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23)ドラゴン討伐の準備をしよう

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 サラ達が無事に保護されていると知りイブキ達は喜んだ。

「3人は確かサバゲーオタクなのよね。」
「その銃器とやらはシェルも作れるのだろうか。見てみたい!」テオが食いついてきた。
「創造魔法だ。僕には銃器に関する記憶はないと思う。」
「私が絵を描いてみる。テレビで見た事あるから。」
イブキがさらさらと拳銃の絵を描いた。

 そういえば、俺もシューティングゲーで見てたよな。「やってみよう。」
レイコにチェンジすると俺は<銃器弾丸制作>した。


「成功だ。これが銃で、こっちが弾。暴発したら怖いから使用は禁止ね。」
「わかった、これはどういう仕組みだろう。」興味津々でテオは持ち去った。


「それから機関銃がこんな感じ?『快・感~ 』」

「ロケットランチャー、肩に担ぐの? こんな細長い感じ・・・・」
イブキはまだ描き続ける。


「描けた。シェル君作ってみて!」
「うーん 作れないと思うよ…  <銃器弾丸制作> 」
 

(ああ、物騒な物、作れちゃったよ・・・・)


「うわぁ、本物? シェル君凄い!」

ゲームを想像してビルも倒壊するかなり高威力のロケット弾を作ってしまった。
「これはダメだ。テオに渡せない。とりあえず亜空間収納部屋に隠しておこう。」

テオは拳銃に夢中になっている。ロケットランチャーはそのうち<デリート>しよう。大型ごみ箱用意しなければ。
箝口令を敷いて時間も遅いので俺達は部屋に戻った。

中二階、俺のベッドの傍でテオはずっと拳銃をいじっていて俺は気になり眠れない。
テオ 「シェル・・・」 「絶対ダメだからね。取り上げるよ!」
そのうち諦めて寝たようだ。俺も安心して眠りについた。



 翌日、テオは初めて外に出たいと言った。銃の試し撃ちをしたいのだ。
実はこの拳銃と弾丸もかなりの高性能で、素人が扱っていいものではない。
それに俺はドラゴン討伐の準備がしたい。

「暴発なんかしないから。私を信じてくれ。」どうあっても引き下がらない。

「テオの事は信じてるけど、誰かに見られたらどうするんだよ。」

「そこで私の出番ね。」トモが化粧道具を持ってきた。「やるわよ~」
俺の従僕たちは本当にもう・・・

トモが化粧とカラーリングでささっと、テオを別人に変身させる。
<化粧固定>トモが解除しない限り、洗顔でも化粧は剥がれない。

「うん、スラム系ちょい悪少年ね。会心の作だわ。」
「カッコイイ~。王子様に見えないよぉ。悪そう~」ベルルは褒めているのか?
「仕方ない、少しの間だけだよ。」俺は折れた。


 喜ぶテオを連れて森林のミノタウロス狩りに。
早々に現れるとクロが<ヘール>で足止め。
テオがBANーBANと撃つとミノタウロスの額に命中、絶命だ。いい腕してる。

「これはすごいな。シェル、私も時々狩に参加させて欲しい。」
「化粧する事と、言葉使い直せる? 私じゃなくて【俺】ね。」
「お、俺? 俺 俺 」「極力ダラしないスタイルで(ダニーみたいな。)」

1時間ほどのミノタウルス狩りでテオは満足したようだ。俺たちはログインした。





 ミノタウルスの角をギルドに数本提出し、報酬を受け取ると俺はCランクに上がった。
ふとギルドの掲示板を見ると[求む エリクサー]という依頼書が目についた。

"サスペンサー公爵家"が出していたが依頼は数年前に出されたのだろう紙は黄色く変色している。
王家が保有するエリクサーを求める依頼を出すなど、訳がありそうだ。
俺は依頼書をコピーしてポシェットに入れた。

その後、俺は贔屓にしている魔道具屋に行き
テオの修理した【レアな魔道具】を数個売った。
勿論コピー品だ、俺のコピー品は消えないと<判明>した。
白金貨1枚、一千万の収入(テオ有り難う。)


亜空間収納庫の装備品もテオが不要と判断した物を武器防具屋で処分した。
大量にあったのでこっちも五百万の収入だ。
まだ手付かずのワイルナー家とガウロの金貨も大量にある。
コアに内緒の俺の財産だ。自由な金だ!



壮行会の二日後ドラゴン討伐が始まった。

テオから渡された気配消失のチョーカーを装備、頭にはクロ帽子。
ドラゴンの攻撃に対しスキル対策も立てて何度もシミュレーションした。
回復薬爆弾も大量に準備済み。

ユカ 「大丈夫と思うけど、気を付けてね。」
トモ 「危険だったらすぐログインだよ。」
イブキ 「頼ってばかりで本当にごめん。」

「どうなるか分からないけど、出来るだけの事はするよ。」

テオ 「結果にシェルは何も責任は無い。行かなくても良いくらいだ。」

「僕の事は心配ないよ。行ってくる。」


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