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39.提案
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僕がテーブルに着くと、お手伝いさんらしき女の人がお茶を用意してガゼボから去って行った。こんな光景、テレビでしか見た事無いよ!
「歩君、これ美味しいよ。あ~ん」
「あ~ん」
条件反射で口をあけると、なっ君は僕の口にマカロンを差し込んだ。サクッと一口噛むと、フランボワーズの甘酸っぱさが口の中に広がった。
「どう?」
「うん、美味しい!」
「こっちも美味しいよ。はい、あ~ん」
今度は、ふう君からフィナンシェを口に入れられた。うん!バターの風味が口いっぱいに広がって美味しい!!
「はいそこ!フライングしない!!」
類君がそう指摘すると、一君と圭君が二人の椅子を僕から離していった。
「全く…油断も隙も無い…」
記憶が戻る前から、なっ君とふう君は僕に”あ~ん”ってしてたから、今日も当たり前に受けれてしまった。高校生の男子が”あ~ん”なんて、よく考えたら恥ずかしいよね…。
それにしても、ヒロインは退場しちゃったし、これからどうなっちゃうんだろう…。
それと、皆が僕の事を恋愛対象として好きって言ったのは…。
「歩、昨日言ったことは本当だからな」
類君はエスパーなのかって思うくらい、僕が考えていた事をズバッと言い当てた。
「今すぐ誰かを選んでくれとは言わない。今は、昔の様に幼馴染として過ごしたい」
「うん」
良かった~。急にBL展開になるなんて思っても無かったし、僕は…。ん?”僕”はどうしたいんだろう…。
「しかし、幼馴染といえど歩に気持ちはバレてしまった。そこで、俺達は全力で歩を口説くことにした」
「うん。…え?ちょ、ちょっと待って!そんなの、矛盾してない?!幼馴染として過ごすんだよね??」
「大丈夫だ。幼馴染としての距離は保って口説くから心配しなくていい」
”幼馴染としての距離”って何?
「そんな不安そうな顔すんなって、歩。ちょ~っと、スキンシップが増えるだけだから」
圭君が僕の後ろから腕を回して、バックハグのような体勢になり顔を近付けてきた。驚いて横を向くと、もう少しで唇が触れそうなくらいの至近距離だった。
「け、圭君!近いよ!!」
慌てて体を離すと、圭君は「残念。もう少し横だったか」と、呟いていた…。
「圭。座って」
「はいはい」
冷ややかな声で圭君を諭す類君。これ、絶対怒ってるやつ…。
「で。提案なんだけど、どうしても学年の違う、まして先に卒業する俺達には、歩との交流がかなり不利な状況にある。そこで、週一、最低でも月一はここで親睦を深めたいんだけど、歩はどう?」
※更新が遅くなり申し訳ありません。
完結に向けてがんばります。
「歩君、これ美味しいよ。あ~ん」
「あ~ん」
条件反射で口をあけると、なっ君は僕の口にマカロンを差し込んだ。サクッと一口噛むと、フランボワーズの甘酸っぱさが口の中に広がった。
「どう?」
「うん、美味しい!」
「こっちも美味しいよ。はい、あ~ん」
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「はいそこ!フライングしない!!」
類君がそう指摘すると、一君と圭君が二人の椅子を僕から離していった。
「全く…油断も隙も無い…」
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「うん」
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「大丈夫だ。幼馴染としての距離は保って口説くから心配しなくていい」
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「圭。座って」
「はいはい」
冷ややかな声で圭君を諭す類君。これ、絶対怒ってるやつ…。
「で。提案なんだけど、どうしても学年の違う、まして先に卒業する俺達には、歩との交流がかなり不利な状況にある。そこで、週一、最低でも月一はここで親睦を深めたいんだけど、歩はどう?」
※更新が遅くなり申し訳ありません。
完結に向けてがんばります。
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