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5) ダンジョン・マスター(保留)に任命されたぜ

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ビッグスライムを倒すとレベルは10になった。

電球のような、ゲームだと脱出珠と思われるものが出現。
「こいつに触れれば ダンジョン脱出だよな? ほかに出口の扉は無いし」

辺りを見回す。シーーーーーーンと静寂の中、気配がする。 

サササッ ササ・・
(う、黒いGか? 虫は苦手なんだよな。)壁から感じる。

脱出珠はフワフワ浮いて輝いている。
(これって<コピー>できるのか?)

◎ダンジョンの核 スキル不明◎ ペーストは出来ない。 

(ダンジョンの核?  核? かく… )
見なかったことにしよう。 危険だ、去るべし! 

俺は珠に手を伸ばした────


       『あなたハ 人間ですカ?』

────突然、頭の中に声が響いた。チュートリアルは終わったはずだ。


「あ? 珠? 壁? どこ?」くるくる見回す。 すると壁から黒い何かが飛びだしてきた。
「おぉぉぉぉぅうう Gか!」 

『敵意ないでス。落ち着いテ。』
足をツンツンされて俯くと、そこには小さな真っ黒いスライムがいた。

「スライム? お前喋ってる?」

『声は核でス。』「そっか声は核なのか。 えっ 」
核もそうだが黒いスライムが気になる。襲ってきたらどうしよう。

『再度質問でス。あなたは人間ですカ?』
「人間だよ。」


『スライムのマスター 同じ能力 感じまス。あなた本当 人間ですカ?』
「人間だよ!」

『お名前ハ?』 「───中身は和弥 本当はシェル。」

『複雑 意味不明。』(俺だって複雑だよ。)

フレンドリーに接すれば襲われないかも知れん。
「こちらはマスターですか? スライムさんのお力を拝見してもいいですか?」

黒スライムがコクコクしたので「コピー」
【ダンジョンマスター☆スライム王Lv.1  全属性 全スキル<未定>】

「スライムの王様ですか凄いですね。 Lv.1 弱っ・・」
俺は落ち着きを取り戻しつつあった。

『がけ崩れ 原因デ このダンジョン封鎖 我々の力 衰弱 近年 ダンジョン開放 でも冒険者こなイ このまま ダンジョンハ 成長不可。』

「なるほど・・・・」

このあとの話をまとめるとこうなる。

脱出珠とは〔核〕なのだ。
なんと核は何者でも近寄ると外にテレポートで放り出し可能。
物理&魔法攻撃スキル類は一切効かない無敵だ。

<ダンジョンマスター>とは魔物に与えられる称号みたいなものらしい。
人間がスキルで持つのは見たこと無いそうだ。

なぜか俺のレアスキルに<ダンジョンマスター>が含まれている。
核は黒いスライムと同じ能力を俺に感じたそうで……

やる気のないダンジョンマスター☆スライム王に代わって
俺にダンジョンマスターとなって欲しい。

冒険者をたくさん呼び込んでダンジョンを大きくしてほしい。

ビッグスライムが劇弱なので強力なガーディアンを召喚して欲しい。

ドロップを出せないので金貨を恵んでほしい。武器防具アイテムでもいい。

「却下!無理無理。」『大丈夫 私サポートしまス。』

「いやいや絶対無理!」俺は労働が苦手なニート属性なんだよ。

俺がダンジョンマスターになればスライム王はどうなるんだ。
足元でふるふるしている王様は可愛い。
手の平を差し出すと乗ってきた。黒いソフトボール大、ひんやりぷるんぷるんだ。

「いきなり言われてもな。考えさせてくれ。(逃げよう)」
『大きなダンジョン 希望。』
「王都近くじゃないと。冒険者も来ないだろうよ。
第一に俺、シェルは子どもだ。(和弥の記憶があっても)無理だ。」

『シェルさン 大人になれバ 引き受けますカ?』
「う~ん 今は保留かな。(嘘だけど、厄介だから逃げるんだ)」

『了解!保留宣言確認。あなたヲ ダンジョンマスター(保留)任命しまス。』 
「はぁ?」

俺と王様の体がピカっと光ると俺の手の平に黒子のような星型の痣が現れた。

『新たなマスターの誕生でス。』
コイツめ!絶対に最初から押し付ける気だったな。
くっそ~ いいさ保留だ、絶対逃げてやる。

『今 引っ越しますカ?』 
「どうぞご勝手に。」もう投遣りだ。

『了解!どこに行きますカ?』
「わからん。俺はまだ地理にはくわしくないんだ。」

『では ダンジョンも保留ですネ。』
「そうだな。シェルが大人になったら考えるよ。」

『了解!現存ダンジョン破棄 保留ダンジョンに移動開始 5秒前・・・ 』

「えぇ 移動?」 
核さんにはいい加減な答えをしてはいけない──

『2・・・1・』#$%&@¥+”α

目の前が真っ白になり浮遊感があって、ふわりとどこかに降り立った。

『異空間 保留ダンジョン作成。 今からここハ マスターのダンジョンでス。』


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