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37.…そうでした
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体を起こすと、僕はまだ仮装のままだったことに気が付いた。みんなニコニコと僕の事を見てるけど、さすがにこのままでは過ごせない。
「ちょっと向こうで着替えてくるね」
男同士とは言え、何となくみんなの前では着替えない方が良い気がした。
着替えの入った紙袋を手に、キッチンの方に向かう。
「来たら絶交だからね」
ピシッと音がそうなくらい、みんな固まった。来る気だったんだろうか…。
紙袋の中には、メイク落としの洗顔とタオルも入っていた。なんて気遣い!ありがたく使わせていただきます。
「ふ~…」
カツラを外してメイクを落とし、着替えが終わると、やっといつもの僕に戻った。シンデレラの魔法が解けたくらい、差がすごい。おかげで、あの仮装が僕だって気付く人は少ないだろう。
「お待たせ」
部屋に戻ると、みんな集まって何か相談をしていたようだった。
「何話してたの?」
「今までは、先輩後輩、同級生として歩と接してきたから、明日から幼馴染としての接し方を話し合ってたんだ」
「…そうなんだ」
ん?幼馴染として過ごすのに話し合いって必要なの?
ソファーへと歩み寄ると、なっ君とふう君が自分達の間をポフポフと叩いていた。それはいつも通りだね…。
「とりあえず、学園内では抜け駆けは無しだ」
類君の言葉にみんなが頷くと。…抜け駆けって何?
「歩。昼食だけど、生徒会室で一緒に食べて欲しいんだけど…」
「わかった。じゃあ、毎日お菓子作ってくるね!あ…でも、類君が会長じゃなくなったら食堂?」
「それは大丈夫。次の会長は一哉だから」
「え?!そうなの?」
「ま、まあ…平穏のためだからな…」
平穏って何?
「さて、ここからが大事な話なんだ。…ほんとは後日ゆっくり話したかったんだけど、さっき言っちゃったから、皆で話し合った結果、今話すことにするね」
「う、うん」
何だろう?みんなさっきより真剣な顔してる…。やっぱり、僕は幼馴染として…。
「俺達は、歩の事が幼稚園の時から好きだ。それは、幼馴染・友達としの好きではなく、恋愛対象としての感情だ」
「へ?」
あ…そう言えば、南路山さんにそんな事話してたっけ…。その後、みんな僕にキスして…。
だんだん、気を失う前の事を思い出してきた。
「嘘や冗談じゃなく、俺達は真剣に歩の事が好きだ」
「幼稚園の時から、幼馴染でもありライバルでもあるんだな、これが」
「歩が思い出すまで、なるべく接触しない様にしてたんだけど…」
「「「こいつらの抜け駆けに目を潰れなくなってね」」」
「「…」」
那都君と風悠君が、3人に睨まれて僕に抱き着く。そんな僕は、固まって動けなかった。
…ほんとうだったんだ……。
「ちょっと向こうで着替えてくるね」
男同士とは言え、何となくみんなの前では着替えない方が良い気がした。
着替えの入った紙袋を手に、キッチンの方に向かう。
「来たら絶交だからね」
ピシッと音がそうなくらい、みんな固まった。来る気だったんだろうか…。
紙袋の中には、メイク落としの洗顔とタオルも入っていた。なんて気遣い!ありがたく使わせていただきます。
「ふ~…」
カツラを外してメイクを落とし、着替えが終わると、やっといつもの僕に戻った。シンデレラの魔法が解けたくらい、差がすごい。おかげで、あの仮装が僕だって気付く人は少ないだろう。
「お待たせ」
部屋に戻ると、みんな集まって何か相談をしていたようだった。
「何話してたの?」
「今までは、先輩後輩、同級生として歩と接してきたから、明日から幼馴染としての接し方を話し合ってたんだ」
「…そうなんだ」
ん?幼馴染として過ごすのに話し合いって必要なの?
ソファーへと歩み寄ると、なっ君とふう君が自分達の間をポフポフと叩いていた。それはいつも通りだね…。
「とりあえず、学園内では抜け駆けは無しだ」
類君の言葉にみんなが頷くと。…抜け駆けって何?
「歩。昼食だけど、生徒会室で一緒に食べて欲しいんだけど…」
「わかった。じゃあ、毎日お菓子作ってくるね!あ…でも、類君が会長じゃなくなったら食堂?」
「それは大丈夫。次の会長は一哉だから」
「え?!そうなの?」
「ま、まあ…平穏のためだからな…」
平穏って何?
「さて、ここからが大事な話なんだ。…ほんとは後日ゆっくり話したかったんだけど、さっき言っちゃったから、皆で話し合った結果、今話すことにするね」
「う、うん」
何だろう?みんなさっきより真剣な顔してる…。やっぱり、僕は幼馴染として…。
「俺達は、歩の事が幼稚園の時から好きだ。それは、幼馴染・友達としの好きではなく、恋愛対象としての感情だ」
「へ?」
あ…そう言えば、南路山さんにそんな事話してたっけ…。その後、みんな僕にキスして…。
だんだん、気を失う前の事を思い出してきた。
「嘘や冗談じゃなく、俺達は真剣に歩の事が好きだ」
「幼稚園の時から、幼馴染でもありライバルでもあるんだな、これが」
「歩が思い出すまで、なるべく接触しない様にしてたんだけど…」
「「「こいつらの抜け駆けに目を潰れなくなってね」」」
「「…」」
那都君と風悠君が、3人に睨まれて僕に抱き着く。そんな僕は、固まって動けなかった。
…ほんとうだったんだ……。
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