腐男子友達と思ってたのは俺だけでした~親友からの溺愛に気付くのが遅すぎた

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おまけ話① side颯一

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「颯ちゃん、征ちゃん!前に話してた新しい子達、あれからどうなったの?」

キラキラした目で俺達を見つめる亜樹。征二が口を滑らしたので、首を突っ込まないことを約束し説明した。
あれから一カ月が経った今日、店の巡回であの店を回った。

「あれはどう見ても恋人同士だったな」
「ああ、どうやらこの短い期間で上手くいったみたいだ」
「良かった~!勝手に心配してドキドキしちゃった!」

亜樹は、ホッとしたみたいで胸を撫でおろしている。

「じゃあ、もう良いよね!今度みんなでご飯食べようよ!!」
「「えっ?!」」

亜樹がとんでもないことを提案してきた。

「だって、もう恋人になったんだったら首突っ込んでもいいでしょ?昴流君と隼人君も呼んでパーティーしようよ~!」
「いや、でも・・・」
「・・・だめぇ?」

上目づかいでウルウルした目で俺達を見る。・・・どこでこんな技を覚えたんだか。
結局、亜樹に甘い俺達は4人を家に呼んで食事をすることになった―――――


「いらっしゃ~い!!さ、上がって上がって!!」
「「お邪魔します・・・」」

青野君と刑部君が緊張した面持ちで訪ねてきた。まぁ、知り合って2カ月ほどのオーナーの家に呼ばれたんだから当たり前だろう。

「あ、これ良かったら・・・」
「ありがと~。あ、ここのケーキ好きなんだ~!後でデザートにするね!!」

亜樹は朝からパタパタと食事の準備をしていた。手伝おうとしたら、

「今日は僕がおもてなしするんだから、颯ちゃんと征ちゃんはじっとしてて」

と一蹴されてしまった。そんな亜樹の力作がテーブルいっぱいに並べられている。ほんとは食べさせたくないが、亜樹が怒るから仕方ない・・・。

「さ、みんな揃ったね。じゃ、みんなの明るい未来と幸せにカンパ~イ!!」
「「「「カンパーイ」」」」
「「カ、カンパイ・・」」

委縮してる二人の元に、亜樹がニコニコと近づいていく。

「あらためて、初めまして。僕、亜樹って言うんだ。樹ちゃんと快斗ちゃんだよね。よろしく!」
「「よろしくお願いします」」
「あのね、僕たちって世間では特異な存在だと思うんだけど、性別なんて関係なくて、愛しい人がいるって素敵な事だと思うんだ。そんな相手と出会えた事は誇らしいと思ってる。それを伝えたくて二人を呼んだんだ。それに、と相談できる相手がいる方が良いでしょ?特に樹ちゃんは!」

亜樹の発言に、青野君の顔が見る見る真っ赤になっていく。まぁ、亜樹のアドバイスが役に立つかはわからないが、理解者が出来るのは良いだろう。

「亜樹、青野君が困ってるよ。そういうのは内緒で話さないと」
「あ、ごめんね樹ちゃん!困ったことがあったらいつでもここに来ていいからね!そうだ!隼人君と三人でパジャマパーティーしよっか!」

「「あ、亜樹?!」」
「「亜樹さん?!」」

青野君と隼人は真っ赤な顔で俯き、俺を含めた4人は驚きで顔面蒼白状態だ。いきなり恋人がお泊り提案されてるんだからな。そうなるとその日はをくらってしまう。亜樹は絶対実行するだろう。今迄そういう話が出来る相手がいなかったのだから仕方ない。亜樹の笑顔を曇らせない為にもここは折れるしかないか。

「亜樹、一人で決めちゃダメだよ。ちゃんと二人にも相談しないと」
「あ、そうだね颯ちゃん!ねぇねぇ・・・!」

その日は、男4人ででもするとしよう。もちろん亜樹の話は聞かせないけどな。






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