11 / 56
11.幸せなひと時
しおりを挟む
「歩先輩、立てる?」
「怪我してない?」
「逢坂、タオルを濡らして来るから待ってろ」
「逢坂君、向こうに座ろうか」
「逢坂、後で新しいの奢るからな」
みんなが優しい。
「あっ…」
優しくされて、なんか自分が情けなくなて、ポロっと涙を流してしまった。
「ごめん、ちょっと目にゴミが…」
我ながらベタな言い訳だと思った。すると、両サイドから目元をペロッと舐められギュっと抱きしめられた。
「えっ?那都君?風悠君?」
「「ゴミ取れた?」」
突然の事に驚いて涙は引っ込んでしまった。と、同時に二人の気遣いが嬉しかった。
「うん、ありがとう。もう大丈夫だよ」
と、笑って答えると二人もにっこりと笑ってくれた。
「逢坂、タオル濡らしてきたから」
「ありがとうございます」
伊集院先輩からタオルを受け取り、クリームとプリンまみれの顔を拭いた。ふ~さっぱりした。
「あ、汚しちゃってすみません!あの、新しいの買ってきますから!」
「もう貰ったから良いよ」
そう言って、伊集院先輩は僕の頭をまた二回ポンポンとした。
「逢坂。ほら、新しいクレープ」
伊達君が、恥ずかしいそうに僕にクレープを差し出してきた。
「ありがとう伊達君。あ、恥ずかしかったよね?このクレープ買うの…」
おおよそ伊達君のイメージとはかけ離れたクレープ。しかも、みんなここに居るから一人で並んで買うなんて、きっとすごく勇気がいったと思う。
「大丈夫だ。気にするな」
(あっ…)
伊達君が、今まで見たことも無い優しい笑顔を見せた。
(うわぁ~ツンデレの笑顔の破壊力半端ないな~!!)
「あ、そう言えばみんなのクレープは?」
「「「「あっ…」」」」
皆、手にクレープを持ってなかったので気になって聞いてみたら、僕がこけた時にみんな落としちゃったようで…。
「ご、ごめんね…」
何だか申し訳なくて謝っていると、宮之阪先輩がこっちに向かって歩いてきた。
「はい、後の4人分は俺の奢りね」
「悪いな類」
「「ありがとうございます」」
「すみません、先輩」
宮之阪先輩と目が合うと、パチッとウインクをされた。ふふ、先輩優しい~!!
この後、みんなで仲良くクレープを食べた。那都君と風悠君のクレープも一口貰ってもう幸せだった。
「今日はありがとうございました。僕、こっち何で。さよなうなら!また明日~!」
僕は反対方向なので、駅で皆とは別れることになった。
さすがに、5人全員揃ってると道行く人がチラチラ見てる。僕だけ場違いだよね~…。
でも、皆と仲良くなれたからヒロインの行動が見やすいかも!ヒロイン、誰ルート狙ってるのかなぁ~。
「…さて。みんな今日は俺の家に寄って行くよね?」
「え?類、俺も?」
「「…ごめんなさい」」
「……」
「うん、み・ん・な。車呼んでるから逃がさないよ」
「怪我してない?」
「逢坂、タオルを濡らして来るから待ってろ」
「逢坂君、向こうに座ろうか」
「逢坂、後で新しいの奢るからな」
みんなが優しい。
「あっ…」
優しくされて、なんか自分が情けなくなて、ポロっと涙を流してしまった。
「ごめん、ちょっと目にゴミが…」
我ながらベタな言い訳だと思った。すると、両サイドから目元をペロッと舐められギュっと抱きしめられた。
「えっ?那都君?風悠君?」
「「ゴミ取れた?」」
突然の事に驚いて涙は引っ込んでしまった。と、同時に二人の気遣いが嬉しかった。
「うん、ありがとう。もう大丈夫だよ」
と、笑って答えると二人もにっこりと笑ってくれた。
「逢坂、タオル濡らしてきたから」
「ありがとうございます」
伊集院先輩からタオルを受け取り、クリームとプリンまみれの顔を拭いた。ふ~さっぱりした。
「あ、汚しちゃってすみません!あの、新しいの買ってきますから!」
「もう貰ったから良いよ」
そう言って、伊集院先輩は僕の頭をまた二回ポンポンとした。
「逢坂。ほら、新しいクレープ」
伊達君が、恥ずかしいそうに僕にクレープを差し出してきた。
「ありがとう伊達君。あ、恥ずかしかったよね?このクレープ買うの…」
おおよそ伊達君のイメージとはかけ離れたクレープ。しかも、みんなここに居るから一人で並んで買うなんて、きっとすごく勇気がいったと思う。
「大丈夫だ。気にするな」
(あっ…)
伊達君が、今まで見たことも無い優しい笑顔を見せた。
(うわぁ~ツンデレの笑顔の破壊力半端ないな~!!)
「あ、そう言えばみんなのクレープは?」
「「「「あっ…」」」」
皆、手にクレープを持ってなかったので気になって聞いてみたら、僕がこけた時にみんな落としちゃったようで…。
「ご、ごめんね…」
何だか申し訳なくて謝っていると、宮之阪先輩がこっちに向かって歩いてきた。
「はい、後の4人分は俺の奢りね」
「悪いな類」
「「ありがとうございます」」
「すみません、先輩」
宮之阪先輩と目が合うと、パチッとウインクをされた。ふふ、先輩優しい~!!
この後、みんなで仲良くクレープを食べた。那都君と風悠君のクレープも一口貰ってもう幸せだった。
「今日はありがとうございました。僕、こっち何で。さよなうなら!また明日~!」
僕は反対方向なので、駅で皆とは別れることになった。
さすがに、5人全員揃ってると道行く人がチラチラ見てる。僕だけ場違いだよね~…。
でも、皆と仲良くなれたからヒロインの行動が見やすいかも!ヒロイン、誰ルート狙ってるのかなぁ~。
「…さて。みんな今日は俺の家に寄って行くよね?」
「え?類、俺も?」
「「…ごめんなさい」」
「……」
「うん、み・ん・な。車呼んでるから逃がさないよ」
170
お気に入りに追加
423
あなたにおすすめの小説

イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした
和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。
そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。
* 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵
* 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。

この道を歩む~転生先で真剣に生きていたら、第二王子に真剣に愛された~
乃ぞみ
BL
※ムーンライトの方で500ブクマしたお礼で書いた物をこちらでも追加いたします。(全6話)BL要素少なめですが、よければよろしくお願いします。
【腹黒い他国の第二王子×負けず嫌いの転生者】
エドマンドは13歳の誕生日に日本人だったことを静かに思い出した。
転生先は【エドマンド・フィッツパトリック】で、二年後に死亡フラグが立っていた。
エドマンドに不満を持った隣国の第二王子である【ブライトル・ モルダー・ヴァルマ】と険悪な関係になるものの、いつの間にか友人や悪友のような関係に落ち着く二人。
死亡フラグを折ることで国が負けるのが怖いエドマンドと、必死に生かそうとするブライトル。
「僕は、生きなきゃ、いけないのか……?」
「当たり前だ。俺を残して逝く気だったのか? 恨むぞ」
全体的に結構シリアスですが、明確な死亡表現や主要キャラの退場は予定しておりません。
闘ったり、負傷したり、国同士の戦争描写があったります。
本編ド健全です。すみません。
※ 恋愛までが長いです。バトル小説にBLを添えて。
※ 攻めがまともに出てくるのは五話からです。
※ タイトル変更しております。旧【転生先がバトル漫画の死亡フラグが立っているライバルキャラだった件 ~本筋大幅改変なしでフラグを折りたいけど、何であんたがそこにいる~】
※ ムーンライトノベルズにも投稿しております。

好きな人がカッコ良すぎて俺はそろそろ天に召されるかもしれない
豆ちよこ
BL
男子校に通う棚橋学斗にはとってもとっても気になる人がいた。同じクラスの葛西宏樹。
とにかく目を惹く葛西は超絶カッコいいんだ!
神様のご褒美か、はたまた気紛れかは知らないけど、隣同士の席になっちゃったからもう大変。ついつい気になってチラチラと見てしまう。
そんな学斗に、葛西もどうやら気付いているようで……。
□チャラ王子攻め
□天然おとぼけ受け
□ほのぼのスクールBL
タイトル前に◆◇のマークが付いてるものは、飛ばし読みしても問題ありません。
◆…葛西視点
◇…てっちゃん視点
pixivで連載中の私のお気に入りCPを、アルファさんのフォントで読みたくてお引越しさせました。
所々修正と大幅な加筆を加えながら、少しづつ公開していこうと思います。転載…、というより筋書きが同じの、新しいお話になってしまったかも。支部はプロット、こちらが本編と捉えて頂けたら良いかと思います。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる