乙女ゲームのモブに転生したようですが、何故かBLの世界になってます~逆ハーなんて狙ってないのに攻略対象達が僕を溺愛してきます

syouki

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42.えっと…

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そんなみんなの驚きを無視するかのように、僕はお母さんたちに囲まれてしまった。

「歩ちゃん!私の事は沙羅って呼んでね」
「私は、みやびよ」
「私の事は、桜と呼んで下さい」
「は、はい」

綺麗なお母さん達に囲まれ、僕の顔は真っ赤になっていた。

「はぁ~やっぱり歩ちゃんは癒されるわ~」
「高校生になっても変わらないなんて、さすが我らが由美よね」
「実物は写真の何倍もの破壊力ですね~」

この場から逃げたくて母さんを見ると、麗奈さんと話していて全く僕の方を見ていなかった。
類君たちの方に目を移すと、何故か五人で円になって話していて、こちらも全く僕を見ていなかった。
どうしようかと思っていると、麗奈さんと母さんがこっちにやってきた。

「ほらほら。歩ちゃんが困ってるわよ?」
「え?やだ、ごめんね歩ちゃん!嬉しくてつい…」
「ごめんなさいね…」
「ごめんなさ~い…」
「あ、いえ。綺麗な人に囲まれて緊張しちゃって…」

「「「はうっ!!」」」

あれ?皆さん震えてるけど、気分でも悪いのかな?

「…由美、無自覚って怖いわね」
「あははは…」
「さて、そろそろお昼にしましょうか。シェフが腕によりをかけて用意してくれたのよ」

麗奈さんの視線の先を見ると、大きなテーブルの上に所狭しといろいろなごちそうがセッティングされていて、バイキングの様に、お皿とグラス、カトラリーがワゴンの上に置かれていた。

(うわ~!何から食べようかな~)

流石に、小さな子供の様に無邪気にテーブルに駆けていくわけにもいかずもじもじしてると、すっと目の前に手が差し出された。

「歩、早く行かないとみんなに食べられちゃうぞ?」

それは、類君の手だった。

「う、うん」

その手を取ろうとしたら、四つの手が類君の手に重なり下に降ろされた。

「歩、で食べる分取ってくるからあっちに座ってな」
「飲み物取ってくるよ。何が良い?」
「歩君、スイーツ取ってくるね」
「俺は、果物取ってくるね」
「あ、うん…ありがとう…」

一君にオレンジジュース、圭君に唐揚げ、なっ君とふう君に苺とクリーム系のスイーツをお願いして、僕はリビングのソファーに座って待つ事にした。何故か、みんなのお母さん達から生暖かい眼差しを感じる…。

「あらあら。類は一歩出遅れたわね」
「抜け駆け禁止みたいよ」
「一哉が珍しく必至だわ」
「二人いる我が家は、少し有利なのかしら?」

えっ?まって??みんな知ってるの?!僕だけが知らなかったの?

「「「「歩ちゃん!いつでもうちに来ていいからね」」」」

えっと…何か違う言葉が聞こえる…。





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