4度婚約解消されました。でも私は図太く生きていきます!

ミカン♬

文字の大きさ
上 下
13 / 21

13 閑話 ダイアナ&ベニー

しおりを挟む
★《ダイアナ視点》★


両親が離婚して、セルマー家は壊れてしまった。

12歳のリアナをハワードに与えるために父が引き取ってきた。
素直で可愛い容姿のリアナが殺したいほど憎い。

リアナの悪い噂を至る場所でバラ撒いてやれば噂好きな令嬢たちは飛びついた。

意外なのはベニー様が先陣を切ってリアナを陥れた事。
私に味方するなら歓迎だ。

面白いほどリアナは窮地に落ちてゆき、ハワードも離れていった。


リアナの物は全て奪ってやった。その資格が私にはある。

美しいアランを愛していた、婚約は私が父に泣いて強請ったのだ。

最初、私がハワードの婚約者候補だったのよ。
デブで不細工なハワードなんか御免だった。


けどスコット家は裕福とは言えない、だからハワードを誘惑してやったの。

妊娠しても構わないと思ったわ。裕福なハワードの妻なら一生贅沢が出来る。
アランは私の愛人にするの。

思惑通り私はハワードの妻になった。

でもちょっと癇癪を起して、姑に追い出されてしまった。

もちろん残してきた可愛い息子は気になってるわ。

息子はリアナに育てさせようと考えていたのに、ワイゼン侯爵の婚約者ですって?
絶対許せないわ!


リアナがワイゼン侯爵と婚約してからは、何もかも思い通りに行かなくなっている。

今までリアナの物はなんでも簡単に手に入れてきたのに!

侯爵夫人の座が手に入ら無いなら、リアナの手にも渡さない。



ベニー様から手紙が来た。


もう一度侯爵とやり直したいので協力して欲しいと書かれている。
成功すれば大金がもらえる。


リアナの悪評をバラ撒いて、婚約を破棄させるのね。

ワイゼン侯爵の心を取り戻す方法がベニー様にはあるようだ。


いいわ、リアナを実家に戻してハワードよりも大金持ちの悪評高い老人に売りつけてやる。


ワイゼン侯爵は警戒心が強いのか、リアナを屋敷に閉じ込めて隙を全く見せない状態だ。

でも舞踏会には現れる手筈になっている。

ベニー様と協力して絶対にリアナとワイゼン侯爵を別れさせてやる。



           ***



★《ベニー視点》★


「ねぇ、知ってる?オスカーには初恋の女の子がいるのよ。名前はリアナ・セルマー」

15歳の時に、大嫌いなオスカーの従姉クラリスに教えられた。


確かにオスカーは私との婚約を渋ったと聞いていた。
王妃である叔母様の勧めだもの断れるわけがないのに。

でも婚約してからはオスカーは私を大切にしてくれた。
美しい私は愛されているに決まっている。


セルマー伯爵家のダイアナがリアナの悪評を流している。
私も便乗して噂を広めてやった。

するとオスカーが「くだらない噂なんか放っておけ」と言ったのよ。

「だって、庶子なのに生意気なんですって。お仕置きしてやらなきゃだめよ」

「ベニーは事実を確認したか?そんな子じゃ無いかもしれないだろう?」


クラリスの話は本当だと思った。オスカーはリアナを庇っている。

嫉妬に駆られて私は更に酷い噂を流し、リアナが学園に来られないように仕向けた。


だけど案外図太い子で、リアナは孤立しても学園生活を耐えていた。

顔を見るたび、見かければ追いかけて、リアナに嫌がらせをしてやった。

婚約者のハワードは恐れてリアナを庇うことも出来ず、リアナの惨めな姿にオスカーも私と一緒にリアナを罵倒したわ。

いい気味だった。オスカーはやはり私を愛している。


結婚して、オスカーから宣言された。

「王妃命令だから婚姻を結んだが、ベニーとは夫婦にはなれない。2年後には離縁する、慰謝料は希望金額を出す」

白い結婚宣言だった。

「酷いわ、どうしてそんな!」

「俺は弱い者を虐める女なんか愛せない。俺もお前も最低だ」

「うそよ!私を愛しているわよね?」

「愛そうと努力した時期もあった。ベニーが優しい女なら夫婦になれたかもな。俺も冷酷な男だ、せめて優しい女を妻にしないと生まれる子が可哀そうだ」


私はオスカーに距離を置かれ、秘書のクラリスとは毎日のように対立し争った。

荒れた私は好き勝手に生活し、護衛の男を愛人にして、子を身籠った。


妊娠がバレるとオスカーに離縁され、生まれた子は護衛の男の家が喜んで引き取ってくれた。

私の妊娠はクラリスに嵌められたに違いない。



オスカーがリアナと婚約したと聞いて、彼の懺悔だと思った。
私と一緒に罵倒した可哀そうなリアナに償う気だ。

それと私への当て付け。
私が憎んだリアナを婚約者にするなんて、オスカーは私の嫉妬を煽っているんだわ。

彼はまだ私を愛している。

もう一度オスカーとやり直すの。

紹介された再婚相手候補に、オスカーを上回るいい男なんていなかった。
妹と再婚?そんな事させないわ。


今度は上手くやる。

リアナに優しくするをすればいいのよね。

オスカーと仲が良かった頃の、あの幸せな学生時代に戻って夫婦になるのよ。

オスカーに会いたい、謝罪してやり直したいと手紙を出した。



ダイアナにも手紙を出した。

リアナを憎む彼女は、お金を出せば良い駒になってくれる。


失敗は許されない。

思い出してオスカー・・・愛し合っていた、誰もが羨んでいた、貴方と私を。



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
【完結しました】 王立騎士団団長を務めるランスロットと事務官であるシャーリーの結婚式。 しかしその結婚式で、ランスロットに恨みを持つ賊が襲い掛かり、彼を庇ったシャーリーは階段から落ちて気を失ってしまった。 「君は俺と結婚したんだ」 「『愛している』と、言ってくれないだろうか……」 目を覚ましたシャーリーには、目の前の男と結婚した記憶が無かった。 どうやら、今から二年前までの記憶を失ってしまったらしい――。

【完結】100日後に処刑されるイグワーナ(悪役令嬢)は抜け毛スキルで無双する

みねバイヤーン
恋愛
せっかく悪役令嬢に転生したのに、もう断罪イベント終わって、牢屋にぶち込まれてるんですけどー。これは100日後に処刑されるイグワーナが、抜け毛操りスキルを使って無双し、自分を陥れた第一王子と聖女の妹をざまぁする、そんな物語。

その後2人を待っていたのは、正反対の人生でした

柚木ゆず
恋愛
 一目惚れをした令嬢・エルザを手に入れるため、エルザの最愛の人であり婚約者のユーゴに大けがを負わせて記憶喪失にさせ、『逆らうと更に酷い目に遭わせる』とエルザを脅迫して自らと婚約させた侯爵家の令息・ウィリアム。  しかし、その僅か9か月後。そのショックによって笑顔を作れなくなってしまったエルザに飽き、彼は一方的に婚約破棄をしてしまいます。  エルザとユーゴの心身を傷つけ、理不尽な振る舞いをしたウィリアム。  やがてそんな彼の心身に、異変が起き始めるのでした――。  ※こちらは以前投稿していたお話のリメイク(いただいたご意見とご指摘をもとに文章を書き直し、キャラクターの性格やストーリーを数か所変更したもの)となっておいます。  ※8月3日。体調の影響でお返事(お礼)を行う余裕がなく、現在感想欄を閉じさせていただいております。

不遇な王妃は国王の愛を望まない

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。 ※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷 ※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲

【完結】脇役令嬢だって死にたくない

こな
恋愛
自分はただの、ヒロインとヒーローの恋愛を発展させるために呆気なく死ぬ脇役令嬢──そんな運命、納得できるわけがない。 ※ざまぁは後半

政略結婚で「新興国の王女のくせに」と馬鹿にされたので反撃します

nanahi
恋愛
政略結婚により新興国クリューガーから因習漂う隣国に嫁いだ王女イーリス。王宮に上がったその日から「子爵上がりの王が作った新興国風情が」と揶揄される。さらに側妃の陰謀で王との夜も邪魔され続け、次第に身の危険を感じるようになる。 イーリスが邪険にされる理由は父が王と交わした婚姻の条件にあった。財政難で困窮している隣国の王は巨万の富を得たイーリスの父の財に目をつけ、婚姻を打診してきたのだ。資金援助と引き換えに父が提示した条件がこれだ。 「娘イーリスが王子を産んだ場合、その子を王太子とすること」 すでに二人の側妃の間にそれぞれ王子がいるにも関わらずだ。こうしてイーリスの輿入れは王宮に波乱をもたらすことになる。

【完結】長い眠りのその後で

maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。 でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。 いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう? このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!! どうして旦那様はずっと眠ってるの? 唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。 しょうがないアディル頑張りまーす!! 複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です 全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む) ※他サイトでも投稿しております ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです

つかぬことをお伺いいたしますが、私はお飾りの妻ですよね?

恋愛
少しネガティブな天然鈍感辺境伯令嬢と目つきが悪く恋愛に関してはポンコツコミュ障公爵令息のコミュニケーションエラー必至の爆笑(?)すれ違いラブコメ! ランツベルク辺境伯令嬢ローザリンデは優秀な兄弟姉妹に囲まれて少し自信を持てずにいた。そんなローザリンデを夜会でエスコートしたいと申し出たのはオルデンブルク公爵令息ルートヴィヒ。そして複数回のエスコートを経て、ルートヴィヒとの結婚が決まるローザリンデ。しかし、ルートヴィヒには身分違いだが恋仲の女性がいる噂をローザリンデは知っていた。 エーベルシュタイン女男爵であるハイデマリー。彼女こそ、ルートヴィヒの恋人である。しかし上級貴族と下級貴族の結婚は許されていない上、ハイデマリーは既婚者である。 ローザリンデは自分がお飾りの妻だと理解した。その上でルートヴィヒとの結婚を受け入れる。ランツベルク家としても、筆頭公爵家であるオルデンブルク家と繋がりを持てることは有益なのだ。 しかし結婚後、ルートヴィヒの様子が明らかにおかしい。ローザリンデはルートヴィヒからお菓子、花、アクセサリー、更にはドレスまでことあるごとにプレゼントされる。プレゼントの量はどんどん増える。流石にこれはおかしいと思ったローザリンデはある日の夜会で聞いてみる。 「つかぬことをお伺いいたしますが、私はお飾りの妻ですよね?」 するとルートヴィヒからは予想外の返事があった。 小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

処理中です...