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Version.圭
1.応援に行きます
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「うわ~!結構見に来てる人多いんだ~」
今日は、圭君が所属しているテニス部の試合があるとのことで応援にやってきた。
圭君と恋人になってからは、試合が控えているとう理由でデートが出来なかった。あ、テレビ電話は毎日欠かさず掛かってきてたけどね。デートとは違うけど、今日は久しぶりに圭君に会えると張り切って差し入れを作ってきた。
「圭君、喜んでくれるかなぁ…」
圭君と待ち合わせしているテニスコートの裏の入り口に向かうと、人だかりができていた。しかも、女の子ばっかり。人気の選手でもいるのかなぁと考えていると、
「あ、歩~!!」
人だかりの中から僕のよく知る赤茶の髪の毛が見えた。圭君だ。…そっか、圭君のファンなんだ…。
圭君は人だかりを掻き分けて僕の方に走ってきた。
「歩、こっち!」
「あっ…」
圭君は僕の手を引いて、建物の中に駆け込んだ。試合の為、関係者しか入れないみたいだけど、僕入っちゃって大丈夫だった?!
「はぁ…。ごめん、急に走らせて」
「う、ううん。僕は大丈夫。…その、いいの?表の…」
「ああ…うん…。歩を待ってたら何か急に囲まれて困ってたんだ…。それより、来てくれてありがとう歩」
そう言って、圭君は僕の頬にそっと手を添えて微笑んだ。
「ぼ、僕の方こそ呼んでくれてありがとう。あ、差し入れ持ってきたんだけど…」
「マジ?歩の差し入れ食べたら百人力だよ!」
「そ、そんな大した物じゃないよ?」
「歩の手作りは特別」
差し出した保冷バックを持つ僕の手に、そっと手を重ねて耳元で囁く圭君。う~色気のある声が頭に響き渡り僕の心臓がバクバクする!
「伊集院くーん!どこー?!」
「やばっ、マネージャーだ」
「あっ!いたー!!ミーティング始まるから早く戻って!!」
「わかったって!歩、これサンキューな!」
「あ、うん。試合頑張ってね」
「ああ、歩のために勝つからな」
「ちょっと!!早くしてってば!!」
「今行く!じゃ、歩後でな!!」
マネージャーさんと合流して走り出すと、振り向いて手を振ってくれた。手を振り返すと、一瞬振り向いたマネージャーさんに睨まれた気がした。…気のせいかな?
「あ!客席の方に行かないと席無くなっちゃうかも!」
僕は急いで客席に向かって走り出した。
「前の方はいっぱいだなぁ…」
うちの大学の応援側の前の方は、すでに女の子達でいっぱいだった。所々空いてはいるが、女の子の間に入って行く勇気は僕にはない。
「あ、上の方は空いてそう」
近くではないけど、ここなら落ち着いて圭君の応援が出来ると思って、僕は上段の席で試合が始まるのを待った。
今日は、圭君が所属しているテニス部の試合があるとのことで応援にやってきた。
圭君と恋人になってからは、試合が控えているとう理由でデートが出来なかった。あ、テレビ電話は毎日欠かさず掛かってきてたけどね。デートとは違うけど、今日は久しぶりに圭君に会えると張り切って差し入れを作ってきた。
「圭君、喜んでくれるかなぁ…」
圭君と待ち合わせしているテニスコートの裏の入り口に向かうと、人だかりができていた。しかも、女の子ばっかり。人気の選手でもいるのかなぁと考えていると、
「あ、歩~!!」
人だかりの中から僕のよく知る赤茶の髪の毛が見えた。圭君だ。…そっか、圭君のファンなんだ…。
圭君は人だかりを掻き分けて僕の方に走ってきた。
「歩、こっち!」
「あっ…」
圭君は僕の手を引いて、建物の中に駆け込んだ。試合の為、関係者しか入れないみたいだけど、僕入っちゃって大丈夫だった?!
「はぁ…。ごめん、急に走らせて」
「う、ううん。僕は大丈夫。…その、いいの?表の…」
「ああ…うん…。歩を待ってたら何か急に囲まれて困ってたんだ…。それより、来てくれてありがとう歩」
そう言って、圭君は僕の頬にそっと手を添えて微笑んだ。
「ぼ、僕の方こそ呼んでくれてありがとう。あ、差し入れ持ってきたんだけど…」
「マジ?歩の差し入れ食べたら百人力だよ!」
「そ、そんな大した物じゃないよ?」
「歩の手作りは特別」
差し出した保冷バックを持つ僕の手に、そっと手を重ねて耳元で囁く圭君。う~色気のある声が頭に響き渡り僕の心臓がバクバクする!
「伊集院くーん!どこー?!」
「やばっ、マネージャーだ」
「あっ!いたー!!ミーティング始まるから早く戻って!!」
「わかったって!歩、これサンキューな!」
「あ、うん。試合頑張ってね」
「ああ、歩のために勝つからな」
「ちょっと!!早くしてってば!!」
「今行く!じゃ、歩後でな!!」
マネージャーさんと合流して走り出すと、振り向いて手を振ってくれた。手を振り返すと、一瞬振り向いたマネージャーさんに睨まれた気がした。…気のせいかな?
「あ!客席の方に行かないと席無くなっちゃうかも!」
僕は急いで客席に向かって走り出した。
「前の方はいっぱいだなぁ…」
うちの大学の応援側の前の方は、すでに女の子達でいっぱいだった。所々空いてはいるが、女の子の間に入って行く勇気は僕にはない。
「あ、上の方は空いてそう」
近くではないけど、ここなら落ち着いて圭君の応援が出来ると思って、僕は上段の席で試合が始まるのを待った。
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