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11 閑話 アラン
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★《アラン視点》★
5年間の記憶が消えて俺は15歳に遡ったと診断された。
目指していた王宮騎士団に入団しており事件に遭遇? わからない。
俺には愛する両親とダイアナという美しい婚約者がいる、覚えているのはそれだけだ。
ダイアナと婚約解消して、リアナと婚約していたなんて信じられない。
義妹のあの子はダイアナを悲しませる憎むべき存在だ。
両親は俺がダイアナに騙されていると言い続けている、そうなのか?
リアナは優しい良い子?リアナを嫁に迎えたかっただと?
可哀そうなダイアナは無理にハワードに嫁がされたが、ハワードはリアナを愛人にしてダイアナを追い出した。
ダイアナから、そう聞かされた時はそうなのかと納得した。
しかし、無理やりハワードに嫁がされた?
いやハワードはリアナを大事にしていただろう。
ハワードに愛されないリアナが悪かった?
なら、今更なんで愛人になっているんだよ。
ハワードの愛人になったリアナが、なぜかワイゼン侯爵の婚約者になっている?
俺には意味が分からない。
ダイアナの主張は、全く筋が通らないんだ。
リアナが侯爵と婚約してからダイアナの様子もおかしい。
あんなに毎日俺に会いに来たのに、だんだんと冷たくなった。
今日は王宮に呼ばれて「記憶障害は体内に残る毒が原因と判明した、解毒薬を飲むように」と言われた。
違法の毒草は突然変異したもので、解毒薬の開発には時間を要し、服用が今日となった。
解毒薬を手に俺は躊躇した。
何かとんでもない過ちを犯しているんじゃないのか?
日に日にダイアナへの疑惑は膨れ上がっていた。
だが騎士団に復帰するためにも解毒薬は飲まなければならない。
毒のせいか今も体が重くて辛い。
俺は小瓶に入った解毒薬を一気に飲み干した。
「気分はどうですか? 手足が痺れたり、頭痛はないですか?」
「いいえ・・・・」
「大丈夫ですか?」
「いいえ・・・俺は、俺は・・・」
「記憶が戻るとしばらくは混乱します。落ち着いて下さい」
「ダイアナ・・・」
「アラン・スコット、記憶は戻りましたか?」
「ダイアナ・・・リアナはお前が苦しめていた」
「まだ混乱しているようですね」
「リアナ・・・すまないリアナ・・・」
記憶は全て戻った。
俺は昔から思い込みの激しい男だったようだ。
無条件にダイアナを信じ、リアナを憎んでいた。
だがリアナと生活を共にし、俺は目が覚めていった。
あの日俺は任務から戻ったら、俺のこれまでの態度を詫びてリアナに求婚しようと思っていた。
それを神は許さなかったのか。
俺への罰か。
もっと早く求婚して、リアナと結婚していれば・・・
俺はリアナを忘れなかっただろうか。
リアナ! 記憶など戻らない方が良かったのか。
知らない方が幸せだったのか。
記憶が戻り失望の末、家に戻るとダイアナが訪ねてきた。
「ねぇ、今夜はいつもの宿で朝まで過ごしましょうよ」
俺の腕に豊満な胸を押し付けて、淫らな顔で誘う元婚約者は大ウソつきだ。
何がリアナは淫乱な義妹だ、お前が淫乱じゃないか。
俺を裏切り、ハワードをリアナから寝盗ったくせに。
ハワードと離婚してからは俺に色目を使って誘惑してきたよな。
お前の本性に気付いた俺は全く相手にしなかったが。
「なぁ、リアナは本当に結婚するのか?あの金持ちのワイゼン侯爵様と」
「させないわ!あの子が幸せになるなんて許さない!」
そうだよな、これがこの女の本性だ。
「ハワードの家であの姑に虐待されればいいんだわ」
「ダイアナは虐待されたのか?」
「ううん、小言が多くて嫌な姑だったのよ」
この狂った女は危険だ。
リアナ、俺はお前の義姉を監視して、お前を守ってやる。
「今度の舞踏会は一緒に参加するわよね?」
「ああ、エスコートするよ」
リアナも参加するだろう。
見届けてやる、ワイゼン侯爵がリアナを幸せにしてくれるのか。
もうリアナを取り戻せない、せめて見守らせてくれ。
「早く宿に行きましょう」
「そうだな」
ダイアナに不審がられ無いように付き合うとするか。
俺の記憶が戻ったのをダイアナはまだ知らない。
もう俺の中にダイアナへの恋慕は一滴も残っていなかった。
5年間の記憶が消えて俺は15歳に遡ったと診断された。
目指していた王宮騎士団に入団しており事件に遭遇? わからない。
俺には愛する両親とダイアナという美しい婚約者がいる、覚えているのはそれだけだ。
ダイアナと婚約解消して、リアナと婚約していたなんて信じられない。
義妹のあの子はダイアナを悲しませる憎むべき存在だ。
両親は俺がダイアナに騙されていると言い続けている、そうなのか?
リアナは優しい良い子?リアナを嫁に迎えたかっただと?
可哀そうなダイアナは無理にハワードに嫁がされたが、ハワードはリアナを愛人にしてダイアナを追い出した。
ダイアナから、そう聞かされた時はそうなのかと納得した。
しかし、無理やりハワードに嫁がされた?
いやハワードはリアナを大事にしていただろう。
ハワードに愛されないリアナが悪かった?
なら、今更なんで愛人になっているんだよ。
ハワードの愛人になったリアナが、なぜかワイゼン侯爵の婚約者になっている?
俺には意味が分からない。
ダイアナの主張は、全く筋が通らないんだ。
リアナが侯爵と婚約してからダイアナの様子もおかしい。
あんなに毎日俺に会いに来たのに、だんだんと冷たくなった。
今日は王宮に呼ばれて「記憶障害は体内に残る毒が原因と判明した、解毒薬を飲むように」と言われた。
違法の毒草は突然変異したもので、解毒薬の開発には時間を要し、服用が今日となった。
解毒薬を手に俺は躊躇した。
何かとんでもない過ちを犯しているんじゃないのか?
日に日にダイアナへの疑惑は膨れ上がっていた。
だが騎士団に復帰するためにも解毒薬は飲まなければならない。
毒のせいか今も体が重くて辛い。
俺は小瓶に入った解毒薬を一気に飲み干した。
「気分はどうですか? 手足が痺れたり、頭痛はないですか?」
「いいえ・・・・」
「大丈夫ですか?」
「いいえ・・・俺は、俺は・・・」
「記憶が戻るとしばらくは混乱します。落ち着いて下さい」
「ダイアナ・・・」
「アラン・スコット、記憶は戻りましたか?」
「ダイアナ・・・リアナはお前が苦しめていた」
「まだ混乱しているようですね」
「リアナ・・・すまないリアナ・・・」
記憶は全て戻った。
俺は昔から思い込みの激しい男だったようだ。
無条件にダイアナを信じ、リアナを憎んでいた。
だがリアナと生活を共にし、俺は目が覚めていった。
あの日俺は任務から戻ったら、俺のこれまでの態度を詫びてリアナに求婚しようと思っていた。
それを神は許さなかったのか。
俺への罰か。
もっと早く求婚して、リアナと結婚していれば・・・
俺はリアナを忘れなかっただろうか。
リアナ! 記憶など戻らない方が良かったのか。
知らない方が幸せだったのか。
記憶が戻り失望の末、家に戻るとダイアナが訪ねてきた。
「ねぇ、今夜はいつもの宿で朝まで過ごしましょうよ」
俺の腕に豊満な胸を押し付けて、淫らな顔で誘う元婚約者は大ウソつきだ。
何がリアナは淫乱な義妹だ、お前が淫乱じゃないか。
俺を裏切り、ハワードをリアナから寝盗ったくせに。
ハワードと離婚してからは俺に色目を使って誘惑してきたよな。
お前の本性に気付いた俺は全く相手にしなかったが。
「なぁ、リアナは本当に結婚するのか?あの金持ちのワイゼン侯爵様と」
「させないわ!あの子が幸せになるなんて許さない!」
そうだよな、これがこの女の本性だ。
「ハワードの家であの姑に虐待されればいいんだわ」
「ダイアナは虐待されたのか?」
「ううん、小言が多くて嫌な姑だったのよ」
この狂った女は危険だ。
リアナ、俺はお前の義姉を監視して、お前を守ってやる。
「今度の舞踏会は一緒に参加するわよね?」
「ああ、エスコートするよ」
リアナも参加するだろう。
見届けてやる、ワイゼン侯爵がリアナを幸せにしてくれるのか。
もうリアナを取り戻せない、せめて見守らせてくれ。
「早く宿に行きましょう」
「そうだな」
ダイアナに不審がられ無いように付き合うとするか。
俺の記憶が戻ったのをダイアナはまだ知らない。
もう俺の中にダイアナへの恋慕は一滴も残っていなかった。
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