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Version.類

4.5.企んだ女の末路

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~依央那視点~

「依央那~どうだった?」
「…どうもこうも最悪よ!」

類がここに来るという情報を得て、偶然を装って会いに行ったのに、何なのアレ?!顔も家柄も良いから付き合ってあげようと思ったのに、よりにもよってゲイだったなんて!それに、一緒にいた男も普通だし!どこが良いのよ!!

「…あいつゲイなのよ」
「え~?!じゃあ、一緒にいた子は恋人?」
「恐らくね。…あ~むしゃくしゃする!こうなったら…」

私はスマホを取りだし捨て垢を作ると、大学の口コミに類の事を匂わせながら大学にゲイがいると書き込んだ。そしてその捨て垢で、今度はつぶやきを書き込む。…よし、こんなもんかな。直接名前も出してないけど、バレるのも時間の問題よね。フフ、類も終わりね。ざまぁーみろ。

書き込みが終わり、ご機嫌でジュースを飲んでいるとスマホの画面に異常なくらい通知が来た。やった!
スマホを手に取り画面を見ると…

「え…?!」

”知らないなんて潜り?”
”デート邪魔するなんてかわいそう”
”とうとう成就したんだ!!”
”お前が終わったな”

ど、どういう事?

「依央那…ヤバくない?」

血の気が引く思いとはまさに今。次から次へと書き込まれる言葉は、類への祝福のコメントと私への批判。そして、私の特定へとつながる言葉。ヤバいと思って、投稿は全て削除。捨て垢も消した。

「…ふぅ…」

全てを消して安堵していると、ピロンとメールの通知音が鳴った。気にすることも無くメールを開くと

”安里 依央那 様

  暴露は楽しかったですか?
  ま、暴露にもなっていませんけどねw
  だって、あなたの書き込み一文も世間に漏れてませんから。
  今度はこちらの番です。
  ごきげんよう。                    ”


な・に・こ・れ……。





~類視点~

前々から俺の回りをウロウロする女をやっと排除できた。
全く、前の女といい、なぜ自分が選ばれると思っているのか…。

歩とのデートの最中に現れた時は殺意を覚えた。しかも俺の名を呼捨て…。歩にもまだ呼ばれてないのにこの女何度言ってもやめない。うん。決行。

俺はスマホの通話を押して、に会話を聞かせた。良い感じで煽ってくる女。そして捨て台詞。台本の様な女だな…。後は予定通りあいつらがしてくれるだろう。

スイーツを食べ終え、買い物も済ませた。歩とのお揃いなんて恋人の特権だな!
そして、パレードの為にレストランに移動。歩の為の特等席。頑張って良かった!
歩に気づかれない様にスマホを確認すると、圭のLIMEが届いていてそこには ”完了”の文字。どうやらうまくいったようだ。圭達にはお土産とは別に、今度何かお礼をしないとな。

あ、歩以外でと言っとかないと。
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