45 / 56
43.家族
しおりを挟む
お食事会というか、顔合わせのようなパーティーも無事に終わり、僕と母さんは家に帰ってきた。
「はぁ~…楽しかったけど、ちょっと疲れちゃった…」
「まぁ、慣れないパーティーだったしね…。はい、お茶」
「ありがと。…う~ん、やっぱりお茶は落ち着くね~」
「ふふ。ほんと、歩は父さんにそっくりだわ」
「そうなの?」
「そうよ~ジジ臭いとこそっくり!」
「ジ、ジジ臭いって…」
父さん、そんなにジジ臭かったかなぁ…。僕の思い出の中ではそんな雰囲気無かったんだけど…。
「お父さん、歩の前ではカッコイイお父さんを演じてたのよ。歩が寝ると、緑茶飲みながら一息ついてたのよ」
クスクスと思い出し笑いをする母さん。今迄、僕の前で父さんの話をすることは無かった。
「ねえ、父さんの話、もっと聞かせてよ」
「そうね…」
そう言って母さんは、父さんの話を聞かせてくれた。…まぁ、半分は惚気だったんだけど…。
小さかった僕が知らなかったこと。それは、僕の両親とみんなの両親が親友だという事。一般家庭の両親が、ハイスペックなみんなの両親と親友なのかは謎に思ったけど、そこは父さんの人柄らしい。それと、父さんはすごいトレーダーだったらしく、株でひと財産を築いたらしい。その一つがこのマンション。後は秘密って言われた…。そんな父さんと母さんはみんなに祝福され結婚をして僕を授かった。そんな二人から生まれた僕は、みんなから愛されて育ったそうだ。それは、みんなの子供たちからもだったみたいで、その頃から母さんは何かを察知していたらしい。いや、まだ保育園児だよね…。
そんな日々の中、父さんが急に亡くなり僕は記憶を失ってしまう。ほんと、母さんには迷惑かけたよね…。なんて言ったら、”歩が父さんを失って辛い日々を送らなくて良かった”と、僕の事を気遣ってくれた。前世と今を合わせたら母さんより年上な僕。”今度は母さんを僕が守るね”と言ったら、笑いながら泣かれてしまった。…ちゃんと母さんを守るからね父さん。
そろそろ寝ようかと、コップを片付けようとした時、母さんがぶっこんできた。
「で、歩は5人の中で誰が好きなの?」
「はぁ?!」
「内緒にしとくから母さんには教えてよ~」
「み、みんなの事は友達としか思ってないよ!」
「そうなの~?でも、この先はわからないじゃない?その時はちゃんと教えてよ!じゃ、お休み~」
「…お休み」
ついこの間幼馴染って分ったばっかりなのに、いきなに恋愛対象に思えるわけ無いじゃないか。しかも僕もみんなも男なんだから。…でも、みんなに触れられても嫌じゃなかったし、むしろドキドキしかなかった。これはゲーム補正?それとも――――
「はぁ~…楽しかったけど、ちょっと疲れちゃった…」
「まぁ、慣れないパーティーだったしね…。はい、お茶」
「ありがと。…う~ん、やっぱりお茶は落ち着くね~」
「ふふ。ほんと、歩は父さんにそっくりだわ」
「そうなの?」
「そうよ~ジジ臭いとこそっくり!」
「ジ、ジジ臭いって…」
父さん、そんなにジジ臭かったかなぁ…。僕の思い出の中ではそんな雰囲気無かったんだけど…。
「お父さん、歩の前ではカッコイイお父さんを演じてたのよ。歩が寝ると、緑茶飲みながら一息ついてたのよ」
クスクスと思い出し笑いをする母さん。今迄、僕の前で父さんの話をすることは無かった。
「ねえ、父さんの話、もっと聞かせてよ」
「そうね…」
そう言って母さんは、父さんの話を聞かせてくれた。…まぁ、半分は惚気だったんだけど…。
小さかった僕が知らなかったこと。それは、僕の両親とみんなの両親が親友だという事。一般家庭の両親が、ハイスペックなみんなの両親と親友なのかは謎に思ったけど、そこは父さんの人柄らしい。それと、父さんはすごいトレーダーだったらしく、株でひと財産を築いたらしい。その一つがこのマンション。後は秘密って言われた…。そんな父さんと母さんはみんなに祝福され結婚をして僕を授かった。そんな二人から生まれた僕は、みんなから愛されて育ったそうだ。それは、みんなの子供たちからもだったみたいで、その頃から母さんは何かを察知していたらしい。いや、まだ保育園児だよね…。
そんな日々の中、父さんが急に亡くなり僕は記憶を失ってしまう。ほんと、母さんには迷惑かけたよね…。なんて言ったら、”歩が父さんを失って辛い日々を送らなくて良かった”と、僕の事を気遣ってくれた。前世と今を合わせたら母さんより年上な僕。”今度は母さんを僕が守るね”と言ったら、笑いながら泣かれてしまった。…ちゃんと母さんを守るからね父さん。
そろそろ寝ようかと、コップを片付けようとした時、母さんがぶっこんできた。
「で、歩は5人の中で誰が好きなの?」
「はぁ?!」
「内緒にしとくから母さんには教えてよ~」
「み、みんなの事は友達としか思ってないよ!」
「そうなの~?でも、この先はわからないじゃない?その時はちゃんと教えてよ!じゃ、お休み~」
「…お休み」
ついこの間幼馴染って分ったばっかりなのに、いきなに恋愛対象に思えるわけ無いじゃないか。しかも僕もみんなも男なんだから。…でも、みんなに触れられても嫌じゃなかったし、むしろドキドキしかなかった。これはゲーム補正?それとも――――
120
お気に入りに追加
425
あなたにおすすめの小説

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか
Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。
無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して――
最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。
死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。
生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。
※軽い性的表現あり
短編から長編に変更しています

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。

非力な守護騎士は幻想料理で聖獣様をお支えします
muku
BL
聖なる山に住む聖獣のもとへ守護騎士として送られた、伯爵令息イリス。
非力で成人しているのに子供にしか見えないイリスは、前世の記憶と山の幻想的な食材を使い、食事を拒む聖獣セフィドリーフに料理を作ることに。
両親に疎まれて居場所がないながらも、健気に生きるイリスにセフィドリーフは心動かされ始めていた。
そして人間嫌いのセフィドリーフには隠された過去があることに、イリスは気づいていく。
非力な青年×人間嫌いの人外の、料理と癒しの物語。
※全年齢向け作品です。

この道を歩む~転生先で真剣に生きていたら、第二王子に真剣に愛された~
乃ぞみ
BL
※ムーンライトの方で500ブクマしたお礼で書いた物をこちらでも追加いたします。(全6話)BL要素少なめですが、よければよろしくお願いします。
【腹黒い他国の第二王子×負けず嫌いの転生者】
エドマンドは13歳の誕生日に日本人だったことを静かに思い出した。
転生先は【エドマンド・フィッツパトリック】で、二年後に死亡フラグが立っていた。
エドマンドに不満を持った隣国の第二王子である【ブライトル・ モルダー・ヴァルマ】と険悪な関係になるものの、いつの間にか友人や悪友のような関係に落ち着く二人。
死亡フラグを折ることで国が負けるのが怖いエドマンドと、必死に生かそうとするブライトル。
「僕は、生きなきゃ、いけないのか……?」
「当たり前だ。俺を残して逝く気だったのか? 恨むぞ」
全体的に結構シリアスですが、明確な死亡表現や主要キャラの退場は予定しておりません。
闘ったり、負傷したり、国同士の戦争描写があったります。
本編ド健全です。すみません。
※ 恋愛までが長いです。バトル小説にBLを添えて。
※ 攻めがまともに出てくるのは五話からです。
※ タイトル変更しております。旧【転生先がバトル漫画の死亡フラグが立っているライバルキャラだった件 ~本筋大幅改変なしでフラグを折りたいけど、何であんたがそこにいる~】
※ ムーンライトノベルズにも投稿しております。

マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる