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24.ターゲット?
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無事(?)に放課後になり、那都君と風悠君とは図書室で待ち合わせの為、伊達君に図書室まで一緒に向かってもらっている。
「ごめんね伊達君。態々図書室まで付いてきてもらって」
「いや、あ…逢坂を一人にしたら危ないから」
何となく、キララさん絡みなんだろうけど一応口にしないでいる。
図書室が近くなると、女性の声が聞こえてきた。
「…ちっ。…逢坂、ちょっとここに隠れてて」
「あ、うん」
図書室に向かう伊達君を曲がり角からこっそり見ると、入り口に那都君と風悠君とキララさんが立っていた。
「ねぇ、那都君、風悠君!あたしはわかってるからね!無理しなくていいんだよ!」
「「……」」
熱弁するキララさんを、無表情で見ている那都君と風悠君。あ~あれはかなりイライラしてるかも…。
「那都、風悠」
「一哉君遅い」
「変なのに絡まれたじゃん」
「ちょ、変なのって…」
「悪い。ちょっとHRが長引いてな。で、南路山さんは二人に用事?」
「よ、用事って言うか…イベントが…」
「イベント?図書室にイベントなんて無いでしょ?本を読むとこなんだから」
「そ、そうなんだけど~…」
あ~…、キララさん図書室でのイベントの為に来てたんだ。でも、出会いのイベント何気に出来てなっかたのに次のイベント発生するのかなぁ?それに、二人同時にイベントは起きなかったと思いうけど…。
「…用事無いならもう良いかな?」
「あ…。…ねぇ!今日あの男の子は一緒じゃ無いの?」
「「「…男の子?」」」
「そう!少し背の低い、いっつもあなた達の側にいるモブ!」
…僕の事なんだろうけど、キララさん…モブって言っちゃってるよ…。
「…誰の事?もしかして歩先輩の事?」
あ、那都君の声が低くなってる…。
「”歩”っていうの?あのモブ」
「…歩先輩に何か用?」
あ、風悠君まで低くなってる…。
「用は無いけど、何でいっつも一緒にいるの?あんなキャラ、ゲームにはいなかったのにおかしくない?見た目も普通だし、相応しくないと思うのよね」
キララさんに言われなくても、僕が普通なのはわかってます。何より、僕がみんなと一緒にいるのを一番不思議に思ってますから…。でも、今それ言っちゃったら…。
「「失礼なあなたに言う必要はありません。失礼します」」
「え?!ちょ、ちょっと待って…!」
「…南路山さん、俺も失礼するよ」
「一哉君まで?!ねぇ、ちょっと待ってよ!!」
三人は僕の方に向かって来て、その後ろをキララさんが追いかけてきていた。
「待ってったらー!」
「「「…ちっ」」」
あきらかに三人は苛立っていて、あからさまに舌打ちをしていた。…聞こえてますよ。
「歩先輩、少し走って」
「え?あ、うん」
二人に手を引かれながら廊下を走り、伊達君も一緒になって走っていた。キララさんと少し差が開くと、どこかの教室に入り、中から鍵を掛けた。そんなに運動が得意じゃない僕は、息を切らしてはぁはぁと呼吸をしていた。
「もう!どこに行ったのよ!!」
廊下から怒ったキララさんの声が聞こえて、とっさに手で口を押えた。扉がガタガタと鳴り、何故か怖くなって体を小さくすると、三人が僕の背中や腕をさすってくれた。
パタパタと足音が遠ざかり、僕は口から手を外しふ~っと溜息をついた。
「行ったみたいだな…」
「「しつこい」」
「悪いな逢坂…うまく立ち回れなくて」
「「ごめんめ歩先輩」」
申し訳なそうな顔をして謝る三人だけど、全然悪くないのに何で謝るんだろう。
「そんな…!皆は何も悪くないよ!」
それよりも、あからさまにキララさんに標的にされてしまったような気がして、僕の背中に冷や汗が流れていた。これ、悪役令嬢物じゃ無いのに~!!!
「ごめんね伊達君。態々図書室まで付いてきてもらって」
「いや、あ…逢坂を一人にしたら危ないから」
何となく、キララさん絡みなんだろうけど一応口にしないでいる。
図書室が近くなると、女性の声が聞こえてきた。
「…ちっ。…逢坂、ちょっとここに隠れてて」
「あ、うん」
図書室に向かう伊達君を曲がり角からこっそり見ると、入り口に那都君と風悠君とキララさんが立っていた。
「ねぇ、那都君、風悠君!あたしはわかってるからね!無理しなくていいんだよ!」
「「……」」
熱弁するキララさんを、無表情で見ている那都君と風悠君。あ~あれはかなりイライラしてるかも…。
「那都、風悠」
「一哉君遅い」
「変なのに絡まれたじゃん」
「ちょ、変なのって…」
「悪い。ちょっとHRが長引いてな。で、南路山さんは二人に用事?」
「よ、用事って言うか…イベントが…」
「イベント?図書室にイベントなんて無いでしょ?本を読むとこなんだから」
「そ、そうなんだけど~…」
あ~…、キララさん図書室でのイベントの為に来てたんだ。でも、出会いのイベント何気に出来てなっかたのに次のイベント発生するのかなぁ?それに、二人同時にイベントは起きなかったと思いうけど…。
「…用事無いならもう良いかな?」
「あ…。…ねぇ!今日あの男の子は一緒じゃ無いの?」
「「「…男の子?」」」
「そう!少し背の低い、いっつもあなた達の側にいるモブ!」
…僕の事なんだろうけど、キララさん…モブって言っちゃってるよ…。
「…誰の事?もしかして歩先輩の事?」
あ、那都君の声が低くなってる…。
「”歩”っていうの?あのモブ」
「…歩先輩に何か用?」
あ、風悠君まで低くなってる…。
「用は無いけど、何でいっつも一緒にいるの?あんなキャラ、ゲームにはいなかったのにおかしくない?見た目も普通だし、相応しくないと思うのよね」
キララさんに言われなくても、僕が普通なのはわかってます。何より、僕がみんなと一緒にいるのを一番不思議に思ってますから…。でも、今それ言っちゃったら…。
「「失礼なあなたに言う必要はありません。失礼します」」
「え?!ちょ、ちょっと待って…!」
「…南路山さん、俺も失礼するよ」
「一哉君まで?!ねぇ、ちょっと待ってよ!!」
三人は僕の方に向かって来て、その後ろをキララさんが追いかけてきていた。
「待ってったらー!」
「「「…ちっ」」」
あきらかに三人は苛立っていて、あからさまに舌打ちをしていた。…聞こえてますよ。
「歩先輩、少し走って」
「え?あ、うん」
二人に手を引かれながら廊下を走り、伊達君も一緒になって走っていた。キララさんと少し差が開くと、どこかの教室に入り、中から鍵を掛けた。そんなに運動が得意じゃない僕は、息を切らしてはぁはぁと呼吸をしていた。
「もう!どこに行ったのよ!!」
廊下から怒ったキララさんの声が聞こえて、とっさに手で口を押えた。扉がガタガタと鳴り、何故か怖くなって体を小さくすると、三人が僕の背中や腕をさすってくれた。
パタパタと足音が遠ざかり、僕は口から手を外しふ~っと溜息をついた。
「行ったみたいだな…」
「「しつこい」」
「悪いな逢坂…うまく立ち回れなくて」
「「ごめんめ歩先輩」」
申し訳なそうな顔をして謝る三人だけど、全然悪くないのに何で謝るんだろう。
「そんな…!皆は何も悪くないよ!」
それよりも、あからさまにキララさんに標的にされてしまったような気がして、僕の背中に冷や汗が流れていた。これ、悪役令嬢物じゃ無いのに~!!!
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