乙女ゲームのモブに転生したようですが、何故かBLの世界になってます~逆ハーなんて狙ってないのに攻略対象達が僕を溺愛してきます

syouki

文字の大きさ
上 下
41 / 56

39.提案

しおりを挟む
僕がテーブルに着くと、お手伝いさんらしき女の人がお茶を用意してガゼボから去って行った。こんな光景、テレビでしか見た事無いよ!

「歩君、これ美味しいよ。あ~ん」
「あ~ん」

条件反射で口をあけると、なっ君は僕の口にマカロンを差し込んだ。サクッと一口噛むと、フランボワーズの甘酸っぱさが口の中に広がった。

「どう?」
「うん、美味しい!」
「こっちも美味しいよ。はい、あ~ん」

今度は、ふう君からフィナンシェを口に入れられた。うん!バターの風味が口いっぱいに広がって美味しい!!

「はいそこ!フライングしない!!」

類君がそう指摘すると、一君と圭君が二人の椅子を僕から離していった。

「全く…油断も隙も無い…」

記憶が戻る前から、なっ君とふう君は僕に”あ~ん”ってしてたから、今日も当たり前に受けれてしまった。高校生の男子が”あ~ん”なんて、よく考えたら恥ずかしいよね…。
それにしても、ヒロイン南路山さんは退場しちゃったし、これからどうなっちゃうんだろう…。
それと、皆が僕の事を恋愛対象として好きって言ったのは…。

「歩、昨日言ったことは本当だからな」

類君はエスパーなのかって思うくらい、僕が考えていた事をズバッと言い当てた。

「今すぐ誰かを選んでくれとは言わない。今は、昔の様に幼馴染として過ごしたい」
「うん」

良かった~。急にBL展開になるなんて思っても無かったし、僕は…。ん?”僕”はどうしたいんだろう…。

「しかし、幼馴染といえど歩に気持ちはバレてしまった。そこで、俺達は全力で歩を口説くことにした」
「うん。…え?ちょ、ちょっと待って!そんなの、矛盾してない?!幼馴染として過ごすんだよね??」
「大丈夫だ。は保って口説くから心配しなくていい」

”幼馴染としての距離”って何?

「そんな不安そうな顔すんなって、歩。ちょ~っと、スキンシップが増えるだけだから」

圭君が僕の後ろから腕を回して、バックハグのような体勢になり顔を近付けてきた。驚いて横を向くと、もう少しで唇が触れそうなくらいの至近距離だった。

「け、圭君!近いよ!!」

慌てて体を離すと、圭君は「残念。もう少し横だったか」と、呟いていた…。

「圭。座って」
「はいはい」

冷ややかな声で圭君を諭す類君。これ、絶対怒ってるやつ…。

「で。提案なんだけど、どうしても学年の違う、まして先に卒業する俺達には、歩との交流がかなり不利な状況にある。そこで、週一、最低でも月一はここで親睦を深めたいんだけど、歩はどう?」









※更新が遅くなり申し訳ありません。
 完結に向けてがんばります。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした

和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。 そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。 * 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵 * 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。

みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。 男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。 メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。 奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。 pixivでは既に最終回まで投稿しています。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。 ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。 あの日までは。 気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。 (無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!) その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。 元日本人女性の異世界生活は如何に? ※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。 5月23日から毎日、昼12時更新します。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

この道を歩む~転生先で真剣に生きていたら、第二王子に真剣に愛された~

乃ぞみ
BL
※ムーンライトの方で500ブクマしたお礼で書いた物をこちらでも追加いたします。(全6話)BL要素少なめですが、よければよろしくお願いします。 【腹黒い他国の第二王子×負けず嫌いの転生者】 エドマンドは13歳の誕生日に日本人だったことを静かに思い出した。 転生先は【エドマンド・フィッツパトリック】で、二年後に死亡フラグが立っていた。 エドマンドに不満を持った隣国の第二王子である【ブライトル・ モルダー・ヴァルマ】と険悪な関係になるものの、いつの間にか友人や悪友のような関係に落ち着く二人。 死亡フラグを折ることで国が負けるのが怖いエドマンドと、必死に生かそうとするブライトル。 「僕は、生きなきゃ、いけないのか……?」 「当たり前だ。俺を残して逝く気だったのか? 恨むぞ」 全体的に結構シリアスですが、明確な死亡表現や主要キャラの退場は予定しておりません。 闘ったり、負傷したり、国同士の戦争描写があったります。 本編ド健全です。すみません。 ※ 恋愛までが長いです。バトル小説にBLを添えて。 ※ 攻めがまともに出てくるのは五話からです。 ※ タイトル変更しております。旧【転生先がバトル漫画の死亡フラグが立っているライバルキャラだった件 ~本筋大幅改変なしでフラグを折りたいけど、何であんたがそこにいる~】 ※ ムーンライトノベルズにも投稿しております。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

処理中です...