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23.知らされた想い
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「樹、答えて?」
「こ、この間初めてして、その・・・昨日は借りた本でした・・・」
快斗の顔が見れなくて目をそらして答えた。
「だ、だから快斗もしてるのか気になっ・・・!」
腕を引かれて、快斗に抱きしめられた。
「これ以上、煽らないで・・・」
「快斗・・・?」
そっと顔を上げたら、今にも泣きそうな快斗の顔がゆっくりと俺に近づく。
キスしそうな距離で快斗は止まった。
「知らなかったよね。俺、ずっと樹が好きなんだ」
「えっ・・・?」
息がかかる距離で、快斗から衝撃の事実が告げられた。
「俺はね、中学生の時に自分がゲイだって気付いたんだ。でも、誰にも言えない日々をBLの世界に入ることで何と世間と上手くいくように過ごしてた。普通の男がするオナニーも、もちろん男が相手だよ」
快斗は、俺の肩に頭を置いて自分の事を話し始めた。
俺は、快斗の話を黙って聞くしか出来なかった。
「高校の合格発表で樹を見かけた。・・・俺の妄想の中での理想の相手が現実にいるんだってびっくりして、一目で恋に落ちた。一目惚れだよ。それからは、樹を見るたびにドキドキして、少しでも見かけた日はすっごく嬉しくて・・・。同じクラスになれた時は眠れないくらい興奮したよ。本屋であったのは本当に偶然で、樹がノンケのBL好きってわかったからゲイってバレないようにしてた」
「・・!い、言ってくれれば!」
快斗が顔を上げて、俺の目を真っすぐに見る。
「違うんだよ樹。二次元と三次元は」
その言葉に、俺の心臓はドクンとなり、頭から血の気が引く感覚に襲われた。
「本当は、ずっと言わないつもりだった。樹に彼女が出来て、結婚して、子供が出来ても俺は我慢できると思ってた。するつもりだった。けど、今の俺はもう我慢できそうにないんだ。樹のそばにいれないよ。・・・今ならまだ大丈夫だから・・・」
そう言って、快斗は俺の身体から手を離し後ろを向いた。
「ほら、早く帰りなよ!」
「快斗・・・」
快斗の肩が小さく震えている。俺は、無意識に後ろから快斗を抱きしめた。
「ちょ、やめろよ!同情なんて・・」
「違う!同情なんかじゃない!」
快斗を抱きしめる腕に力がこもる。快斗は俺の腕を離そうとする。
「樹、勘違いするからやめて。これ以上惨めにさせないでよ。・・・俺はずっと頭の中で樹を犯してたんだから!」
その告白に、一瞬力が緩んだがすぐに抱きしめなおした。
「離して、樹」
「離したら快斗がいなくなる。・・・そんなの嫌だ」
「・・・ダメだよ。樹とはもう一緒にいれないよ」
「・・・俺も快斗と同じ妄想したって言ってもか?」
「えっ?!」
驚いて振り向いた快斗に、俺は触れるだけのキスをした。
「こ、この間初めてして、その・・・昨日は借りた本でした・・・」
快斗の顔が見れなくて目をそらして答えた。
「だ、だから快斗もしてるのか気になっ・・・!」
腕を引かれて、快斗に抱きしめられた。
「これ以上、煽らないで・・・」
「快斗・・・?」
そっと顔を上げたら、今にも泣きそうな快斗の顔がゆっくりと俺に近づく。
キスしそうな距離で快斗は止まった。
「知らなかったよね。俺、ずっと樹が好きなんだ」
「えっ・・・?」
息がかかる距離で、快斗から衝撃の事実が告げられた。
「俺はね、中学生の時に自分がゲイだって気付いたんだ。でも、誰にも言えない日々をBLの世界に入ることで何と世間と上手くいくように過ごしてた。普通の男がするオナニーも、もちろん男が相手だよ」
快斗は、俺の肩に頭を置いて自分の事を話し始めた。
俺は、快斗の話を黙って聞くしか出来なかった。
「高校の合格発表で樹を見かけた。・・・俺の妄想の中での理想の相手が現実にいるんだってびっくりして、一目で恋に落ちた。一目惚れだよ。それからは、樹を見るたびにドキドキして、少しでも見かけた日はすっごく嬉しくて・・・。同じクラスになれた時は眠れないくらい興奮したよ。本屋であったのは本当に偶然で、樹がノンケのBL好きってわかったからゲイってバレないようにしてた」
「・・!い、言ってくれれば!」
快斗が顔を上げて、俺の目を真っすぐに見る。
「違うんだよ樹。二次元と三次元は」
その言葉に、俺の心臓はドクンとなり、頭から血の気が引く感覚に襲われた。
「本当は、ずっと言わないつもりだった。樹に彼女が出来て、結婚して、子供が出来ても俺は我慢できると思ってた。するつもりだった。けど、今の俺はもう我慢できそうにないんだ。樹のそばにいれないよ。・・・今ならまだ大丈夫だから・・・」
そう言って、快斗は俺の身体から手を離し後ろを向いた。
「ほら、早く帰りなよ!」
「快斗・・・」
快斗の肩が小さく震えている。俺は、無意識に後ろから快斗を抱きしめた。
「ちょ、やめろよ!同情なんて・・」
「違う!同情なんかじゃない!」
快斗を抱きしめる腕に力がこもる。快斗は俺の腕を離そうとする。
「樹、勘違いするからやめて。これ以上惨めにさせないでよ。・・・俺はずっと頭の中で樹を犯してたんだから!」
その告白に、一瞬力が緩んだがすぐに抱きしめなおした。
「離して、樹」
「離したら快斗がいなくなる。・・・そんなの嫌だ」
「・・・ダメだよ。樹とはもう一緒にいれないよ」
「・・・俺も快斗と同じ妄想したって言ってもか?」
「えっ?!」
驚いて振り向いた快斗に、俺は触れるだけのキスをした。
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