乙女ゲームのモブに転生したようですが、何故かBLの世界になってます~逆ハーなんて狙ってないのに攻略対象達が僕を溺愛してきます

syouki

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34.斜め上の事実

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「はい、そこまでね」

目を開けると、ヒロインの手首を掴んだ類先輩が立っていた。もちろん、その後ろには伊集院先輩、伊達君、那都君と風悠君も一緒だ。

「えっ?!る、類様?!な、なんでここに…」
「そんなの、決まってるでしょ。歩に危害を加える奴に制裁をするために」
「ま、まって…制裁って…?」

いつもと違って、みんな冷ややかな目でヒロインを見下げている。

「君、あからさまにやりすぎたんだよね」
「ど、どういうこと?」

ヒロインも何を言われてるのかわからず、類先輩に聞き返していた。

「俺達に近づいたまでは許せても、歩に手、出したでしょ?」
「は?歩ってこのモブ?」

う~ん…さっきから自然に名前呼びされてるんだけど…。

掴んでいた手を離して、先輩たちは僕の方に歩み寄ってきた。

「あのね、歩は俺達の大事な大事な幼馴染なんだよ」
「は?!」
「えっ?!」

僕が皆の幼馴染??え?そんな設定無いし…。記憶も無いし…。記憶…?

「ちょ、ちょっと待ってよ!だからってなんで制裁されないといけないのよ?私何もしてないじゃない!」

そうだよね…僕、ヒロインに何もされてないよ??

「…クレープ屋での突き飛ばし」
「廊下での足の引っかけ」
「その他にも色々仕掛けようとしてたよね?ま、未然に防いだけど」
「…うっ…」

え?あれってそうだったの?…全く気付いてなかった。

「だから、南路山さん。君、退学ね」

にっこりと笑って類先輩がヒロインにとんでもないことを告げた。

「そ、そんな。ちょっと幼馴染に意地悪しただけで退学っておかしいでしょ?そんな権限、学生にあるわけないし。それに、私ヒロインなんだし…」

「「「「「…はぁ~…」」」」」

五人が一斉に深い溜息をついた。

「あのさ~、この間から自分の事”ヒロイン”って言ってるけど、はっきり言って、イタイよ、それ?」
「え?イタイ…?」

伊集院先輩、はっきり言っちゃた…。

「それに、知り合いでも無いのに勝手に名前呼びされていい迷惑だ」
「め、迷惑…?」

伊達君もかなり怒ってるな~…。

「「はっきり言って、気持ち悪い」」
「き、気持ち悪い…?」

那都君風悠君、もう少し優しく言ってあげて…。

「だ、だからって退学は…」
「私情を挟むなって言われたんだけど、こればっかりは譲れなくて何とか説得したんだよね理事長である俺の親を」
「は?理事長…?」
「あ、ちなみに俺は理事の一人ね」

え~~~!!そうだったの?!僕、何にも知らなんだけど!!

「歩は大事な大事な幼馴染ではあるけれど、同時に俺達の初恋の相手でもある。ちなみ現在進行形だ」

類先輩がそう言うと、5人から一斉にほっぺ、頭、手の甲とキスをされた。
え?何それ?頭が追いつないんですけど!!



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