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11.何故こうなった
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「今日から働く事になった間宮です。よろしくお願いします」
俺の目の前に、一緒の制服を着た千尋が立っている――――
~遡る事3時間前~
「千尋、離して・・・」
「やだ」
リビングからまたしても俺を抱きかかえ、強引に俺の部屋に連れていく千尋。そのままベッドに腰掛、俺を膝の上に乗せたまま抱きしめている。キスはしてこないが、念のため口は手で隠している。
「バイトって何してるの?」
「近所のコンビニだけど・・・」
「時間は?」
「普段は学校終わりだけど、夏休みだから昼間も入れてる」
「ふ~ん・・・」
話しながら千尋は、腰に回した腕に力を入れてギュウギュウと密着してくる。更に、頬をくっつけてきて話すから、至近距離のイケメン・イケボは同じ男でも心臓に悪い。
「そこに、ハル君の仲の良い人とかいるの?」
「あ~とりあえずバイト仲間ってだけだから特別仲が良いとかは無いかな~。普通には喋るけど」
「ふ~ん」
さっきから何が言いたいんだ?なんか、浮気の尋問されてる気分だ。恋人では断じて無いが。
「・・・もする」
「は?」
「俺もそこでバイトする」
「はぁ?いや、急だろ?!てか、今募集してないし!」
「聞いてみないとわかんないだろ?後で一緒に行くから」
ま、待ってくれ!俺の逃げ道が塞がれてしまう!!
顔面蒼白の俺とは真逆に、千尋は鼻歌交じりで俺の首筋に顔をグリグリと擦り付けている。
時間になり、本当に千尋はバイト先に付いてきた。一緒に歩いていると、すれ違う人の視線が千尋に集中しているのがわかる。
(黙ってると、普通にイケメンだもんな~・・・)
一応表から入り、パートのおばちゃんに声を掛ける。
「お疲れ様です、林さん。今日って店長来てます?」
「あら、おはよう浅倉君。裏に居てるわよ。って、お友達?ま~イケメンね~!」
「まぁ・・。バイトしたいらしくてとりあえず連れて来たんですけど・・・」
「あら、そうなの?今って募集してないけど・・・」
「一応聞いてみます。じゃ、後で」
そう言って、千尋を連れてバックヤードに入った。通路の奥の事務所の扉を開けると、机でスマホを弄ってる店長がいた。
「店長、今良いですか~?」
「おう、悠希。早いな。ん?隣のイケメンは?」
店長こと、飯島 諒さん(24歳)は、オーナーの息子さんだ。入店時から良くしてもらっている。
「俺の幼馴染なんですけど、ここでバイトしたいって言うんで連れて来たんですが・・・無理ですよね?」
「ん~客増えそうだし良いんじゃない?名前は?」
「間宮 千尋です」
「間宮君ね~いつからいける?」
「悠希と一緒なら今からでも」
「ふ~ん、悠希とねぇ~・・・。ま、良いでしょ。慣れるまで悠希とおんなじシフトで調整するよ」
「ありがとうございます」
「んじゃ、契約書のサインとかあるからちょっと待ってて。悠希は表な~」
「あ、はい」
俺は事務所を出て、ロッカールームへと向かい、制服に着替えた。
しかし、採用基準軽くないか?それに、一瞬店長の目が鋭くなったような気がしたけど、気のせいかな?
千尋が採用になってしまったせいで、安息の場所が無くなった俺は、深いため息をついてロッカールームを出た。
俺の目の前に、一緒の制服を着た千尋が立っている――――
~遡る事3時間前~
「千尋、離して・・・」
「やだ」
リビングからまたしても俺を抱きかかえ、強引に俺の部屋に連れていく千尋。そのままベッドに腰掛、俺を膝の上に乗せたまま抱きしめている。キスはしてこないが、念のため口は手で隠している。
「バイトって何してるの?」
「近所のコンビニだけど・・・」
「時間は?」
「普段は学校終わりだけど、夏休みだから昼間も入れてる」
「ふ~ん・・・」
話しながら千尋は、腰に回した腕に力を入れてギュウギュウと密着してくる。更に、頬をくっつけてきて話すから、至近距離のイケメン・イケボは同じ男でも心臓に悪い。
「そこに、ハル君の仲の良い人とかいるの?」
「あ~とりあえずバイト仲間ってだけだから特別仲が良いとかは無いかな~。普通には喋るけど」
「ふ~ん」
さっきから何が言いたいんだ?なんか、浮気の尋問されてる気分だ。恋人では断じて無いが。
「・・・もする」
「は?」
「俺もそこでバイトする」
「はぁ?いや、急だろ?!てか、今募集してないし!」
「聞いてみないとわかんないだろ?後で一緒に行くから」
ま、待ってくれ!俺の逃げ道が塞がれてしまう!!
顔面蒼白の俺とは真逆に、千尋は鼻歌交じりで俺の首筋に顔をグリグリと擦り付けている。
時間になり、本当に千尋はバイト先に付いてきた。一緒に歩いていると、すれ違う人の視線が千尋に集中しているのがわかる。
(黙ってると、普通にイケメンだもんな~・・・)
一応表から入り、パートのおばちゃんに声を掛ける。
「お疲れ様です、林さん。今日って店長来てます?」
「あら、おはよう浅倉君。裏に居てるわよ。って、お友達?ま~イケメンね~!」
「まぁ・・。バイトしたいらしくてとりあえず連れて来たんですけど・・・」
「あら、そうなの?今って募集してないけど・・・」
「一応聞いてみます。じゃ、後で」
そう言って、千尋を連れてバックヤードに入った。通路の奥の事務所の扉を開けると、机でスマホを弄ってる店長がいた。
「店長、今良いですか~?」
「おう、悠希。早いな。ん?隣のイケメンは?」
店長こと、飯島 諒さん(24歳)は、オーナーの息子さんだ。入店時から良くしてもらっている。
「俺の幼馴染なんですけど、ここでバイトしたいって言うんで連れて来たんですが・・・無理ですよね?」
「ん~客増えそうだし良いんじゃない?名前は?」
「間宮 千尋です」
「間宮君ね~いつからいける?」
「悠希と一緒なら今からでも」
「ふ~ん、悠希とねぇ~・・・。ま、良いでしょ。慣れるまで悠希とおんなじシフトで調整するよ」
「ありがとうございます」
「んじゃ、契約書のサインとかあるからちょっと待ってて。悠希は表な~」
「あ、はい」
俺は事務所を出て、ロッカールームへと向かい、制服に着替えた。
しかし、採用基準軽くないか?それに、一瞬店長の目が鋭くなったような気がしたけど、気のせいかな?
千尋が採用になってしまったせいで、安息の場所が無くなった俺は、深いため息をついてロッカールームを出た。
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