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26.花火大会②

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「とりあえず、なんか食おうぜ」
「そうだね、お腹すいたし」
「悠希、何食べたい?」
「そうだな~…」

3人というのは、どうしても1人会話に加わりにくい。結局、集まったメンバーはこの3人。ようは一人者の集まりだ。みんないつの間に…!

「千尋は、食べたい物ある?」
「あ、たこ焼きかな」
「よし!じゃあまずはたこ焼きだな」

後ろを歩く千尋に声を掛けると、その後ろの女の子達に引きそうになった。そんなにアピールしても千尋は…って俺何考えてんだ?!無意識に首をブンブンと振る。

「ん?悠希どうした?」
「あ、虫がいて…」

俺、どうしたんだろ…。

その後も、色々食べたり遊んだりしてると打ち上げの時間になった。

「悠希、こっちに穴場があるんだ!」

陸に手を引かれ、穴場へと案内される。

「あれ?千尋は?」
「着いてきてると思ったけど、はぐれたかな?」
「連絡してみるよ」

スマホを取り出したら、ドーンという大きな音で花火が打ち上がった。大輪の花が咲いたように夜空が彩られ、その綺麗さに目が奪われた。

「すっげー…」
「うん、綺麗だね」

次々に上がる花火に魅入っていると、千尋から着信がきた。しまった!忘れてた!

「もしもし!」
「悠希?!今どこ?!」
「えっと…」

場所の説明をすると、スマホを片手に握って、息を切らした千尋が5分程で現れた。

「ハァ、ハァ…見つけた…」
「ごめん千尋。てっきり後ろから着いてきてると思って…」
「いや、悠希を見失った俺の失態だ。(くそっ!あんな女達にに邪魔されるなんて…)」
「千尋、よかったら飲む?」
「ああ、ありがとう」

千尋はペットボトルのお茶を受け取ると、ゴクンと一口飲んで口を拭った。よく見ると、夜浴衣の前が少しはだけていて、引き締まった身体に汗が流れていた。それがなんだか色っぽくて、俺は目を逸らした。

「間宮、何かあったのか?」
「あ?ああ、たいしたことじゃないよ」

何か誤魔化してる?帰り道にでも聞いて見ようかな~。

「悠希、花火見ないと終わっちゃうぜ!」
「う、うん。そうだね!」

改めて、3人で並んで花火を見る。

「綺麗だね~!」
「そうだね」
「そうだな」

キラキラした花火を夢中で見てると、千尋の右手が左手に触れた。

「ご、ごめん…」
「う、うん」

俺、今日何かおかしいかも…。



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