5 / 43
5.幼馴染として
しおりを挟む
ダラダラと内心に冷や汗をかきながら、俺は言葉を探していた。
「あ、俺が男だからってプロポーズの取り消しは受け付けないよ」
「えっ?それは・・・」
「プロポーズしてきたのはハル君だよ?」
「そうだけど、あの頃は女の子と思ってたし・・・」
「大丈夫!俺は、男でも女でもハル君が好きだから問題なし!」
・・・だめだ、話が通じない・・・。
「ハル君がこんなに可愛くなっててくれて嬉しい。あの頃、俺の方が小さかったから引っ越してから鍛えたんだ~」
そう言って、チヒロ君は俺を抱きしめ、また耳元で囁いた。
「心配しなくても、ハル君のプロポーズは誰も知らないよ。・・・でも、ハル君に冷たくされたら、いつ口が滑っちゃうかわかんないな~」
「えっ?!ちょ、まってよ!!」
「どうしよっかな~」
俺はさらに葛藤した。このままチヒロ君に従った方が良いのか?それとも、いっそのこと暴露されて笑われた方が良いのか?悩んでいると、耳をペロッと舐められた。
「ひゃっ!」
「ねぇ、俺の事嫌い?」
「嫌いって言うか、好きだった女の子が男だったわけで、そのどうしていいかわからなくて・・・」
「ふ~。まぁ、そうだよね。仕方ないから表向きは普通の幼馴染から始めてあげるよ。それなら良い?」
コクコクと俺は頷いた。良かった。一先ず俺の黒歴史は守られた。
お互い立ち上がり顔を見合わせる。
「じゃ、これからよろしくね、悠希」
「うん、ち、チヒロ君」
「やだな~そこはチヒロって呼び捨てにしないと」
「わ、わかったよ。チヒロ・・」
「良くで来ました~。じゃ、また後でね~」
言いながら、またチュッと軽くキスをしてチヒロは部屋から出ていった。
俺は、またその場に座り込み顔を真っ赤にした。
(普通の幼馴染って言ったよな?キスは普通じゃないよな?いきなり約束が違うくないか?)
そう思っていると、チヒロの言葉が頭に引っ掛かった。
―――表向きは普通の幼馴染―――
幼馴染という言葉で気が付かなった。俺は頷いたことをひどく後悔した。
「あ、俺が男だからってプロポーズの取り消しは受け付けないよ」
「えっ?それは・・・」
「プロポーズしてきたのはハル君だよ?」
「そうだけど、あの頃は女の子と思ってたし・・・」
「大丈夫!俺は、男でも女でもハル君が好きだから問題なし!」
・・・だめだ、話が通じない・・・。
「ハル君がこんなに可愛くなっててくれて嬉しい。あの頃、俺の方が小さかったから引っ越してから鍛えたんだ~」
そう言って、チヒロ君は俺を抱きしめ、また耳元で囁いた。
「心配しなくても、ハル君のプロポーズは誰も知らないよ。・・・でも、ハル君に冷たくされたら、いつ口が滑っちゃうかわかんないな~」
「えっ?!ちょ、まってよ!!」
「どうしよっかな~」
俺はさらに葛藤した。このままチヒロ君に従った方が良いのか?それとも、いっそのこと暴露されて笑われた方が良いのか?悩んでいると、耳をペロッと舐められた。
「ひゃっ!」
「ねぇ、俺の事嫌い?」
「嫌いって言うか、好きだった女の子が男だったわけで、そのどうしていいかわからなくて・・・」
「ふ~。まぁ、そうだよね。仕方ないから表向きは普通の幼馴染から始めてあげるよ。それなら良い?」
コクコクと俺は頷いた。良かった。一先ず俺の黒歴史は守られた。
お互い立ち上がり顔を見合わせる。
「じゃ、これからよろしくね、悠希」
「うん、ち、チヒロ君」
「やだな~そこはチヒロって呼び捨てにしないと」
「わ、わかったよ。チヒロ・・」
「良くで来ました~。じゃ、また後でね~」
言いながら、またチュッと軽くキスをしてチヒロは部屋から出ていった。
俺は、またその場に座り込み顔を真っ赤にした。
(普通の幼馴染って言ったよな?キスは普通じゃないよな?いきなり約束が違うくないか?)
そう思っていると、チヒロの言葉が頭に引っ掛かった。
―――表向きは普通の幼馴染―――
幼馴染という言葉で気が付かなった。俺は頷いたことをひどく後悔した。
5
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き
toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった!
※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。
pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/100148872
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる