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31.お弁当
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「みんなの分、足りるかなぁ?」
皆の為に用意したお弁当を広げながら、僕は呟いた。
午前の競技が終わる少し前。僕は伊達君に手を引かれ生徒会室へと連れてこられた。
「一斉に休憩に入ると、恐らく逢坂はもみくちゃにされそうだから」
と謎の言葉を言われた。まぁ、ゆっくりできるのはありがたいのでここで皆を待つ事にした。
暫くすると、廊下が騒がしくなってきた。午前の部が終わり、皆休憩に入ったようだ。
「いつの間にか、D組の仮装の子いなくなってたんだけど」
「せっかくお近づきになりたかったのにな~」
「でも、男なんだろ?」
「「関係ない」」
通り過ぎていく会話を耳にしながら、友達増えるかな~と少しウキウキしていた。
ガチャっと扉が開く音が聞こえ、扉の方へ振り向くと類先輩を先頭に5人が急ぎ足で部屋に入ってきた。
「お疲れ様」
「お待たせ、歩君」
「「歩せんぱ~い」」
3人の間をすり抜けて、那都君と風悠君がソファーの後ろから抱きついてきた。
「先輩、カワイイ」
「写真撮ろ」
スッとスマホを出してきて、そのままカシャカシャと連写されてしまった。
「こらこら。歩君に迷惑かけない」
那都君と風悠君は、類先輩と伊達君に体操服の首元を引っ張られ、向かいのソファーへと座らされた。
「那都君、風悠君。写真はまた後で撮ろうね」
渋々ソファーに座り、こくりと頷く二人。う~ん!カワイイ!!
「逢坂、これって全部自分で作ったのか?」
「あ、はい。お口に合うか分かりませんが…」
伊集院先輩が、すでに箸を手に持ち僕に聞いてきた。
「うまそ~!!いただきっ!」
サッと唐揚げを箸ではさみ、口に入れゆっくりと味わうように咀嚼する。
「う~ん…美味い!!逢坂、マジ美味い!!」
「喜んでもらえて良かったです」
「圭、フライング…」
「まあまあ。早く食べないと無くなるぞ」
「「「「!!」」」」
皆、サッと箸を持ち、取り皿におかずを積み上げていく。そんなにお腹空いてたのかな?僕は、ポットから紙コップにお茶を注いでみんなの前に置いた。さ、僕も食べよっと。
「「「「「ごちそうさまでした」」」」」
「お粗末様でした」
流石に6人で食べると、お弁当はあっという間に空っぽになった。
「パウンドケーキも作ってきたんだけど食べれるかな?」
みんなコクコクとうなづいたのでキッチンに取りに向かうと、後ろから類先輩がやって来た。
「俺がコーヒー淹れるよ」
「あ、ありがとうございます」
紙袋からパウンドケーキを2本取り出し、ナイフで切り分けてお皿にのせていく。
「へ~マーブルとドライフルーツのケーキなんだね。あ、ナッツ入り」
「はい。少しでも疲れがとれたらいいなって思って」
「ふふ、ありがと」
そう言って、類先輩は両手の塞がっている僕の頬にチュッとキスを落とした。
「へっ…?」
「今日のお礼」
「あ…はい…」
おそらく僕の顔は真っ赤になっていることだろう。も~外国の挨拶は慣れてないんだから!!
皆の為に用意したお弁当を広げながら、僕は呟いた。
午前の競技が終わる少し前。僕は伊達君に手を引かれ生徒会室へと連れてこられた。
「一斉に休憩に入ると、恐らく逢坂はもみくちゃにされそうだから」
と謎の言葉を言われた。まぁ、ゆっくりできるのはありがたいのでここで皆を待つ事にした。
暫くすると、廊下が騒がしくなってきた。午前の部が終わり、皆休憩に入ったようだ。
「いつの間にか、D組の仮装の子いなくなってたんだけど」
「せっかくお近づきになりたかったのにな~」
「でも、男なんだろ?」
「「関係ない」」
通り過ぎていく会話を耳にしながら、友達増えるかな~と少しウキウキしていた。
ガチャっと扉が開く音が聞こえ、扉の方へ振り向くと類先輩を先頭に5人が急ぎ足で部屋に入ってきた。
「お疲れ様」
「お待たせ、歩君」
「「歩せんぱ~い」」
3人の間をすり抜けて、那都君と風悠君がソファーの後ろから抱きついてきた。
「先輩、カワイイ」
「写真撮ろ」
スッとスマホを出してきて、そのままカシャカシャと連写されてしまった。
「こらこら。歩君に迷惑かけない」
那都君と風悠君は、類先輩と伊達君に体操服の首元を引っ張られ、向かいのソファーへと座らされた。
「那都君、風悠君。写真はまた後で撮ろうね」
渋々ソファーに座り、こくりと頷く二人。う~ん!カワイイ!!
「逢坂、これって全部自分で作ったのか?」
「あ、はい。お口に合うか分かりませんが…」
伊集院先輩が、すでに箸を手に持ち僕に聞いてきた。
「うまそ~!!いただきっ!」
サッと唐揚げを箸ではさみ、口に入れゆっくりと味わうように咀嚼する。
「う~ん…美味い!!逢坂、マジ美味い!!」
「喜んでもらえて良かったです」
「圭、フライング…」
「まあまあ。早く食べないと無くなるぞ」
「「「「!!」」」」
皆、サッと箸を持ち、取り皿におかずを積み上げていく。そんなにお腹空いてたのかな?僕は、ポットから紙コップにお茶を注いでみんなの前に置いた。さ、僕も食べよっと。
「「「「「ごちそうさまでした」」」」」
「お粗末様でした」
流石に6人で食べると、お弁当はあっという間に空っぽになった。
「パウンドケーキも作ってきたんだけど食べれるかな?」
みんなコクコクとうなづいたのでキッチンに取りに向かうと、後ろから類先輩がやって来た。
「俺がコーヒー淹れるよ」
「あ、ありがとうございます」
紙袋からパウンドケーキを2本取り出し、ナイフで切り分けてお皿にのせていく。
「へ~マーブルとドライフルーツのケーキなんだね。あ、ナッツ入り」
「はい。少しでも疲れがとれたらいいなって思って」
「ふふ、ありがと」
そう言って、類先輩は両手の塞がっている僕の頬にチュッとキスを落とした。
「へっ…?」
「今日のお礼」
「あ…はい…」
おそらく僕の顔は真っ赤になっていることだろう。も~外国の挨拶は慣れてないんだから!!
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