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30.みんなの様子がおかしいです
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『間もなく、開会式を始めます。生徒の皆さんはグランドに集合してください』
招集のアナウンスが校内に流れた。
「あ、行かなきゃ!」
「逢坂君、このマント被ってね」
「なるべく顔隠してね」
頭から足まで隠れるマントを羽織り、控室を出た。は~…体育祭が終わるまで仮装のままなんて…。
グランドに到着すると、準備をしてくれた女の子達とは別れて仮装のメンバーだけが各団の待機場所に移動する。団の紹介と共にお披露目をするためらしい。僕は自分の団の場所に行き、他の仮装の人と同じく団の場所に設けられた台の上に立った。グランドに並んでる生徒達が振り向いてこちらを見ている。あ~もうヤダ~…。
『只今より、開会式を開始します』
いよいよ開会式が始まった。
(あ、類先輩だ)
類先輩による開会宣言。前年度優勝旗の返還。校長先生の挨拶。選手宣誓と順調に進んでいる。
『次は、各団の紹介と仮装のお披露目です。皆さん後方にご注目下さい』
一斉に全生徒が振り向き視線がこちらへ向けられる。
『まずは…』
3年A組筆頭の団から始まっていく。僕のクラスはD組なので4番目。マントを脱ぐたびに仮装に色んな声が飛び交って笑いが起きている。
『続きまして、D組の仮装です。マントをお取りください!』
僕は覚悟を決めて、止めてあった紐を解きマントを勢いよく脱いだ。…あれ?なんか静かなんだけど……。
『え~…資料によりますと、仮装をしているのは間違いなく男子生徒です。女子生徒による不正ではありません』
(え?なに?なに?僕、何かした??)
不安になってキョロキョロしていると、突然「ワー!!」と大きな歓声が響き渡った。
「マジで男かよ!!」
「完成度高すぎだろ!!」
「ヤバっ!可愛すぎ~!!」
あ、なんかわかんないけど、盛り上がってるから大丈夫なのかな…?ホッとしていると、準備をしてくれた女の子達が手を振っていたので手を振り返すと、また歓声が上がった。
(うわ~ん!!こんな注目されるなんて思ってもいないのに!!僕、どうしたらいいんだろ?)
と、内心ものすごく泣きそうになっていた…。
ヒロインがものすごい形相で睨んでいたなんて気づくことも無く…。
~*~*~*~*~*~*
類(ヤバい…歩の可愛さがみんなにバレてしまう!まぁ、クラスメイト以外にはバレていないと思うが、問題はあの女だな。今も仮装の台から睨んでいるようだし…。何かやらかしたら……制裁だな)
圭(歩、無自覚にフェロモン撒きすぎ!!あ~でもやっぱカワイイわ~!!…っと、あからさまに睨んでんなあの女。まったく…歩に敵うわけないって~の!!そろそろ、とどめだな…)
一哉(うわ~…歩可愛すぎ!あの三人、歩の良さをめちゃくちゃ引き出してくれてるな。ありがとう!ん?南路山さん…歩のことまだ敵視してるのか…。はぁ~…何で俺達に絡んでくるんだろう?歩以外はカボチャなのに…)
那(歩君、カワイイ!!今すぐギュってしたいな~…。お昼休みに早くならないかな~。…あ、またあの女が歩君見てる。もう、いい加減にして欲しいな。そろそろみんな限界かなぁ?)
風(やっぱり歩君が一番カワイイ!!ギュってしたいな~…。いっぱい写真撮ってもらおう!…あの女、まだ絡んでくるつもり?もううんざりなんだけど…。今日でおわりかな…)
招集のアナウンスが校内に流れた。
「あ、行かなきゃ!」
「逢坂君、このマント被ってね」
「なるべく顔隠してね」
頭から足まで隠れるマントを羽織り、控室を出た。は~…体育祭が終わるまで仮装のままなんて…。
グランドに到着すると、準備をしてくれた女の子達とは別れて仮装のメンバーだけが各団の待機場所に移動する。団の紹介と共にお披露目をするためらしい。僕は自分の団の場所に行き、他の仮装の人と同じく団の場所に設けられた台の上に立った。グランドに並んでる生徒達が振り向いてこちらを見ている。あ~もうヤダ~…。
『只今より、開会式を開始します』
いよいよ開会式が始まった。
(あ、類先輩だ)
類先輩による開会宣言。前年度優勝旗の返還。校長先生の挨拶。選手宣誓と順調に進んでいる。
『次は、各団の紹介と仮装のお披露目です。皆さん後方にご注目下さい』
一斉に全生徒が振り向き視線がこちらへ向けられる。
『まずは…』
3年A組筆頭の団から始まっていく。僕のクラスはD組なので4番目。マントを脱ぐたびに仮装に色んな声が飛び交って笑いが起きている。
『続きまして、D組の仮装です。マントをお取りください!』
僕は覚悟を決めて、止めてあった紐を解きマントを勢いよく脱いだ。…あれ?なんか静かなんだけど……。
『え~…資料によりますと、仮装をしているのは間違いなく男子生徒です。女子生徒による不正ではありません』
(え?なに?なに?僕、何かした??)
不安になってキョロキョロしていると、突然「ワー!!」と大きな歓声が響き渡った。
「マジで男かよ!!」
「完成度高すぎだろ!!」
「ヤバっ!可愛すぎ~!!」
あ、なんかわかんないけど、盛り上がってるから大丈夫なのかな…?ホッとしていると、準備をしてくれた女の子達が手を振っていたので手を振り返すと、また歓声が上がった。
(うわ~ん!!こんな注目されるなんて思ってもいないのに!!僕、どうしたらいいんだろ?)
と、内心ものすごく泣きそうになっていた…。
ヒロインがものすごい形相で睨んでいたなんて気づくことも無く…。
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類(ヤバい…歩の可愛さがみんなにバレてしまう!まぁ、クラスメイト以外にはバレていないと思うが、問題はあの女だな。今も仮装の台から睨んでいるようだし…。何かやらかしたら……制裁だな)
圭(歩、無自覚にフェロモン撒きすぎ!!あ~でもやっぱカワイイわ~!!…っと、あからさまに睨んでんなあの女。まったく…歩に敵うわけないって~の!!そろそろ、とどめだな…)
一哉(うわ~…歩可愛すぎ!あの三人、歩の良さをめちゃくちゃ引き出してくれてるな。ありがとう!ん?南路山さん…歩のことまだ敵視してるのか…。はぁ~…何で俺達に絡んでくるんだろう?歩以外はカボチャなのに…)
那(歩君、カワイイ!!今すぐギュってしたいな~…。お昼休みに早くならないかな~。…あ、またあの女が歩君見てる。もう、いい加減にして欲しいな。そろそろみんな限界かなぁ?)
風(やっぱり歩君が一番カワイイ!!ギュってしたいな~…。いっぱい写真撮ってもらおう!…あの女、まだ絡んでくるつもり?もううんざりなんだけど…。今日でおわりかな…)
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