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4.チヒロちゃん=チヒロ君??

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「ハル君の部屋入っていい?」
「・・散らかってるけど・・・」

初対面(?)だが、なぜか断れずに俺の部屋に行く。

「やっぱあの頃と違って高校生の部屋だね」

俺がドアの前で立ち尽くしていると、チヒロ君は俺の前に来てそっとドアを閉め、俺の耳元で囁いた。

「チヒロちゃん、おおきくなったらケッコンしようね」
「えっ?!」

なんで知ってるんだ?俺は嫌な予感がして、じんわりと手に汗が滲んできていた。

「うん。まっててねってことで、迎えに来たよハル君」

チュッと俺の口に柔らかいものが触れた。

―――今、何が起きた?―――

思考が停止していると、もう一度唇に触れた。

「うわぁ!!」
「ひどいな~感動の再会なのに~」

びっくりしてしゃがみ込むと、目の前のイケメンもしゃがみ込み俺の顔を覗き込む。とっさに口を手で隠し狼狽えていると、傷ついたような顔をした。

「あ、ごめ・・・」

口元を覆っていた手を下ろして謝ると、両手首を掴まれ再度唇を塞がれた。唇を舐めるようなキスから次第に歯列をなぞられ口の中に舌が入ってきた。

「ん~ん~!」

抵抗するが全く相手は動かない。息が出来なくて、脚をジタバタさせるとようやくキスから解放された。

「ぷはっ!・・・何するんだよ!」

突然のことに俺は涙目で訴える。

「何って、キス」
「じゃなくて!俺男だぞ?!」
「そんなの知ってるよ。でも、5歳の時にプロポーズしてきたのはハル君だよ。俺の事、と勘違いしてね」
「えっ?」
「まぁ、あの頃はよく間違えられてたからね~。名前も”チヒロ”だし、間違えてても仕方ないと思うよ」
「いや、でも、もう高校生だし・・・小さい頃の話だろ?」
「俺もハル君好きだったからプロポーズ受けたんじゃん。だから、ちゃんとって言ったでしょ。思ったよりも早く迎えに来れて良かった~」

何を言ってるんだ?俺が男で、チヒロちゃんも男ならプロポーズは成立しないんじゃないのか?そもそも、チヒロちゃんはチヒロ君であってチヒロちゃんではなくて・・・・・あ~!!もう!!結局俺はおバカにも男にプロポーズしたって事か?!みんな、チヒロ”ちゃん”って呼んでたら女の子だって思うじゃん!誰か教えてくれてもよくない?それより、プロポーズ取り消さないと!!

「あ、あのさぁ・・・」
「なあに?ハル君」

ニコニコと俺を見るイケメンに、”なかったことに”なんて、俺は言えるのだろうか・・・。

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