乙女ゲームのモブに転生したようですが、何故かBLの世界になってます~逆ハーなんて狙ってないのに攻略対象達が僕を溺愛してきます

syouki

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4.魅惑のランチタイム

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宮之阪先輩は、少しだけドアを開けて伊集院先輩と話し出した。僕に聞こえないように小さな声で話してるから、大事な話なのかな?
話し終えたのか、宮之阪先輩が不機嫌な顔で振り向き、伊集院先輩が笑顔で部屋に入って来た。

「逢坂、俺も一緒にご飯して良い?」
「あ、はい。僕は大丈夫ですけど」
「やった」

そう言って伊集院先輩は僕の隣に座ろうとしたけど、宮之阪先輩に阻止された。

「圭はそっち」
「…わかったよ」

不貞腐れたように、伊集院先輩は僕の向かいの席に座った。

「あれ?先輩お昼ご飯は?」
「ああ、さっき食堂で食べてきた」

伊集院先輩は、手に持っていた苺ミルクジュースを僕に差し出しニカッと笑った。

「好きだろ?」
「あ、はい。好きです。ありがとうございます」

何で僕が苺ミルクを好きなの知ってるんだろう?ま、いっか。
ありがたく頂戴すると、伊集院先輩の顔が少し赤くなっていた。

お弁当を食べ終わると、宮之阪先輩は席を立ち、備付のミニキッチンに向かい、プリンを手に席に戻って来た。

「はい逢坂。デザートだよ」
「ありがとうございます!僕、プリン大好きなんです!」

両手でプリンを受け取ろうとしたら、ヒョイッと取り上げられ、ペリペリと蓋を開けられた。

(僕のじゃなかったのかな…?)

呆然と見ていると、スプーンに乗せられたプリンが目の前に差し出された。

「はい逢坂、あーん」
「へ?あ、あーん…?」

びっくりしておずおずと口を開くと、すっとスプーンが口の中に入れられ、口を閉じるとゆっくりとスプーンが引き抜かれた。

「美味しい?」
「は、はい。美味しい…です…」
「良かった。はいあーん」

結局、最後まで"あーん”で食べるはめになり、恥ずかしくて罰ゲームでもされてる気分だった。

「…ずるいぞ類」
「何の事だ?部屋に入れたことだけでも感謝してもらいたいくらいだ」

何やら目の間で先輩達が睨み合ってるけど、伊集院先輩もプリン食べたかったのかな?

「もう少し話をしたかったがそろそろ時間だな」

時計を見ると、もう少しで予鈴が鳴る時間だった。お弁当を片付けて3人で部屋を出た。

「宮之阪先輩、今日はありがとうございました」
「こちらこそ、卵焼き美味しかったよ」
「先輩の唐揚げも美味しかったです。では、失礼します」

ぺこりと頭を下げて生徒会室を後にした。



―――残された2人

「職権乱用」
「人聞きが悪いな~、助けたお礼をしてもらっただけだよ」
「生徒会室じゃ無くてもいいだろ」
「プリンがあったからね」
「チッ…そういう事にしといてやるよ」
「どうも」




教室に戻ると、伊達君が僕の席にやって来た。

「逢坂、お昼どこか行ってたのか?」
「あ、うん。宮之阪先輩と一緒にお昼食べてた。後から伊集院先輩も来たよ」
 

パキッ

あれ?何か壊れた音がしたような…?

「良かったら、明日は俺とお昼一緒に食べないか?」
「?良いよ」
「約束したからな」
「うん」

そう言って伊達君は自分の席に戻って行った。伊達君とお昼か~。恥ずかしくないお弁当にしないと!




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