藤崎葵は、予言を外せない。

ちょこもなか

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#1 春

入学式 ①B校舎はどこですか??

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私、藤崎葵。入学式早々絶望してます。いっやぁ。親二人、「高校には連れて行くよ!なるべく希望通りにするからっ!」なーんて言ってたけど。

_寮なんて聞いてない。

近々私の家では、第二子が生まれる。つまり、私のいもーとおとーとどちらか。多分、子供二人の世話を見ることは不可能と思ったんだろうな。けど、私は一人でもできるのに。わざわざ寮に飛ばさなくてもいいじゃん。

しかも、この高校「双葉咲学院」じゃあないっ!こっちの方がお金がめっちゃかかって大変じゃん!
この学院には、お嬢ちゃん、お坊ちゃんがたっくさんいるワケ。相手を怒らしたら、相手の親が金で解決。それが、このお嬢ちゃん・お坊ちゃんのレベルの世界。ひぇ~。ひじょーに怖いですねぇ。

「いやぁ。やってくれたねぇ。まさか、Sに入れるなんて。

Sクラスは、この学院のずば抜けて頭のいい子たちのみが入れるクラス。私は、中学の時年上抑えて堂々と成績が学校一になったんだよね。

「推薦で入れたって聞いたけど・・・。お金もさらにひじょーにかかりますがっ?」

空中に向かってため息を漏らしながら言った。

「Sクラスに行くか・・・。」

私は、もともと、人と話すことが苦手だ。いや、嫌い。ものーすごく嫌い。

だから、学校が嫌なんだよ。自習でなんとかなるやろっ!(怒)

とか心の中で文句を親二人にぶつけたところで何も変わりはしない。ほらっ。すぐにSクラスに着く。

マップを見てSクラスを確認する。

「えっ?この校舎じゃないのっ?ええっ?」

なんと、マップには「B校舎四階・一番右側」って書いていた。どうやら、ここはA校舎らしい。フツーの生徒がフツーに登校してフツーのベンキョーするとこ。

「ここからは見えないけど・・・。B校舎なんか。」

近くを通った女子に聞いた。

「ね、ねぇ。B校舎ってどこ?」

「B校舎?もしかして、高一?そして、Sクラスっ?すごいねぇ。あっち側だよ。ついてきて。」

指さした方向をよく見ると、A校舎よりものすごーくでかい建物が見える・・・。いや、全く見えないの方が正解か。校庭が広すぎだし、A校舎とB校舎離れすぎでしょっ!

「B校舎は遠いんだよね。」

うん。遠いですまないね。ものすごーく遠いよ。

「A校舎と、B校舎は・・・」

「ざっと見て、1500mくらいですかね?」

「えっ?何で知ってるのっ?」

口を大きく開いてポカンとしていた。

「そんぐらいができるってことは、Sクラスでしょうね。1.5km離れてるのよ。・・・はぁ。」

いや、息切れしてるーっ!

「あ~っと・・・。ここ、近道なんだけど・・・出るのよ。」

で、出る?何、それ。近道なら、私はその道を通りたいんですが。

「もう少しよ・・・うん・・・」

見えてきたちょーでかい建物。ここが、B校舎_??

*************************************

「ほんと、すみません。付き合わせてしまって。」

B校舎の前でペコペコとものすごい速さで頭を下げる。

「いいよ。いいよ。私は、速くかえ_」

AB

へ?いきなり声が・・・。

「こうよっ!A校舎とB校舎の生徒では扱いが違うっ!だから、B校舎に行きたくないのよ__」



涙目になった先輩がA校舎に向けて走っていった。

「あ、あの・・・。これは・・・?」

私がオロオロしながら聞いた。

「A校舎の生徒がB校舎の生徒に関わっちゃいけねえんだ。学院のだ。」

「学校の、決まり・・・」

私は、下を向いた。流石にあの態度は、ひどすぎる。A校舎だからって関係ない。

「さ、流石に、あの態度はひどいと思います。あんな風に接さなくてもいいんじゃ・・・」

「レベルが違う安楽が話すのは、いけないんだ。そういうなんだ。」

「決・ま・り?」

私の怒りは頂点に達した。とても優しい先輩を・・・A校舎のみんなを苦しめたを・・・

「ど、どうしたんだ?そんな鋭い目つきで睨んで・・・。B校舎の生徒の態度じゃないぞ!学院の姿勢のも分かんないのかっ!」

「また、決まりって言いましたね。あなたは、決まりが全てなのですか・・・。」

「はっ?」

「あなたの未来を作ります。あなたは、2時間後校長室に呼び出され_と言われる。」

勢いに押された先生はびっくりしたが、すぐに言い返した。

「ふざけるんじゃないっ!さっさと教室に戻れ!」

「はぁ」っとため息をついて私は階段を登っていった。そして。

_ニヤッと笑って言った。

「私は、あなたの未来を変えることなど朝飯前です。」

それだけ言い残してSクラスへ向かった。

「さぁ・・・あの先生は、私の言ったこと・・・信じるのかな??」

2時間後緊急で呼び出されたその先生は校長先生に「クビ」と言われ学院を去ったそう。

「あのっ。」

校庭でベンチに座っていた時、先輩がやってきた。

「先生が、クビって知った?何でだろう?」

先輩は空を見ながら言った。

「そうですねえ・・・」

私は、満面の笑みを浮かべて言った。

「誰かに『クビになる』と言われて、ホントにそんな未来になった・・・とか?」

「え?」

先輩はきょとんとした顔になった。

「ま、マジでそうおもってる??」

「冗談ですよ~あはははは・・・」

私が裏でニヤリと笑っているのに先輩は気づくはずがなかった。



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