんがまた強くなれたみたいで私も嬉しいです。それに魔石は市場で高く取引されています。これでアルクくんはちょっとした小金持ちですよ」
魔石は討伐した魔物の魔力が凝縮されているため、加工されて魔導具の材料とすることができる。ファイヤードラゴンのような強力な魔物であれば、封じられた魔力量も多いため、市場での需要も大きいのだ。
「金持ちか……だが俺はこの魔石を売るつもりはないぞ」
「はじめての魔物討伐ですからね。記念に残しておくのですか?」
「いいや、この魔石は餌にしようと思う」
「餌……ですか?」
「東の国では海老で鯛を釣るという言葉があるそうだ。ファイヤードラゴンの魔石を餌に、より上位のドラゴンを転移魔法の落とし穴に釣ってくる」
ドラゴンは魔力を得るために同族を襲う。なら魔力が凝縮された魔法石は十分に餌としての効力を発揮する。
地下室に閉じ込めさえすれば、アルクはどんな強敵でも負けない自信があった。アイデアと工夫で強くなるための階段をまた一歩登り始めるのだった。
その脅威は対峙したからこそより強く実感する。口を大きく開けて、牙を剥き出しにするドラゴンは恐怖を形にしたような生物だった。
「気をつけてください。ファイヤードラゴンは強力な魔物です」
「だろうな……」
「ですがランクDの魔法を使えるアルクくんならば、落ち着いて対処すれば、後れを取ることはありません。百年の修業の成果を、いつも通りに発揮すればよいのです」
アルクはアドバイスに従い、小さく息を吸い込み緊張を呑み込む。
「敵との距離は十二分にあります。焦らず、ゆっくりと詠唱を始めてください」
「いいや、まだ詠唱はしない」
「で、ですが、無詠唱の魔法でドラゴンを倒すことはできませんよ」
「分かっているさ。だからこそ先に安全を確保してから、ゆっくりと詠唱を唱えるさ」
「安全な場所なんてどこにもありませんよ」
「いいや、あるさ。それを証明してやる」
そう言い残すと、アルクはファイヤードラゴンの足元まで駆ける。魔法の使い手が接近戦を挑む行為は、一見するとあまりにも無謀だが、彼なりの考えがあった。
ファイヤードラゴンの最大の脅威はブレスである。岩すら溶かす炎の直撃を受けては、人の身で耐えることはできない。
だがブレスも万能ではない。口に魔力を溜めてから、それを炎に変換して吐き出すまでに一瞬のスキが生まれるのだ。
さらに距離が近いと自分に被害が及ぶため、接近している相手には使えない課題も抱えている。ブレスを溜める動作のスキを突き、懐に入り込むことこそがアルクの狙いだった。
「ここまでくれば俺の勝ちだっ!」
巨大な体躯が影を差す地で、百年間の修業中に頭に叩き込んだ詠唱を唱える。ドラゴンは膝元のアルクを排除しようと足を揺らすが、その動きは詠唱と比べるとあまりにも遅かった。
アルクの魔法が発動し、地面に黒い穴がポッカリと開く。丸飲みするほど大きな落とし穴にドラゴンは吸い込まれていく。
しかし落ちたのはドラゴンだけではなかった。アルクもまた魔法の効果範囲に含まれていたのだ。
暗闇に包まれ、周囲から光が消える。かと思えば、次の瞬間、視界が光で白く染まる。目を開けるとそこは見慣れた場所だった。
「転移魔法に成功したようだな」
アルクの生み出した転移魔法は教会の地下にある小部屋へと繋がっていた。その部屋は魔法の練習をしても壊れないように、魔鉄の壁で囲われている。
人が暮らすなら十分な広さの部屋だが、ドラゴンにとっては狭すぎた。小さな空間に押し込まれたファイヤードラゴンは狭さに耐えきれず、背を丸めている。
「この狭さではブレスを使えず、空を飛ぶこともできず、さらには満足に身体を動かすことさえできない。悪いが、既に詰んでいるんだ」
アルクは風魔法の詠唱を開始する。ドラゴンは脅威を感じ取り、詠唱を邪魔しようとするが、腕さえ満足に振るうことができない。彼の詠唱を黙って聞いていることしかできなかった。
「ランクDの風魔法発動だっ!!」
詠唱を終えると、風の刃がドラゴンを襲う。鋼鉄の鱗で守られた外皮も、魔力を圧縮した風の刃の前では紙切れ同然の脆さしかなく、体から血を流して、ドラゴンはその場に倒れこんだ。
「村人の俺がドラゴンを倒した……ははは、やったぞ。俺が倒したんだ!!」
冴えない村人が強さの代名詞ともいえるドラゴンを討伐したのだ。百年の修業は無駄じゃなかったと、手の平に実感をギュッと握りしめる。
「アルクくん、無事ですか?」
「クリス!?」
「いきなり転移魔法で消えたものだから心配したんですよ」
「それはすまないことをしたな……だがよくここが分かったな? 居場所を探知する魔法でも使ったのか?」
「ふふふ、女性なら好きな人の居場所くらい分かっちゃうものなんです♪」
「怖くなるほどに恐ろしい勘だな……」
「それよりも……ドラゴン討伐おめでとうございます♪ やりましたね♪」
「おう、ありがとな」
「ふふふ、あとは魔石化を残すのみですね」
魔石化とは魔物の死体を魔力の結晶体に変化させることである。冒険者たちはこれで得た魔石を冒険者組合に持ち帰ることで、魔物討伐を証明するのだ。
「ファイヤードラゴンの死骸に触れてみてください。そうすれば自然と魔石化しますので」
「とりあえず試してみるか」
アルクはドラゴンの死骸に触れると、心の中で糧となってくれたことに感謝する。部屋を覆うような巨体は消え去り、手の平サイズの赤い結晶だけがポツンと残った。
「これがドラゴンの魔石です。ちなみにドラゴン討伐の恩恵である魔力上昇は魔石化したタイミングで受けることができます」
「おおっ、確かに魔力が増えたような気がする」
「ふふふ、アルクくんがまた強くなれたみたいで私も嬉しいです。それに魔石は市場で高く取引されています。これでアルクくんはちょっとした小金持ちですよ」
魔石は討伐した魔物の魔力が凝縮されているため、加工されて魔導具の材料とすることができる。ファイヤードラゴンのような強力な魔物であれば、封じられた魔力量も多いため、市場での需要も大きいのだ。
「金持ちか……だが俺はこの魔石を売るつもりはないぞ」
「はじめての魔物討伐ですからね。記念に残しておくのですか?」
「いいや、この魔石は餌にしようと思う」
「餌……ですか?」
「東の国では海老で鯛を釣るという言葉があるそうだ。ファイヤードラゴンの魔石を餌に、より上位のドラゴンを転移魔法の落とし穴に釣ってくる」
ドラゴンは魔力を得るために同族を襲う。なら魔力が凝縮された魔法石は十分に餌としての効力を発揮する。
地下室に閉じ込めさえすれば、アルクはどんな強敵でも負けない自信があった。アイデアと工夫で強くなるための階段をまた一歩登り始めるのだった。
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