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2.あれ?イベント?
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翌日。
僕はウキウキした気持ちで学校に向かった。
(4人の攻略は終わってたけど、類ルートが途中だったんだよな~。とりあえず、ヒロインがどのキャラと接触してるか確認しないと!)
校門をくぐり、下駄箱に向かう途中でピンクの髪の毛を見つけた。
(ヒロインだ!)
始業までにはまだ時間はあるのに、何故かヒロインは走って校舎に向かっていた。
(あれ?こんなシーンあったっけ?)
疑問に思いながらも、ヒロインを見ながら歩いていると後ろから腕を引っ張られバランスを崩したところ、ポスっと誰かに受け止められた。
「危ないな~。もう少しで壁にぶつかるところだったぞ」
「あ、す、すみません!」
振り向くと、僕を助けてくれたのは攻略対象の伊集院 圭先輩だった。
「気を付けろよ、逢坂」
そう言って、僕の頭を二度ポンポンして爽やかな笑顔で去って行った。
「あ、ありがとうございました!」
は~やっぱりカッコイイな~。って!ヒロインは?!
キョロキョロと辺りを見渡すと、もの凄い形相でこちらを見ていた。そして、プイっと顔を背け、校舎へと入って行った。
「今、睨まれた…?」
何故睨まれたのか分からないまま、僕も校舎に向かった。あれ?今のって、伊集院圭とのイベントじゃなかったっけ?
教室に向かう途中で、宮之阪先輩を見かけた。昨日のお礼を言わないとと思ったが、お友達と話しているようで邪魔しちゃ悪いなと思っていたら、先輩と目が合ってしまった。先輩はお友達に断りを入れ、僕の方に歩いてきた。
「逢坂、学校に来て大丈夫なのか?」
「おはようございます。はい、おかげ様でケガもしていないので大丈夫です。先輩、昨日は助けていただきありがとうございました」
頭を下げてお礼を言うと、先輩はふんわりと微笑んで僕を見た。
「逢坂が無事で良かったよ」
「あの、何かお礼がしたいのですが…」
「気にしなくていいのに。ん~…じゃあ、今日一緒にお昼食べてくれる?」
「え?」
「お昼休みに生徒会室で待ってるから」
そう言って、またひらひらと手を振ってお友達の元へ戻って行った。お昼一緒に食べるのがお礼になるのかなぁ…??
教室に入ると、同級生が「昨日大変だったな」「大丈夫か?」と声を掛けてくれた。助けてくれたのが宮之阪先輩だったから注目の的だったのだろう。「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」と言うと、「しんどくなったら言えよ」と言ってくれた。ゲームではモブだけど、ちゃんとクラスメイトとしては存在出来てることに嬉しくなった。席に着くと、「逢坂」と呼ばれ、顔を上げたら目の前に攻略対象の伊達 一哉が立っていた。
「おはよう、委員長」
「おはよう。…昨日階段から落ちたって聞いたけど、本当に大丈夫か?」
伊達君は、クラス委員長として心配してくれてるんだろうなぁ。
「うん、偶然宮之阪先輩が受け止めてくれたおかげで、どこも怪我してないよ」
「…チッ」
うん?今、舌打ちした?
「今度からは、一人で運ぶの無理そうなら俺に声掛けてくれ。手伝うから」
「ありがとう。委員長優しいね」
にっこり笑うと、委員長は照れてるのか顔を赤くした。
「その、委員長って呼ぶの止めてくれないか」
「ご、ごめん。みんな呼んでるからつい…。伊達君で良いかな」
「ま、まぁ、今はそれで良い…。今日は無理するなよ」
そう言って、伊達君は席に戻って行った。んん?これもイベントじゃなかったっけ?
僕はウキウキした気持ちで学校に向かった。
(4人の攻略は終わってたけど、類ルートが途中だったんだよな~。とりあえず、ヒロインがどのキャラと接触してるか確認しないと!)
校門をくぐり、下駄箱に向かう途中でピンクの髪の毛を見つけた。
(ヒロインだ!)
始業までにはまだ時間はあるのに、何故かヒロインは走って校舎に向かっていた。
(あれ?こんなシーンあったっけ?)
疑問に思いながらも、ヒロインを見ながら歩いていると後ろから腕を引っ張られバランスを崩したところ、ポスっと誰かに受け止められた。
「危ないな~。もう少しで壁にぶつかるところだったぞ」
「あ、す、すみません!」
振り向くと、僕を助けてくれたのは攻略対象の伊集院 圭先輩だった。
「気を付けろよ、逢坂」
そう言って、僕の頭を二度ポンポンして爽やかな笑顔で去って行った。
「あ、ありがとうございました!」
は~やっぱりカッコイイな~。って!ヒロインは?!
キョロキョロと辺りを見渡すと、もの凄い形相でこちらを見ていた。そして、プイっと顔を背け、校舎へと入って行った。
「今、睨まれた…?」
何故睨まれたのか分からないまま、僕も校舎に向かった。あれ?今のって、伊集院圭とのイベントじゃなかったっけ?
教室に向かう途中で、宮之阪先輩を見かけた。昨日のお礼を言わないとと思ったが、お友達と話しているようで邪魔しちゃ悪いなと思っていたら、先輩と目が合ってしまった。先輩はお友達に断りを入れ、僕の方に歩いてきた。
「逢坂、学校に来て大丈夫なのか?」
「おはようございます。はい、おかげ様でケガもしていないので大丈夫です。先輩、昨日は助けていただきありがとうございました」
頭を下げてお礼を言うと、先輩はふんわりと微笑んで僕を見た。
「逢坂が無事で良かったよ」
「あの、何かお礼がしたいのですが…」
「気にしなくていいのに。ん~…じゃあ、今日一緒にお昼食べてくれる?」
「え?」
「お昼休みに生徒会室で待ってるから」
そう言って、またひらひらと手を振ってお友達の元へ戻って行った。お昼一緒に食べるのがお礼になるのかなぁ…??
教室に入ると、同級生が「昨日大変だったな」「大丈夫か?」と声を掛けてくれた。助けてくれたのが宮之阪先輩だったから注目の的だったのだろう。「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」と言うと、「しんどくなったら言えよ」と言ってくれた。ゲームではモブだけど、ちゃんとクラスメイトとしては存在出来てることに嬉しくなった。席に着くと、「逢坂」と呼ばれ、顔を上げたら目の前に攻略対象の伊達 一哉が立っていた。
「おはよう、委員長」
「おはよう。…昨日階段から落ちたって聞いたけど、本当に大丈夫か?」
伊達君は、クラス委員長として心配してくれてるんだろうなぁ。
「うん、偶然宮之阪先輩が受け止めてくれたおかげで、どこも怪我してないよ」
「…チッ」
うん?今、舌打ちした?
「今度からは、一人で運ぶの無理そうなら俺に声掛けてくれ。手伝うから」
「ありがとう。委員長優しいね」
にっこり笑うと、委員長は照れてるのか顔を赤くした。
「その、委員長って呼ぶの止めてくれないか」
「ご、ごめん。みんな呼んでるからつい…。伊達君で良いかな」
「ま、まぁ、今はそれで良い…。今日は無理するなよ」
そう言って、伊達君は席に戻って行った。んん?これもイベントじゃなかったっけ?
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