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END④那都と風悠
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「…僕、なっ君とふう君のどっちかなんて選べない…」
「歩…君…」
「それって…」
「ご、ごめん!変な事言ってるのは分かってるんだけど、僕、なっ君もふう君も大好きで、どちらかがいなくなるなんて考えらえなくて…。恋愛って、二人じゃなきゃダメ?三人ておかしい?」
二人の服の裾を掴んだまま、僕はとんでもないことを話している。
―― 三人で恋愛がしたい ――
こんな提案、受け入れてもらえるわけがない。その時は…。
「なんで?三人で良くない?」
「うん。歩君は一人だから分けれないし」
「へっ…?」
自分で言ったのに、二人の返答に変な声が出てしまった。
「そ、その…いいの?」
「むしろ、俺達を選んでくれてありがとう」
「うん。二人だからみんなの倍、歩君を幸せにするからね」
「なっ君…ふう君…」
僕の方に向き直った二人に優しく抱きしめられる。
「歩君、好きだよ」
「俺も、好きだよ」
「うん…僕も…二人が好き」
すりっと、二人の髪の毛が僕の頬をくすぐる。まだ肌寒い春の夜。二人の体温が僕の体と心を温める。
「歩君、寒くない?」
「部屋に戻ろっか」
「…そうだね」
二人の体が離れる事に少し寂しさを感じていると、急に僕の体が浮きあがった。
「えっ?!」
目の前になっ君の顔。僕は、なっ君にお姫様抱っこをされていた。
「ちょ…な、なっ君!」
抱っこされたのと、なっ君の顔が近すぎて恥ずかしくなり、なっ君の胸元をポカポカと叩いた。
「歩君、そんな可愛い事しないで。…抑えきれなくなるから」
「か、カワイイって…!」
耳元で囁かれ、僕の心臓はさらにギュっと締め付けられた。抵抗をやめた僕はそのまま寝室へと運ばれた。
ゆっくりとベッドの真ん中に降ろされると、僕を挟むように二人もベッドに乗ってきた。
「「昔みたいに一緒に寝たいな…」」
「い、一緒にって…」
「「…ダメ?」」
ず、ずるいよ!なっ君!ふう君!両サイドから耳元でそんな甘い声で強請るなんて!!それに指にぎにぎしないで!!さっきから背中がゾワゾワして変な気分なんだから…!!
「「…歩」」
「…っ!!」
不意に呼捨てで呼ばれ、体がビクッとした所で…
「那都~、風悠~、そこまで~!」
扉を開けて入ってきたのは類君だった。
「「…邪魔」」
「いやいや、邪魔しないとお前達、歩に何するか…」
圭君も続けて入ってきた。
「「恋人として普通の事」」
「…歩にとっては違うと思うが…」
一君も続けて入ってきた。え?なんでみんな起きてるの?て、なっ君とふう君 ”恋人” ってさらっと言ってるけど、言っちゃって良いの?!まって!めっちゃ恥ずかしいんですけど!!
扉の側に立つ三人を見ながら、僕の顔は今までよりも熱くなっていくのがわかる。おそらく、すごく真っ赤になっていることだろう…。
「歩、驚かせてごめんね。その…歩が那都と風悠の事好きなの、うすうす気づいてたんだ…」
え?!僕の気持ちバレてたの?!
「それで、歩が告った後、こいつらが暴走しないか見張ってたんだ…」
それって、ずっと見てたって事?!
「まぁ、思った通りなわけなんだけど…」
ん?暴走何てしてたっけ?抱っこされたのと、昔みたいに一緒に寝ていいか聞かれただけなんだけど…?
「暴走何てしてないよ。昔みたいに一緒に寝ていいって聞いてただけ」
「昔は並んで寝てたもんね、歩君」
「うん。良く僕の布団に入って寝ちゃってたよね」
そういえば、あの時も僕の手を握って眠ってたっけ。思い出して一人ほっこりしてると、類君達が溜息をついた。
「歩のそういうとこ、いい意味で最強だな」
「まぁ、俺ら的には安心だけど…」
「恋人時には複雑だな…」
良くわからないけど、何となく褒められてないような…。
「歩君、そのままでいて欲しいけど…」
「いつかは俺達色に染まってね」
「…?よくわかんないけど、うん!」
「「「あ…」」」
「「よし、言質ゲット!!」」
「あ~…歩、何か困ったことがあればいつでも話聞くからな」
「たとえそれが…であっても…」
「…その相談、答えれるのか?」
「「う…辛いかも…」」
「大丈夫。歩君とゆっくり恋愛していくから心配しないで」
「そうそう。ゆっくり染めていくから」
二人の言葉に、類君達は更に溜息をついている。恋愛初心者の僕にはよく分かんなけど、ゆっくり恋愛してくれるって言ってるし、僕的には良いと思うんだけど…。
「はぁ…とりあえず、歩を泣かせたら分かってるだろうな?」
「分かってる。そこだけは、絶対に泣かせないって約束する」
「歩、嫌な事はちゃんと嫌って言うんだぞ?」
「う、うん?」
「那都、風悠。暴走するなよ」
「一君まで、ひどい」
「高校生の間はちゃんと自重するよ」
「「「はぁ?!」」」
呆れたような声を出して、類君達はなっ君とふう君を引きずるように部屋から連れ出した。ドアの外で何か話してるみたいだけど、内容までは聞き取れなかった。
三人で恋愛なんてまだ不安だけど、僕達なら上手く出来ような気がする。類君達の気持ちには答えられなくて申し訳ない気持ちもあるけど、幼馴染として一緒にいられるみたいで良かった。
話が終わったのか、ドアがカチャっと開き、なっ君とふう君が顔を出した。
「「歩君、お休み」」
「お休み、那都、風悠」
「「…っ!!」」
不意打ちで名前を呼んでみたら、二人の顔が真っ赤になってバタンと扉が閉まった。
ふふ、成功!
僕の方が年上なんだから、少しくらいは、ね。
那都、風悠。ずっと手を取って歩んで行こうね!
END
……あれ?結局どれも逆ハーになってない???
※※※※
これにて完結です。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
皆様からのいいねとエールも励みになりました。
R18ではない作品を初めて書きましたが、思ったよりも難しかったです…。
リクエストがあればR18版も書きたいなと思いますが、
まぁ、ないですよねwww
新作は只今書き溜め中です。こんな私の作品ですが、また読んでいただければ嬉しいです。
ありがとうございました。
syouki
「歩…君…」
「それって…」
「ご、ごめん!変な事言ってるのは分かってるんだけど、僕、なっ君もふう君も大好きで、どちらかがいなくなるなんて考えらえなくて…。恋愛って、二人じゃなきゃダメ?三人ておかしい?」
二人の服の裾を掴んだまま、僕はとんでもないことを話している。
―― 三人で恋愛がしたい ――
こんな提案、受け入れてもらえるわけがない。その時は…。
「なんで?三人で良くない?」
「うん。歩君は一人だから分けれないし」
「へっ…?」
自分で言ったのに、二人の返答に変な声が出てしまった。
「そ、その…いいの?」
「むしろ、俺達を選んでくれてありがとう」
「うん。二人だからみんなの倍、歩君を幸せにするからね」
「なっ君…ふう君…」
僕の方に向き直った二人に優しく抱きしめられる。
「歩君、好きだよ」
「俺も、好きだよ」
「うん…僕も…二人が好き」
すりっと、二人の髪の毛が僕の頬をくすぐる。まだ肌寒い春の夜。二人の体温が僕の体と心を温める。
「歩君、寒くない?」
「部屋に戻ろっか」
「…そうだね」
二人の体が離れる事に少し寂しさを感じていると、急に僕の体が浮きあがった。
「えっ?!」
目の前になっ君の顔。僕は、なっ君にお姫様抱っこをされていた。
「ちょ…な、なっ君!」
抱っこされたのと、なっ君の顔が近すぎて恥ずかしくなり、なっ君の胸元をポカポカと叩いた。
「歩君、そんな可愛い事しないで。…抑えきれなくなるから」
「か、カワイイって…!」
耳元で囁かれ、僕の心臓はさらにギュっと締め付けられた。抵抗をやめた僕はそのまま寝室へと運ばれた。
ゆっくりとベッドの真ん中に降ろされると、僕を挟むように二人もベッドに乗ってきた。
「「昔みたいに一緒に寝たいな…」」
「い、一緒にって…」
「「…ダメ?」」
ず、ずるいよ!なっ君!ふう君!両サイドから耳元でそんな甘い声で強請るなんて!!それに指にぎにぎしないで!!さっきから背中がゾワゾワして変な気分なんだから…!!
「「…歩」」
「…っ!!」
不意に呼捨てで呼ばれ、体がビクッとした所で…
「那都~、風悠~、そこまで~!」
扉を開けて入ってきたのは類君だった。
「「…邪魔」」
「いやいや、邪魔しないとお前達、歩に何するか…」
圭君も続けて入ってきた。
「「恋人として普通の事」」
「…歩にとっては違うと思うが…」
一君も続けて入ってきた。え?なんでみんな起きてるの?て、なっ君とふう君 ”恋人” ってさらっと言ってるけど、言っちゃって良いの?!まって!めっちゃ恥ずかしいんですけど!!
扉の側に立つ三人を見ながら、僕の顔は今までよりも熱くなっていくのがわかる。おそらく、すごく真っ赤になっていることだろう…。
「歩、驚かせてごめんね。その…歩が那都と風悠の事好きなの、うすうす気づいてたんだ…」
え?!僕の気持ちバレてたの?!
「それで、歩が告った後、こいつらが暴走しないか見張ってたんだ…」
それって、ずっと見てたって事?!
「まぁ、思った通りなわけなんだけど…」
ん?暴走何てしてたっけ?抱っこされたのと、昔みたいに一緒に寝ていいか聞かれただけなんだけど…?
「暴走何てしてないよ。昔みたいに一緒に寝ていいって聞いてただけ」
「昔は並んで寝てたもんね、歩君」
「うん。良く僕の布団に入って寝ちゃってたよね」
そういえば、あの時も僕の手を握って眠ってたっけ。思い出して一人ほっこりしてると、類君達が溜息をついた。
「歩のそういうとこ、いい意味で最強だな」
「まぁ、俺ら的には安心だけど…」
「恋人時には複雑だな…」
良くわからないけど、何となく褒められてないような…。
「歩君、そのままでいて欲しいけど…」
「いつかは俺達色に染まってね」
「…?よくわかんないけど、うん!」
「「「あ…」」」
「「よし、言質ゲット!!」」
「あ~…歩、何か困ったことがあればいつでも話聞くからな」
「たとえそれが…であっても…」
「…その相談、答えれるのか?」
「「う…辛いかも…」」
「大丈夫。歩君とゆっくり恋愛していくから心配しないで」
「そうそう。ゆっくり染めていくから」
二人の言葉に、類君達は更に溜息をついている。恋愛初心者の僕にはよく分かんなけど、ゆっくり恋愛してくれるって言ってるし、僕的には良いと思うんだけど…。
「はぁ…とりあえず、歩を泣かせたら分かってるだろうな?」
「分かってる。そこだけは、絶対に泣かせないって約束する」
「歩、嫌な事はちゃんと嫌って言うんだぞ?」
「う、うん?」
「那都、風悠。暴走するなよ」
「一君まで、ひどい」
「高校生の間はちゃんと自重するよ」
「「「はぁ?!」」」
呆れたような声を出して、類君達はなっ君とふう君を引きずるように部屋から連れ出した。ドアの外で何か話してるみたいだけど、内容までは聞き取れなかった。
三人で恋愛なんてまだ不安だけど、僕達なら上手く出来ような気がする。類君達の気持ちには答えられなくて申し訳ない気持ちもあるけど、幼馴染として一緒にいられるみたいで良かった。
話が終わったのか、ドアがカチャっと開き、なっ君とふう君が顔を出した。
「「歩君、お休み」」
「お休み、那都、風悠」
「「…っ!!」」
不意打ちで名前を呼んでみたら、二人の顔が真っ赤になってバタンと扉が閉まった。
ふふ、成功!
僕の方が年上なんだから、少しくらいは、ね。
那都、風悠。ずっと手を取って歩んで行こうね!
END
……あれ?結局どれも逆ハーになってない???
※※※※
これにて完結です。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
皆様からのいいねとエールも励みになりました。
R18ではない作品を初めて書きましたが、思ったよりも難しかったです…。
リクエストがあればR18版も書きたいなと思いますが、
まぁ、ないですよねwww
新作は只今書き溜め中です。こんな私の作品ですが、また読んでいただければ嬉しいです。
ありがとうございました。
syouki
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