22 / 43
21.日常に戻る
しおりを挟む
「悠希~和希~、行ってくるわね~!」
「お母さん、いってらっしゃ~い」
いつも通りの朝が来た。昨日は、家に入ると緊張の糸が切れたのかそのまま寝てしまった。
「シャワー浴びよ…」
ノロノロとベッドから降りて、着替えを持ってお風呂場に行く。
シャワーを浴びながら昨日の事を思い出し、唇に指を当てた。千尋にお願いされたからって、自分からキスするとは思わなかった。何度もされたのに、今日は千尋の唇の感触を覚えている。
「…って、何考えてんだ俺」
お湯を水に切り替えて、頭を冷やすようにシャワーを浴びた。
頭を拭きながらリビングに行くと、和希が出掛けるところだった。
「今日はどこ行くんだ?」
「今日は、みんなで遊園地行くんだ!」
「ふ~ん。気をつけてな」
「うん!行ってきま~す!」
弟ながら、めちゃくちゃ夏休み満喫してるな…。
今日はバイトも休みだし、ダラダラしようと決めた俺は、さっそくソファに寝そべりテレビをつけた。
「流石に平日の朝は面白いの無いな~」
リモコンで選局してると、陸から着信が来た。
「もしもし、珍しいな。どうした~?」
「悠希今日ひま?」
「ああ、バイト無いからひまだけど?」
「なら、プール行かね?」
「部活は?」
「急に休みになってさ~せっかくだから悠希と遊ぼうかと思って」
「良いよ、どこ行けばいい?」
「公園プールでいい?あそこデカいし」
「いいね。あそこ屋根付いてるし」
「じゃ、11時に入り口な」
「ああ、また後でな」
陸と花火大会以外で遊べるとは思わなかったので、ちょっと嬉しかった。
「よし、支度して出掛けるか」
テレビを消して部屋に行き、クローゼットから水着やタオルを取り出し袋に詰めて、部屋着から服に着替えて準備完了。
「ちょっと早いけど、自転車だし行くか」
玄関から出ると、千尋も玄関から出てきた。
「おはよう悠希。どこか行くの?」
「おはよう千尋。うん、陸から部活が休みになったから、プール行かないかって誘われて今から行くとこ」
「そうなんだ。気をつけてね」
「あ~…よかったら千尋も行く?」
「えっ?!あ、今日はちょっと用事があるから…」
「あ、急だったよな、ごめん。千尋も今度行こうな!じゃ」
「あ、うん!行こうね!」
なんだ、普通に話せるじゃん。顔見た瞬間ちょっと戸惑ったけど、この調子なら大丈夫だと、俺は軽い足取りでこの場を後にした。千尋の視線も気にせずに―――――
「お母さん、いってらっしゃ~い」
いつも通りの朝が来た。昨日は、家に入ると緊張の糸が切れたのかそのまま寝てしまった。
「シャワー浴びよ…」
ノロノロとベッドから降りて、着替えを持ってお風呂場に行く。
シャワーを浴びながら昨日の事を思い出し、唇に指を当てた。千尋にお願いされたからって、自分からキスするとは思わなかった。何度もされたのに、今日は千尋の唇の感触を覚えている。
「…って、何考えてんだ俺」
お湯を水に切り替えて、頭を冷やすようにシャワーを浴びた。
頭を拭きながらリビングに行くと、和希が出掛けるところだった。
「今日はどこ行くんだ?」
「今日は、みんなで遊園地行くんだ!」
「ふ~ん。気をつけてな」
「うん!行ってきま~す!」
弟ながら、めちゃくちゃ夏休み満喫してるな…。
今日はバイトも休みだし、ダラダラしようと決めた俺は、さっそくソファに寝そべりテレビをつけた。
「流石に平日の朝は面白いの無いな~」
リモコンで選局してると、陸から着信が来た。
「もしもし、珍しいな。どうした~?」
「悠希今日ひま?」
「ああ、バイト無いからひまだけど?」
「なら、プール行かね?」
「部活は?」
「急に休みになってさ~せっかくだから悠希と遊ぼうかと思って」
「良いよ、どこ行けばいい?」
「公園プールでいい?あそこデカいし」
「いいね。あそこ屋根付いてるし」
「じゃ、11時に入り口な」
「ああ、また後でな」
陸と花火大会以外で遊べるとは思わなかったので、ちょっと嬉しかった。
「よし、支度して出掛けるか」
テレビを消して部屋に行き、クローゼットから水着やタオルを取り出し袋に詰めて、部屋着から服に着替えて準備完了。
「ちょっと早いけど、自転車だし行くか」
玄関から出ると、千尋も玄関から出てきた。
「おはよう悠希。どこか行くの?」
「おはよう千尋。うん、陸から部活が休みになったから、プール行かないかって誘われて今から行くとこ」
「そうなんだ。気をつけてね」
「あ~…よかったら千尋も行く?」
「えっ?!あ、今日はちょっと用事があるから…」
「あ、急だったよな、ごめん。千尋も今度行こうな!じゃ」
「あ、うん!行こうね!」
なんだ、普通に話せるじゃん。顔見た瞬間ちょっと戸惑ったけど、この調子なら大丈夫だと、俺は軽い足取りでこの場を後にした。千尋の視線も気にせずに―――――
3
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
「短冊に秘めた願い事」
悠里
BL
何年も片思いしてきた幼馴染が、昨日可愛い女の子に告白されて、七夕の今日、多分、初デート中。
落ち込みながら空を見上げて、彦星と織姫をちょっと想像。
……いいなあ、一年に一日でも、好きな人と、恋人になれるなら。
残りの日はずっと、その一日を楽しみに生きるのに。
なんて思っていたら、片思いの相手が突然訪ねてきた。
あれ? デート中じゃないの?
高校生同士の可愛い七夕🎋話です(*'ω'*)♡
本編は4ページで完結。
その後、おまけの番外編があります♡
異世界ぼっち暮らし(神様と一緒!!)
藤雪たすく
BL
愛してくれない家族から旅立ち、希望に満ちた一人暮らしが始まるはずが……異世界で一人暮らしが始まった!?
手違いで人の命を巻き込む神様なんて信じません!!俺が信じる神様はこの世にただ一人……俺の推しは神様です!!
愛しのお姉様(悪役令嬢)を守る為、ぽっちゃり双子は暗躍する
清澄 セイ
ファンタジー
エトワナ公爵家に生を受けたぽっちゃり双子のケイティベルとルシフォードは、八つ歳の離れた姉・リリアンナのことが大嫌い、というよりも怖くて仕方がなかった。悪役令嬢と言われ、両親からも周囲からも愛情をもらえず、彼女は常にひとりぼっち。溢れんばかりの愛情に包まれて育った双子とは、天と地の差があった。
たった十歳でその生を終えることとなった二人は、死の直前リリアンナが自分達を助けようと命を投げ出した瞬間を目にする。
神の気まぐれにより時を逆行した二人は、今度は姉を好きになり協力して三人で生き残ろうと決意する。
悪役令嬢で嫌われ者のリリアンナを人気者にすべく、愛らしいぽっちゃりボディを武器に、二人で力を合わせて暗躍するのだった。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?
桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。
前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。
ほんの少しの間お付き合い下さい。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる