乙女ゲームのモブに転生したようですが、何故かBLの世界になってます~逆ハーなんて狙ってないのに攻略対象達が僕を溺愛してきます

syouki

文字の大きさ
上 下
2 / 56

2.あれ?イベント?

しおりを挟む
翌日。

僕はウキウキした気持ちで学校に向かった。

(4人の攻略は終わってたけど、類ルートが途中だったんだよな~。とりあえず、ヒロインがどのキャラと接触してるか確認しないと!)

校門をくぐり、下駄箱に向かう途中でピンクの髪の毛を見つけた。

(ヒロインだ!)

始業までにはまだ時間はあるのに、何故かヒロインは走って校舎に向かっていた。

(あれ?こんなシーンあったっけ?)

疑問に思いながらも、ヒロインを見ながら歩いていると後ろから腕を引っ張られバランスを崩したところ、ポスっと誰かに受け止められた。

「危ないな~。もう少しで壁にぶつかるところだったぞ」
「あ、す、すみません!」

振り向くと、僕を助けてくれたのは攻略対象の伊集院 圭先輩だった。

「気を付けろよ、

そう言って、僕の頭を二度ポンポンして爽やかな笑顔で去って行った。

「あ、ありがとうございました!」

は~やっぱりカッコイイな~。って!ヒロインは?!
キョロキョロと辺りを見渡すと、もの凄い形相でこちらを見ていた。そして、プイっと顔を背け、校舎へと入って行った。

「今、睨まれた…?」

何故睨まれたのか分からないまま、僕も校舎に向かった。あれ?今のって、伊集院圭とのイベントじゃなかったっけ?


教室に向かう途中で、宮之阪先輩を見かけた。昨日のお礼を言わないとと思ったが、お友達と話しているようで邪魔しちゃ悪いなと思っていたら、先輩と目が合ってしまった。先輩はお友達に断りを入れ、僕の方に歩いてきた。

「逢坂、学校に来て大丈夫なのか?」
「おはようございます。はい、おかげ様でケガもしていないので大丈夫です。先輩、昨日は助けていただきありがとうございました」

頭を下げてお礼を言うと、先輩はふんわりと微笑んで僕を見た。

「逢坂が無事で良かったよ」
「あの、何かお礼がしたいのですが…」
「気にしなくていいのに。ん~…じゃあ、今日一緒にお昼食べてくれる?」
「え?」
「お昼休みに生徒会室で待ってるから」

そう言って、またひらひらと手を振ってお友達の元へ戻って行った。お昼一緒に食べるのがお礼になるのかなぁ…??

教室に入ると、同級生が「昨日大変だったな」「大丈夫か?」と声を掛けてくれた。助けてくれたのが宮之阪先輩だったから注目の的だったのだろう。「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」と言うと、「しんどくなったら言えよ」と言ってくれた。ゲームではモブだけど、ちゃんとクラスメイトとしては存在出来てることに嬉しくなった。席に着くと、「逢坂」と呼ばれ、顔を上げたら目の前に攻略対象の伊達 一哉が立っていた。

「おはよう、委員長」
「おはよう。…昨日階段から落ちたって聞いたけど、本当に大丈夫か?」

伊達君は、クラス委員長として心配してくれてるんだろうなぁ。

「うん、偶然宮之阪先輩が受け止めてくれたおかげで、どこも怪我してないよ」
「…チッ」

うん?今、舌打ちした?

「今度からは、一人で運ぶの無理そうなら俺に声掛けてくれ。手伝うから」
「ありがとう。委員長優しいね」

にっこり笑うと、委員長は照れてるのか顔を赤くした。

「その、委員長って呼ぶの止めてくれないか」
「ご、ごめん。みんな呼んでるからつい…。伊達君で良いかな」
「ま、まぁ、今はそれで良い…。今日は無理するなよ」

そう言って、伊達君は席に戻って行った。んん?これもイベントじゃなかったっけ?

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした

和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。 そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。 * 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵 * 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。

みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。 男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。 メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。 奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。 pixivでは既に最終回まで投稿しています。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。 ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。 あの日までは。 気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。 (無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!) その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。 元日本人女性の異世界生活は如何に? ※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。 5月23日から毎日、昼12時更新します。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

この道を歩む~転生先で真剣に生きていたら、第二王子に真剣に愛された~

乃ぞみ
BL
※ムーンライトの方で500ブクマしたお礼で書いた物をこちらでも追加いたします。(全6話)BL要素少なめですが、よければよろしくお願いします。 【腹黒い他国の第二王子×負けず嫌いの転生者】 エドマンドは13歳の誕生日に日本人だったことを静かに思い出した。 転生先は【エドマンド・フィッツパトリック】で、二年後に死亡フラグが立っていた。 エドマンドに不満を持った隣国の第二王子である【ブライトル・ モルダー・ヴァルマ】と険悪な関係になるものの、いつの間にか友人や悪友のような関係に落ち着く二人。 死亡フラグを折ることで国が負けるのが怖いエドマンドと、必死に生かそうとするブライトル。 「僕は、生きなきゃ、いけないのか……?」 「当たり前だ。俺を残して逝く気だったのか? 恨むぞ」 全体的に結構シリアスですが、明確な死亡表現や主要キャラの退場は予定しておりません。 闘ったり、負傷したり、国同士の戦争描写があったります。 本編ド健全です。すみません。 ※ 恋愛までが長いです。バトル小説にBLを添えて。 ※ 攻めがまともに出てくるのは五話からです。 ※ タイトル変更しております。旧【転生先がバトル漫画の死亡フラグが立っているライバルキャラだった件 ~本筋大幅改変なしでフラグを折りたいけど、何であんたがそこにいる~】 ※ ムーンライトノベルズにも投稿しております。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

処理中です...