乙女ゲームのモブに転生したようですが、何故かBLの世界になってます~逆ハーなんて狙ってないのに攻略対象達が僕を溺愛してきます

syouki

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23.ヒロインとの遭遇

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 お昼休みも終わりが近づき、それぞれ生徒会室を後にした。と言っても、僕と伊達君は同じクラスなので一緒に教室に向かう。

「悪いな、あ…逢坂」
「気にしないで!理由は良くわからないけど、伊達君と仲良くなれて嬉しいよ!」
「そ、そうか…」

 伊達君は顔を赤くして、僕から顔をそらした。
 廊下の角を曲がろうとした所で、ドンッ!と誰かに打つかり、僕は後ろによろけた。

「歩!」

 咄嗟に伊達君が抱きとめてくれて、僕は尻もちをつかずにすんだんだけど、相手は倒れたようだ。

「痛い…!」
「「あっ…」」

 見ると、ヒロインが床に座り込み、目に涙を貯めてこっちを見ていた。

「一哉君…」

 うるうると助けを求めるように伊達君を見るキララさん。しかも何気に名前呼びだし…。何かちょっと…。

「はぁ~…。えっと、南路山なじやまさんだっけ?」
「キララって呼んで」
「…南路山さん、ぶつかってきたのは君だよ。まずは、謝るべきじゃないのかな?」

 俯き、伊達君から見えない角度で僕を睨むキララさん。

「ごめんなさい…でも足が痛くて…」

 きゅるるんって効果音が付きそうな仕草と表情で、伊達君を見るキララさん。…あざとすぎない?

「お?どうした伊達」
「あ、先生。彼女、ぶつかってきた拍子に足痛めたみたいなので困っていたんです」
「お~また南路山か。後は俺が対応しておくから、教室に戻っていいぞ~」
「ありがとうございます。行こう、逢坂」
「あ、うん。先生、ありがとうございます」
「ちょっ、待って!」

ぺこりと先生に頭を下げて教室に向かった。ちらりと振り向くと、キララさんが先生に引きずられるように連れて行かれていた。足、大丈夫かな?

「心配しなくても、足なんて痛めてないから気にしなくて良い」
「え?そうなの?」
「昨日も類たちに打つかって足痛めたみたいだが?」
「あ…!」

そう言えば、さっきその話を聞いたばっかりだった!昨日痛めてたら、あんなに勢いよく打つからないよね。

「やっぱり接触してきたか…」
「ん?どうしたの伊達君?」
「あ、いや何でもない。それより、逢坂は怪我してないか?」
「うん。伊達君が支えてくれたから」
「そっか…」

ホッとした顔で微笑む伊達君。

(!!)

そ、その顔は反則だよ~!!普段笑わないだけにドキドキしちゃうよ~!!

「顔赤いけど、熱でも…」
「え?!あ、ううん!大丈夫!ちょっと暑かっただけだから!」
「そ、そうか…」

は~。キララさんにも驚いたけど、伊達君の笑顔の方が何倍も心臓に悪いよ…。あれ?そう言えばさっき名前で呼ばれなかったっけ?



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