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25.気になっていたこと
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何とかキララさんに見つからずに学校を脱出することが出来た。
「さっきの事は俺から類と圭に伝えとく」
「「よろしく、かず君」」
「…ここではかず君って言うな…」
「伊達君、また明日!」
「ああ、また明日」
さっと踵を返し、校舎へと向かう伊達君。僕たちは、伊達君の背中を見送って駅へと向かった。
「あ、そういえば…」
「何?歩先輩」
「この間から気になってたんだけど、皆って知り合いだったの?」
「あ…うん」
「幼馴染(…ライバル)」
「そうだったんだ!だから名前で呼んでたんだね。僕全然知らなくて。いつから?」
「…幼稚園から」
「すご~い!!ずっとみんな一緒なんだね!」
僕がそう言うと、二人は少し複雑な表情をしていた。あんまり知られたくなかったのかなぁ…?
「ごめん、聞いちゃまずかった…?」
「う、ううん!けっこう皆知ってる事だから気にしないで」
そ、そうだっんだ!僕、どれだけ周りに疎いんだろう…。
「…本当はもう一人いたんだ」
「え?」
「幼馴染、もう一人いたんだけど、幼稚園の途中で俺達の前からいなくなったんだ」
「そうなんだ…」
いなくなって、引っ越し?それとも…。なんとなく踏み込んじゃいけない気がしてそれ以上は聞かなかった。
ズキッ
あれ?何だろ?少し頭が痛いかも…。
「歩先輩、どうかした?」
「な、何でもないよ。あ、そろそろ駅だね」
頭痛はほんの一瞬で、駅に着くころには痛みは全く無くなった。何だったんだろう…?
「「マンションまで送ってく」」
「え?だ、大丈夫だよ!キララさんついてきてないし」
「俺達が不安だから」
「マンションまで送らせて?」
「うっ……」
子犬みたいな目で僕を見る二人。う~~そんな顔されたら断れないじゃないか~!
「もう…仕方ないな~…」
にこっと微笑み、僕の手を取って改札を抜けホームへと向かう。
何だろう…、以前にもこんなことがあったような…。
他愛もない話をしていると、あっというまに僕の住むマンションに到着した。
「じゃ、歩先輩」
「また明日」
「あ…良かったら寄って行く?昨日作ったお菓子があるんだけど…」
送ってもらうのを断っておいて、誘うのはおかしいかな?と思いながらも、僕は二人をお茶に誘っていた。
「「行く」」
考えることも無く二人は返答して、また僕の手を握ってエントランスへと向かって歩き出した。
那都君と風悠君のいつものスキンシップなのに、僕の心臓はドキドキと早鐘を打っていた。
(男同士なのに、僕なんでドキドキしちゃってるんだろう…)
疑問に思いながら、チラッと二人の綺麗な横顔を盗み見て一人納得する。
(これだけの美形に手を握られたら誰でもドキドキするよね!)
「さっきの事は俺から類と圭に伝えとく」
「「よろしく、かず君」」
「…ここではかず君って言うな…」
「伊達君、また明日!」
「ああ、また明日」
さっと踵を返し、校舎へと向かう伊達君。僕たちは、伊達君の背中を見送って駅へと向かった。
「あ、そういえば…」
「何?歩先輩」
「この間から気になってたんだけど、皆って知り合いだったの?」
「あ…うん」
「幼馴染(…ライバル)」
「そうだったんだ!だから名前で呼んでたんだね。僕全然知らなくて。いつから?」
「…幼稚園から」
「すご~い!!ずっとみんな一緒なんだね!」
僕がそう言うと、二人は少し複雑な表情をしていた。あんまり知られたくなかったのかなぁ…?
「ごめん、聞いちゃまずかった…?」
「う、ううん!けっこう皆知ってる事だから気にしないで」
そ、そうだっんだ!僕、どれだけ周りに疎いんだろう…。
「…本当はもう一人いたんだ」
「え?」
「幼馴染、もう一人いたんだけど、幼稚園の途中で俺達の前からいなくなったんだ」
「そうなんだ…」
いなくなって、引っ越し?それとも…。なんとなく踏み込んじゃいけない気がしてそれ以上は聞かなかった。
ズキッ
あれ?何だろ?少し頭が痛いかも…。
「歩先輩、どうかした?」
「な、何でもないよ。あ、そろそろ駅だね」
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「「マンションまで送ってく」」
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「俺達が不安だから」
「マンションまで送らせて?」
「うっ……」
子犬みたいな目で僕を見る二人。う~~そんな顔されたら断れないじゃないか~!
「もう…仕方ないな~…」
にこっと微笑み、僕の手を取って改札を抜けホームへと向かう。
何だろう…、以前にもこんなことがあったような…。
他愛もない話をしていると、あっというまに僕の住むマンションに到着した。
「じゃ、歩先輩」
「また明日」
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送ってもらうのを断っておいて、誘うのはおかしいかな?と思いながらも、僕は二人をお茶に誘っていた。
「「行く」」
考えることも無く二人は返答して、また僕の手を握ってエントランスへと向かって歩き出した。
那都君と風悠君のいつものスキンシップなのに、僕の心臓はドキドキと早鐘を打っていた。
(男同士なのに、僕なんでドキドキしちゃってるんだろう…)
疑問に思いながら、チラッと二人の綺麗な横顔を盗み見て一人納得する。
(これだけの美形に手を握られたら誰でもドキドキするよね!)
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