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16 ブサイク眼鏡のくせに
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夕食後に自室でレポートをまとめて明日は提出するだけという時に、4名の貴族令嬢達の突撃を受けた。
「ダンジョンのレポートを見せて頂けないかしら?お礼はするわよ」
「いえ、特待生は不正をすると即、退学になるのでお断りします」
「不正?見せて頂くだけよ。問題ないわよねぇ皆様?」
「そうよ、レポートを廊下に置いて、貴方はお花を摘みに行ってらっしゃいな」
話したことのないBクラスの令嬢たちだ。
寮の食堂でも偉そうにしている茶髪の伯爵令嬢コーデリア、後は下位貴族の取り巻き3人組。
「お断りします」
ドアを閉めようとすると無理やり部屋に入って机上のレポートを取り上げられた。
「返して下さい!」
「平民が生意気なのよ!」
腕を掴まれて後ろに引っ張られ、地味に痛い。
「こっちは大金寄付してるの!タダで世話になってるんだから役に立ちなさいよね」
仕方ない、とりあえず大人しくしておこう。揉めて退学は御免だ。
4人が戻って行くと私は尾行して部屋を確認した。
一番下っ端の男爵令嬢が全員のレポートを押し付けられている。
「可哀そうだけど、今晩お邪魔するわね」
*
「ニャ~ン」
「ネーロ、これは盗みじゃないわ、奪還よ?」
深夜、鏡から男爵令嬢ウィローの部屋に入って机上を見た。
「まだ着手してないのか。提出期限は今月中だものね」
私は自分のレポートを持って部屋に戻り、翌日の授業終わりにロアンと共にレポートを提出した。
私から取り上げたレポートを紛失したウィローは、コーデリア達に叱られシュンと背中を丸めていた。
その後も凝りもせず、コーデリア達は私に付き纏うので担任に相談した。A判定の成績が欲しいのだろう、私とロアンは優秀な特待生なのだから。
*
レポートを提出し終えて次の予定をロアンと話し合っていた。
「次は2階層だな。さっさと終わらせて単位取りたいな」
私は土と風、ロアンは火と風の魔法を操れる。
「水魔法が得意なメンバーが欲しいわね」
「そうだな」
「良かったら組みませんか?私は水魔法が得意です」
私達の話を聞きつけて、クラスメートのサイラスが声を掛けてきた。
なかなかのイケメンである。
「それから彼は友人のポールです。彼も入れて貰えませんか。土と水を扱えます」
「お二人ともぜひお願いします」
サイラスとポールが仲間になって4人チームになった。
***
「ブサイク眼鏡のくせに・・・・」
ヒソヒソと悪口が聞こえる。
最近、寮での居心地が悪い。
コーデリアグループとサイラスのフアングループだ。
メンバーになったサイラスは美形の伯爵令息で令嬢達から人気がある。
1-Aの3人組のご令嬢たちが、サイラスに熱を上げている。
サイラスと組みたければ誘えばいいじゃん。
コーデリア達は担任に注意してもらったら、恨まれてしまった。
油断していると、小突かれて足を引っかけられたり、上からゴミや石、汚水が降ってくる。
寮の部屋の前を生ゴミだらけにされたり、突き飛ばされることもある。
平民だと思って、やりたい放題だ。
問題を起こして退学になっても困るし、今は様子見なんだけど。
濡れる程度は魔法で綺麗にすることが出来る。
だが怪我したり、制服が破れると困るのだ。
「シア、最近虐められてるよな」
ロアンが心配してくれる。イイ奴だ。
「ちょっと嫌がらせがあるかな~大したことないけどね」
「早く教師か生徒会に訴えた方がいいぞ。生徒会は俺が話しておくよ」
「うん、ありがとね」
教師に訴えたらコーデリア達に逆恨みされたのよね。どうしたものかな。
***
ガシャーーーン!
腕にかすかな痛み。足元に植木鉢の欠片が飛び散った。
この日はドームに向かう途中、頭上から薬草を植えた植木鉢が落ちてきて、あわや頭が割れるところだった。
どこからか、ネーロが軌道をずらしてくれて助かった。
「シア!大丈夫か?」
駆けつけてくれたのはアーヴィング殿下だった。
「ちょっと腕をかすっただけで大丈夫です」
「嫌がらせされていると聞いた」
「大したことないです」
ロアンが生徒会に話してくれたのね。
「シア、腕を見せて」
「本当に大丈夫「いいから!」
マズい今度はアーヴィング殿下フアンからも攻撃されそうだ。
袖をめくると赤くなっているが大したことは無い。
「医務室に行っておいで、犯人は捕まえておく」
「わかるのですか?」
「ああ、嫌な臭いがするよ」
臭い?そうか殿下は獣人の血を引いていたんだった。
「グレン、彼女を医務室までお連れしろ」
「かしこまりました。行きましょう」
やだ、グレン・ハサウェイ・・・兄じゃないか。
「ダンジョンのレポートを見せて頂けないかしら?お礼はするわよ」
「いえ、特待生は不正をすると即、退学になるのでお断りします」
「不正?見せて頂くだけよ。問題ないわよねぇ皆様?」
「そうよ、レポートを廊下に置いて、貴方はお花を摘みに行ってらっしゃいな」
話したことのないBクラスの令嬢たちだ。
寮の食堂でも偉そうにしている茶髪の伯爵令嬢コーデリア、後は下位貴族の取り巻き3人組。
「お断りします」
ドアを閉めようとすると無理やり部屋に入って机上のレポートを取り上げられた。
「返して下さい!」
「平民が生意気なのよ!」
腕を掴まれて後ろに引っ張られ、地味に痛い。
「こっちは大金寄付してるの!タダで世話になってるんだから役に立ちなさいよね」
仕方ない、とりあえず大人しくしておこう。揉めて退学は御免だ。
4人が戻って行くと私は尾行して部屋を確認した。
一番下っ端の男爵令嬢が全員のレポートを押し付けられている。
「可哀そうだけど、今晩お邪魔するわね」
*
「ニャ~ン」
「ネーロ、これは盗みじゃないわ、奪還よ?」
深夜、鏡から男爵令嬢ウィローの部屋に入って机上を見た。
「まだ着手してないのか。提出期限は今月中だものね」
私は自分のレポートを持って部屋に戻り、翌日の授業終わりにロアンと共にレポートを提出した。
私から取り上げたレポートを紛失したウィローは、コーデリア達に叱られシュンと背中を丸めていた。
その後も凝りもせず、コーデリア達は私に付き纏うので担任に相談した。A判定の成績が欲しいのだろう、私とロアンは優秀な特待生なのだから。
*
レポートを提出し終えて次の予定をロアンと話し合っていた。
「次は2階層だな。さっさと終わらせて単位取りたいな」
私は土と風、ロアンは火と風の魔法を操れる。
「水魔法が得意なメンバーが欲しいわね」
「そうだな」
「良かったら組みませんか?私は水魔法が得意です」
私達の話を聞きつけて、クラスメートのサイラスが声を掛けてきた。
なかなかのイケメンである。
「それから彼は友人のポールです。彼も入れて貰えませんか。土と水を扱えます」
「お二人ともぜひお願いします」
サイラスとポールが仲間になって4人チームになった。
***
「ブサイク眼鏡のくせに・・・・」
ヒソヒソと悪口が聞こえる。
最近、寮での居心地が悪い。
コーデリアグループとサイラスのフアングループだ。
メンバーになったサイラスは美形の伯爵令息で令嬢達から人気がある。
1-Aの3人組のご令嬢たちが、サイラスに熱を上げている。
サイラスと組みたければ誘えばいいじゃん。
コーデリア達は担任に注意してもらったら、恨まれてしまった。
油断していると、小突かれて足を引っかけられたり、上からゴミや石、汚水が降ってくる。
寮の部屋の前を生ゴミだらけにされたり、突き飛ばされることもある。
平民だと思って、やりたい放題だ。
問題を起こして退学になっても困るし、今は様子見なんだけど。
濡れる程度は魔法で綺麗にすることが出来る。
だが怪我したり、制服が破れると困るのだ。
「シア、最近虐められてるよな」
ロアンが心配してくれる。イイ奴だ。
「ちょっと嫌がらせがあるかな~大したことないけどね」
「早く教師か生徒会に訴えた方がいいぞ。生徒会は俺が話しておくよ」
「うん、ありがとね」
教師に訴えたらコーデリア達に逆恨みされたのよね。どうしたものかな。
***
ガシャーーーン!
腕にかすかな痛み。足元に植木鉢の欠片が飛び散った。
この日はドームに向かう途中、頭上から薬草を植えた植木鉢が落ちてきて、あわや頭が割れるところだった。
どこからか、ネーロが軌道をずらしてくれて助かった。
「シア!大丈夫か?」
駆けつけてくれたのはアーヴィング殿下だった。
「ちょっと腕をかすっただけで大丈夫です」
「嫌がらせされていると聞いた」
「大したことないです」
ロアンが生徒会に話してくれたのね。
「シア、腕を見せて」
「本当に大丈夫「いいから!」
マズい今度はアーヴィング殿下フアンからも攻撃されそうだ。
袖をめくると赤くなっているが大したことは無い。
「医務室に行っておいで、犯人は捕まえておく」
「わかるのですか?」
「ああ、嫌な臭いがするよ」
臭い?そうか殿下は獣人の血を引いていたんだった。
「グレン、彼女を医務室までお連れしろ」
「かしこまりました。行きましょう」
やだ、グレン・ハサウェイ・・・兄じゃないか。
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