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閑話:それぞれのクリスマス~妄想劇場①
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※だいたい、現在から一年後設定です。
~類編~
「類君、お待たせ!」
「歩、俺も今来たとこだよ」
そんなベタなセリフで待ち合わせ場所で合流した俺達。いつもは車で迎えに行っているが、歩が”待ち合わせしたい”と言ったから車は先に駐車場に停めてきた。今日は付き合って初めてのクリスマス。そろそろ、進展を期待してる。
「うわぁ~カワイイ~!!見て、類君!ペンギンさんが歩いてるよ!」
「そうだね、カワイイね。でも、歩の方が俺には可愛いよ」
定番の水族館。はしゃぐ歩の耳元で囁けば、耳まで真っ赤になる歩。恥ずかしがって俺を見ないけど、そんなとこも可愛い。
ディナーは、歩が委縮しない様にカジュアルなイタリアンのお店をチョイス。ガラス張りのテラス席を予約していたので夜景を見ながらの食事だ。
「きれぇ~…。類君、僕の為に予約してくれたの?」
「当たり前だろ。歩の喜ぶ顔が見たかったんだから当然」
「ありがとう」
ふんわりと微笑む歩。くっ…我慢だ俺。
食事の後は、二人っきりなれるように港までドライブをした。――静かな港で、歩と車の中で二人っきり…。
「あ、あの!これ、類君に…」
「ありがとう。開けて良い?」
「…うん」
ラッピングを解くと、中には黄色と黒をベースにしたチェックのマフラーが入っていた。すぐに歩のお手製だと分かった。
「うれしい…。一生大事にするね」
「そ、そんな…!」
「俺からはこれ」
ポケットから小さな箱を出し、歩の目の前で蓋を開け、そっと歩の左の薬指に嵌める。そして、もう一つの指輪を自分の左の薬指に嵌めた。
「歩が俺の大事な人って言う証。もらってくれる?」
「類君…。うん、僕も一生大事にするね」
「よかった。あ…もう一つ、お願いがあるんだけど…」
「なあに?」
「俺の事、類って呼んで」
「…あっ…。…る……類……」
真っ赤な顔で俺の名を呼ぶ歩。よし、一歩前進だ!!
~圭編~
歩と初めてのクリスマスデート。せっかくのクリスマスなんだし、少しくらい欲を出しても良いだろうか…。
「圭君…僕、アイススケートって初めてなんだけど…」
「大丈夫。俺がちゃんと教えるからな」
「うん、お願いします」
屋外での夜のスケートリンク。予約制で、リンク内はほぼ恋人同士でいっぱいだ。
「イルミネーションが綺麗だねぇ…」
「そうだな」
リンクの回りを、クリスマスのイルミネーションがキラキラと輝いている。そんな灯かりに照らされた歩の顔はもっと綺麗だ…。
「ほら、立てる?」
スケート靴を履き終え、俺は立ち上がり歩に手を差し出す。氷の上じゃないからか、歩は自力で立ち上がり、得意げに俺を見た。
「立つぐらいは僕だって出来るよ」
「悪い。じゃ、いこっか」
ゆっくりと歩に合わせてリンクへと向かう。入り口に着くと、俺は先にリンクに降りた。歩がこけない様に支え為だ。
「歩、横のバーを持って…そう、ゆっくり足を降ろして」
「…こ、こう?」
バーをしっかり握り、後ろ向きでゆっくりと左足をリンクに降ろす。
「えっ?!うわっ!!」
ツーと左足が滑り出し、慌てて右足をリンクに出してしまいエッジの先がリンクに引っ掛かってしまった。
「危ない!」
慌てて歩を抱きとめる。ボフッっと俺の胸辺りに顔が当たり抱きしめる形になってしまった。
「ご、ごめん圭君…痛かった?」
「大丈夫だよ。それより歩はどこも痛くなかった?」
「うん。…圭君が抱き留めてくれたから…」
ポッと顔を赤くした歩。くっ!このままギュっと抱きしめたい!!
「歩、手を繋いで滑ろうよ」
「えっ?!で、でも…」
「…誰も見てないよ」
キョロキョロと辺りを見渡し、コクリと頷く歩。…よし!!
体を離し、そっと左手を手に取る。手袋越しにキュッと手を握るも、俺はさりげなく手をずらし恋人繋ぎへと変えた。歩が驚いた顔で俺を見上げるも、俺はその手に力を込めた。欲を出し過ぎたかと思ったが、恥ずかしがりながらも、はにかんだ笑顔の歩。その笑顔に俺も微笑む。
俺は、一生この手を離さないと心に誓った。
※急ごしらえで書いたのですが、あと二組間に合いませんでした…。
明日、頑張って投稿します!
~類編~
「類君、お待たせ!」
「歩、俺も今来たとこだよ」
そんなベタなセリフで待ち合わせ場所で合流した俺達。いつもは車で迎えに行っているが、歩が”待ち合わせしたい”と言ったから車は先に駐車場に停めてきた。今日は付き合って初めてのクリスマス。そろそろ、進展を期待してる。
「うわぁ~カワイイ~!!見て、類君!ペンギンさんが歩いてるよ!」
「そうだね、カワイイね。でも、歩の方が俺には可愛いよ」
定番の水族館。はしゃぐ歩の耳元で囁けば、耳まで真っ赤になる歩。恥ずかしがって俺を見ないけど、そんなとこも可愛い。
ディナーは、歩が委縮しない様にカジュアルなイタリアンのお店をチョイス。ガラス張りのテラス席を予約していたので夜景を見ながらの食事だ。
「きれぇ~…。類君、僕の為に予約してくれたの?」
「当たり前だろ。歩の喜ぶ顔が見たかったんだから当然」
「ありがとう」
ふんわりと微笑む歩。くっ…我慢だ俺。
食事の後は、二人っきりなれるように港までドライブをした。――静かな港で、歩と車の中で二人っきり…。
「あ、あの!これ、類君に…」
「ありがとう。開けて良い?」
「…うん」
ラッピングを解くと、中には黄色と黒をベースにしたチェックのマフラーが入っていた。すぐに歩のお手製だと分かった。
「うれしい…。一生大事にするね」
「そ、そんな…!」
「俺からはこれ」
ポケットから小さな箱を出し、歩の目の前で蓋を開け、そっと歩の左の薬指に嵌める。そして、もう一つの指輪を自分の左の薬指に嵌めた。
「歩が俺の大事な人って言う証。もらってくれる?」
「類君…。うん、僕も一生大事にするね」
「よかった。あ…もう一つ、お願いがあるんだけど…」
「なあに?」
「俺の事、類って呼んで」
「…あっ…。…る……類……」
真っ赤な顔で俺の名を呼ぶ歩。よし、一歩前進だ!!
~圭編~
歩と初めてのクリスマスデート。せっかくのクリスマスなんだし、少しくらい欲を出しても良いだろうか…。
「圭君…僕、アイススケートって初めてなんだけど…」
「大丈夫。俺がちゃんと教えるからな」
「うん、お願いします」
屋外での夜のスケートリンク。予約制で、リンク内はほぼ恋人同士でいっぱいだ。
「イルミネーションが綺麗だねぇ…」
「そうだな」
リンクの回りを、クリスマスのイルミネーションがキラキラと輝いている。そんな灯かりに照らされた歩の顔はもっと綺麗だ…。
「ほら、立てる?」
スケート靴を履き終え、俺は立ち上がり歩に手を差し出す。氷の上じゃないからか、歩は自力で立ち上がり、得意げに俺を見た。
「立つぐらいは僕だって出来るよ」
「悪い。じゃ、いこっか」
ゆっくりと歩に合わせてリンクへと向かう。入り口に着くと、俺は先にリンクに降りた。歩がこけない様に支え為だ。
「歩、横のバーを持って…そう、ゆっくり足を降ろして」
「…こ、こう?」
バーをしっかり握り、後ろ向きでゆっくりと左足をリンクに降ろす。
「えっ?!うわっ!!」
ツーと左足が滑り出し、慌てて右足をリンクに出してしまいエッジの先がリンクに引っ掛かってしまった。
「危ない!」
慌てて歩を抱きとめる。ボフッっと俺の胸辺りに顔が当たり抱きしめる形になってしまった。
「ご、ごめん圭君…痛かった?」
「大丈夫だよ。それより歩はどこも痛くなかった?」
「うん。…圭君が抱き留めてくれたから…」
ポッと顔を赤くした歩。くっ!このままギュっと抱きしめたい!!
「歩、手を繋いで滑ろうよ」
「えっ?!で、でも…」
「…誰も見てないよ」
キョロキョロと辺りを見渡し、コクリと頷く歩。…よし!!
体を離し、そっと左手を手に取る。手袋越しにキュッと手を握るも、俺はさりげなく手をずらし恋人繋ぎへと変えた。歩が驚いた顔で俺を見上げるも、俺はその手に力を込めた。欲を出し過ぎたかと思ったが、恥ずかしがりながらも、はにかんだ笑顔の歩。その笑顔に俺も微笑む。
俺は、一生この手を離さないと心に誓った。
※急ごしらえで書いたのですが、あと二組間に合いませんでした…。
明日、頑張って投稿します!
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