隣に誰かさん。etc.

深月織

文字の大きさ
上 下
1 / 11

めも

しおりを挟む
卒業パーティの日

俺はシルヴィアをエスコートし、ファーストダンスをした後、パーティ会場の庭でアイリーンと待ち合わせした。

いつもならこんなとこでアイリーンと2人っきりにはならない。
だけど、アイリーンにお願いされて断れなかった。
まぁ俺も心の中でアイリーンの関係はこれで最後にしようと思い、会いに行った。


『ルイス。愛しているわ。』
『ああ、俺もだ。アイリーン。』


そんなだけの言葉を俺はパーティ会場の庭でアイリーンに囁いた。


でもまさかこの場面をシルヴィアが見てたなんて…


俺はその時夢に浸り過ぎて、現実を見てなかった。
____________________

卒業パーティの翌日

ミルトン家から手紙が来ていた。
なんでも話があるって事で、ミルトン家に来て欲しいというお願いの手紙だ。
その手紙は俺だけではなく、俺の両親も来て欲しいと記されていた。

何故両親もと不思議に思いながらも俺達はミルトン家に向かった。


俺と俺の両親がミルトン家に着いたら、シルヴィアに応接室へと案内された。
そこにはアイリーンとアイリーンの両親が居た。


俺は嫌な予感がした。
まさか俺とアイリーンの関係がバレてしまったのだろうか…


全員が応接室に集まった時、シルヴィアが話を切り出した。



俺とアイリーンがパーティ会場の庭で抱き合って愛を囁いてた事をシルヴィアが見たという事。
俺とアイリーンが恋仲だったんじゃないかという噂が前々からあったという事。



俺は驚いた。
やはり俺の勘は的中していた。
そのまさかだったのだ。


そしてシルヴィアは聞き捨てならない事を言った。

『私、シルヴィア・ミルトンはルイス・フィルトンとの婚約を破棄したいと思います。』



俺は動揺してしまった。
俺は無意識にシルヴィアの名を呼び、その理由を問いかけた。

そしてシルヴィアは言ったのだ。
俺がアイリーンの事が好きだから、婚約破棄すると…



どうして吹っ切れたような感じで言うのだろうか?
俺達には約束がある。
『愛し合える家庭を作りたい。』
シルヴィアは俺の事が好きだから、この約束事を持ちかけたのだ。
そんな簡単に好きな人を諦められるのだろうか?
俺はそう思ってた。


しかし現実は違った。
シルヴィアは俺の事を人として好きだったが、恋愛感情はなかったと…


その言葉に俺は酷く動揺した。


(なぜぇ?)




そんな俺はふっと思ってしまった。



何故俺はこんなに動揺してるのだろう?

もしアイリーンが好きなら、すんなり受け入れて婚約破棄すればいいではないか?



そんな事を思ってたら、俺はある答えに辿り着いた。




そう、俺はシルヴィアが好きなのだ。




俺はシルヴィアが好きだから、頼ってくれないシルヴィアに足りないと思ってしまった。
頼られないと俺の存在意義がなくなってしまうと思ったから…

俺はシルヴィアが好きだから、アイリーンと居た時、物足りないと感じたのかもしれない。無意識の内に俺はアイリーンのようにシルヴィアと過ごしたかったと思ったから…

俺はシルヴィアが好きだから、噂の事、つまり俺の事でシルヴィアが悲しんでると聞かれた時は嬉しかった。
なにせシルヴィアが俺に感情がぶつけてきたのだから…



もしかしたら俺は無意識にアイリーンをシルヴィアにすり替えてたのかもしれない。その理由で俺はアイリーンとの関係が長く続いてたと考えれば納得がいく。



だからアイリーンが俺にペンを持たせ、婚約破棄の書類にサインをさせようとした時、俺はアイリーンの手を振り解いた。

そしてこう発言した。

『お、俺は婚約破棄しない!!!』っと



俺はシルヴィアの事が好きだから、婚約破棄をしたくない!
俺にはシルヴィアが必要だから、婚約破棄をしたくない!

そう思いながら俺は言った。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

10 sweet wedding

国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。

不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました

入海月子
恋愛
有本瑞希 仕事に燃える設計士 27歳 × 黒瀬諒 飄々として軽い一級建築士 35歳 女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。 彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。 ある日、同僚のミスが発覚して――。

幼馴染以上恋人未満 〜お試し交際始めてみました〜

鳴宮鶉子
恋愛
婚約破棄され傷心してる理愛の前に現れたハイスペックな幼馴染。『俺とお試し交際してみないか?』

パパのお嫁さん

詩織
恋愛
幼い時に両親は離婚し、新しいお父さんは私の13歳上。 決して嫌いではないが、父として思えなくって。

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...