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Version.圭
3.圭君の隣は…
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「お待たせ、歩」
着替えを終えたテニス部の人たちと一緒に圭君が出てきた。ほんとに打ち上げに参加して良いの戸惑っていると、部員の人が声を掛けてきた。
「あ、伊集院の差し入れの子?さっきは差し入れありがとうな!ま、俺達の出る幕は無くておいしく頂いただけだけどね」
「あ、いえ。美味しかったなら良かったです」
「打ち上げ行くんでしょ?騒がしいかもだけど楽しんでね」
「ありがとうございます」
ひらひらと手を振りながら、先輩と思わしき人は去って行った。
「帰りはちゃんと送って行くから」
「うん」
みんなから見えない様に後ろで繋いでいた手に、キュッと力が入った。
「それでは、今日の勝利を祝って、カンパーイ!!」
「「「カンパーイ!!」」」
打ち上げはお洒落なカフェを貸切にしていた。凄いな~っと思っていると圭君が「さっきの先輩…部長なんだけどご両親が経営してるお店なんだ」と教えてくれた。ちなみに、昼はカフェで夜はBARをしているのだとか。なので、20歳を超えた先輩達の手にはアルコールの入った飲み物が渡っていた。
「伊集院、飲んでるか~?」
「いや、俺まだ飲めないですって」
「真面目だな~。そっちの幼馴染ちゃんは~?」
「今度うちに入学するんですからまだです!」
「固いな~」
「あ、ほらあっちでマネージャー呼んでますよ」
「あ~愛美~」
「…も~さっきから何なんだよ…」
さっきから少し酔いの回った先輩達が代わる代わる圭君の元にやってきて、気を使ってか僕にも話しかけてくれる。けど、返事をする前に圭君が対応してしまうので僕は愛想笑いをしているだけだ。
「ごめんな歩。なんか今日はいつもより先輩達が絡んできて…」
「ううん、大丈夫だよ。それより、圭君はずっとここにいて良いの?今日の主役でしょ?」
「いいの。歩を一人にはさせられないし…」
「僕ならだいじょう…」
「圭、今日はお疲れ様!!」
圭君の左隣に、マネージャーさんと思われる女性が座った。ちなみに、僕は圭君の右隣でテーブルの端っこに座っていてテーブルの下では、さっきから圭君に手を絡み捕られらている。
「もう、今日すっごくカッコよかった!!」
その女性は、グラスを置くと圭君の左腕に自分の手を回し上目づかいで圭君を見た。
(あ、さっきのマネージャーさん…)
ジャージ姿から普段着に変わったのと、髪の毛を降ろしていたので雰囲気がかなり変わっていたけど、会場で圭君を探しに来たマネージャーさんだった。
「そりゃどーも」
やんわりとその手を外し、圭君がお礼を言うと、
「やだ~幼馴染の前だからってカッコつけちゃって~!圭、いつもはハグしてくれるじゃん!」
「…はぁ?!」
あ、僕がいるから圭君いつも通りに行動出来ないんだ…。しかもさっきから名前呼捨てだし…。
「け、圭君。僕ちょっとお手洗い行ってくるね」
「あ、ちょ、歩?!」
泣きそうになるのを我慢しながら僕はそのまま店を出た…。
着替えを終えたテニス部の人たちと一緒に圭君が出てきた。ほんとに打ち上げに参加して良いの戸惑っていると、部員の人が声を掛けてきた。
「あ、伊集院の差し入れの子?さっきは差し入れありがとうな!ま、俺達の出る幕は無くておいしく頂いただけだけどね」
「あ、いえ。美味しかったなら良かったです」
「打ち上げ行くんでしょ?騒がしいかもだけど楽しんでね」
「ありがとうございます」
ひらひらと手を振りながら、先輩と思わしき人は去って行った。
「帰りはちゃんと送って行くから」
「うん」
みんなから見えない様に後ろで繋いでいた手に、キュッと力が入った。
「それでは、今日の勝利を祝って、カンパーイ!!」
「「「カンパーイ!!」」」
打ち上げはお洒落なカフェを貸切にしていた。凄いな~っと思っていると圭君が「さっきの先輩…部長なんだけどご両親が経営してるお店なんだ」と教えてくれた。ちなみに、昼はカフェで夜はBARをしているのだとか。なので、20歳を超えた先輩達の手にはアルコールの入った飲み物が渡っていた。
「伊集院、飲んでるか~?」
「いや、俺まだ飲めないですって」
「真面目だな~。そっちの幼馴染ちゃんは~?」
「今度うちに入学するんですからまだです!」
「固いな~」
「あ、ほらあっちでマネージャー呼んでますよ」
「あ~愛美~」
「…も~さっきから何なんだよ…」
さっきから少し酔いの回った先輩達が代わる代わる圭君の元にやってきて、気を使ってか僕にも話しかけてくれる。けど、返事をする前に圭君が対応してしまうので僕は愛想笑いをしているだけだ。
「ごめんな歩。なんか今日はいつもより先輩達が絡んできて…」
「ううん、大丈夫だよ。それより、圭君はずっとここにいて良いの?今日の主役でしょ?」
「いいの。歩を一人にはさせられないし…」
「僕ならだいじょう…」
「圭、今日はお疲れ様!!」
圭君の左隣に、マネージャーさんと思われる女性が座った。ちなみに、僕は圭君の右隣でテーブルの端っこに座っていてテーブルの下では、さっきから圭君に手を絡み捕られらている。
「もう、今日すっごくカッコよかった!!」
その女性は、グラスを置くと圭君の左腕に自分の手を回し上目づかいで圭君を見た。
(あ、さっきのマネージャーさん…)
ジャージ姿から普段着に変わったのと、髪の毛を降ろしていたので雰囲気がかなり変わっていたけど、会場で圭君を探しに来たマネージャーさんだった。
「そりゃどーも」
やんわりとその手を外し、圭君がお礼を言うと、
「やだ~幼馴染の前だからってカッコつけちゃって~!圭、いつもはハグしてくれるじゃん!」
「…はぁ?!」
あ、僕がいるから圭君いつも通りに行動出来ないんだ…。しかもさっきから名前呼捨てだし…。
「け、圭君。僕ちょっとお手洗い行ってくるね」
「あ、ちょ、歩?!」
泣きそうになるのを我慢しながら僕はそのまま店を出た…。
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