40 / 43
38.ヤキモチ
しおりを挟む
新学期が始まった。
あの日から、みんなが寝静まってからこっそり俺の部屋にやってくる千尋。危ないって言っても、一緒にいたいからと言われると嬉しくてキツく言えなくなってしまう。毎日キスして、たまにちょっとエッチな事をしてるけど、学校でバレないかドキドキしてる。
「そういえば、悠希は何組?」
「俺は1組だよ」
「…めっちゃ遠い…」
「あ~…千尋7組なんだ」
「お昼は、一緒に食べるからね!」
「わかってるよ。ほら、職員室行かないと」
「また後でね、悠希」
ひらひらと手を振りながら別れると、急に視線が俺に集中してきた。ヤバいと思い、急いで教室に向かった。後ろで呼んでる声は、聞こえないフリをした。
教室に入ると、陸がこっちを見て笑っていた。
「おはよう、悠希。朝から大変そうだな」
「おはよう、陸。他人事だと思って…見てたなら助けろよな!陸だって知り合いなんだから」
「俺は名前しか知らないし!…てか、悠希何かいつもと違う…?」
「?!い、いつも通りだけど?」
「…そ?ま、いっか」
びっくりした~!俺、何か顔に出てたかな?!
始業式の為に講堂に移動すると、女子が騒いでいた。視線の先は、回りより少し頭の出た千尋だ。遠くからでも分かるほど、千尋の存在感はハンパない。
「間宮、初日なのにすごいな…」
「そうだな…」
千尋は、女子の視線を一斉に集めている。周りの男子から何か話し掛けられてるようで、少し困った様子が覗える。前の花火大会の時の様に、何だかモヤモヤする。
ホームルームも終わり、下校時刻になった。
「陸は今日も部活?」
「当たり前だろ~。大会近いし」
「そっか。頑張ってな!」
「おう!じゃあな~!」
陸は、いつも通り部活へと走って行った。今年も、応援に行かないとな。
7組もそろそろ終わった頃だろうと思い、下駄箱に向かうとものすごい人だかりが出来ていた。
「千尋君!LIME交換しようよ!」
「千尋君、誕生日教えて?」
「千尋君、今からみんなでご飯行かない?」
…女の子達が千尋に色々と話し掛けていた。その光景にムカムカしてきて、俺は靴を履き替えてさっさと自転車置き場に向かった。千尋が俺を呼んだような気がしたけど振り向かなかった。
千尋がモテるのはわかっているけど、目の当たりにすると気分の良いものではない。ヤキモチのうえに、八つ当たりだ…。帰ったらちゃんと千尋に謝ろう…。
はぁ、モテる恋人を持つ人はみんなこんな気持ちなのかな~…。
あの日から、みんなが寝静まってからこっそり俺の部屋にやってくる千尋。危ないって言っても、一緒にいたいからと言われると嬉しくてキツく言えなくなってしまう。毎日キスして、たまにちょっとエッチな事をしてるけど、学校でバレないかドキドキしてる。
「そういえば、悠希は何組?」
「俺は1組だよ」
「…めっちゃ遠い…」
「あ~…千尋7組なんだ」
「お昼は、一緒に食べるからね!」
「わかってるよ。ほら、職員室行かないと」
「また後でね、悠希」
ひらひらと手を振りながら別れると、急に視線が俺に集中してきた。ヤバいと思い、急いで教室に向かった。後ろで呼んでる声は、聞こえないフリをした。
教室に入ると、陸がこっちを見て笑っていた。
「おはよう、悠希。朝から大変そうだな」
「おはよう、陸。他人事だと思って…見てたなら助けろよな!陸だって知り合いなんだから」
「俺は名前しか知らないし!…てか、悠希何かいつもと違う…?」
「?!い、いつも通りだけど?」
「…そ?ま、いっか」
びっくりした~!俺、何か顔に出てたかな?!
始業式の為に講堂に移動すると、女子が騒いでいた。視線の先は、回りより少し頭の出た千尋だ。遠くからでも分かるほど、千尋の存在感はハンパない。
「間宮、初日なのにすごいな…」
「そうだな…」
千尋は、女子の視線を一斉に集めている。周りの男子から何か話し掛けられてるようで、少し困った様子が覗える。前の花火大会の時の様に、何だかモヤモヤする。
ホームルームも終わり、下校時刻になった。
「陸は今日も部活?」
「当たり前だろ~。大会近いし」
「そっか。頑張ってな!」
「おう!じゃあな~!」
陸は、いつも通り部活へと走って行った。今年も、応援に行かないとな。
7組もそろそろ終わった頃だろうと思い、下駄箱に向かうとものすごい人だかりが出来ていた。
「千尋君!LIME交換しようよ!」
「千尋君、誕生日教えて?」
「千尋君、今からみんなでご飯行かない?」
…女の子達が千尋に色々と話し掛けていた。その光景にムカムカしてきて、俺は靴を履き替えてさっさと自転車置き場に向かった。千尋が俺を呼んだような気がしたけど振り向かなかった。
千尋がモテるのはわかっているけど、目の当たりにすると気分の良いものではない。ヤキモチのうえに、八つ当たりだ…。帰ったらちゃんと千尋に謝ろう…。
はぁ、モテる恋人を持つ人はみんなこんな気持ちなのかな~…。
1
お気に入りに追加
105
あなたにおすすめの小説

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

騎士団で一目惚れをした話
菫野
BL
ずっと側にいてくれた美形の幼馴染×主人公
憧れの騎士団に見習いとして入団した主人公は、ある日出会った年上の騎士に一目惚れをしてしまうが妻子がいたようで爆速で失恋する。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる