乙女ゲームのモブに転生したようですが、何故かBLの世界になってます~逆ハーなんて狙ってないのに攻略対象達が僕を溺愛してきます

syouki

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33.ヒロインと対面

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午後の競技も終わり、いよいよ結果発表の時間になった。

《…続いて、仮装の順位の発表です》

(は~ドキドキするな~。最下位だったらどうしよう…)

《え~…今年は大変異例な事ではありますが、満票で一クラスのみの投票結果となりました》

そうなんだ~。やっぱりヒロインのクラスなんだろうな~。

《その栄えあるクラスは……D組です!!!》

クラスが呼ばれた瞬間、グラウンド中に「うぉーーーー」って声が響き渡り、僕は一瞬何が起きたか分からなかった。

「逢坂君!やったね!仮装優勝だよ!!」
「逢坂ー!やるじゃねぇかー!!」

クラスのみんなが口々に仮装の優勝を喜んでいる。良かった~!こんな僕でもクラスの役にたてたんだ!

「逢坂~!!」

後ろから、のしっと重みを感じた。

「中村、重いって…」
「いや~俺は優勝すると思ってたぞ!」
「ありがと」
「…南路山に気を付けろ」
「え?」

中村は、僕の耳元でボソッと不穏な言葉を残してこの場から去って行った。もう!気になるじゃないか~!!


結局、総合優勝は逃してしまったけど、僕らの団はみんな満足顔だった。

「逢坂君、恐らく閉会式の後すごいことになりそうだから先に控室に戻ってて」
「うん、そうするね。先に着替えてても大丈夫かな?」
「うん!その後でメイクとか落とすからね」
「ありがとう」

みんなが整列している中、僕はこそっと校舎に向かっていた。

(恥ずかしかったけど、優勝できて良かった~)

少しウキウキした足取りで歩いていると、僕の目の前に急に人影が現れた。

「逢坂君。少し話したいことがあるんだけど…」
「え…?ヒ…南路山…さん?」

妖精の仮装をしたヒロインが、僕ににっこり微笑んでいる。はぁ~やっぱりカワイイな~。って思っていると、グイっと手を引かれ、近くの空き教室の中に引き込まれてしまった。

「えっ?!うわぁっ!!」

パッと手を離され、僕は滑りこけてしまった。女の子に引っ張られてこけるって、僕どんだけ非力なんだか…。
そんな僕の前に、仁王立ちしたヒロインが腕を組んで立っていた。

「あなた、転生者でしょ?」
「えっ?!」
「ねえ。なんでことごとくヒロインの邪魔するの?」
「じゃ、邪魔何てしてないよ?」
「してるじゃない!類も圭も一哉も那都も風悠も、みんなあんたの側から離れない!あんたなんか、たかがモブでしょ?!モブはモブらしく大人しくしてなさいよ!!」

…ショックだった。大好きな「ハイメモ」のヒロインがこんな汚い言葉を話すなんて…。なんでこんな子がヒロインの中に転生しちゃったんだろう…。

「ちょっと!何とか言いなさいよ!あんたのおかげで、全然イベントは進まないし、好感度も上がらないのよ?!せっかくハーレムエンド狙ってるのに、これじゃあ誰とも結ばれないじゃない!!」

顔真っ赤にしてもの凄い形相で僕を睨みつけるヒロインの手が、大きく上にあげられた。
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