乙女ゲームのモブに転生したようですが、何故かBLの世界になってます~逆ハーなんて狙ってないのに攻略対象達が僕を溺愛してきます

syouki

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1.乙女ゲームの世界

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「よいしょ…」

先生に頼まれて重たい資料を抱えて階段を登っていると、降りてきた人とぶつかってしまい足を滑らせてしまった。

「えっ…?!」

手から荷物が離れ、体がスローモーションの様に落ちていくのがわかる。

(あ、死ぬ…かも…)

そう感じた瞬間、僕の頭の中に僕の物じゃ無い記憶が走馬灯の様に流れ込んできた。

(何…これ…?)

そして、僕は意識を失った―――――



「…ん…」

目が覚めると、僕はベッドの上だった。

「ここは…?」
「気がついた?」

僕の顔を覗き込むその顔は、金髪に金色の目をした美青年。生徒会長の宮之阪 類先輩だった。

「み、宮之阪先輩…?!」

起き上がろうとした僕は、先輩にやんわりと制された。

「階段から落ちたんだから、無理しちゃダメだよ」
「あ…」

そう言われて、僕は階段から落ちた事を思い出した。と同時に、落ちる瞬間に頭の中に流れてきたもう一つの記憶を思い出し、しばし呆然としていた。

「いきなり落ちてきたから驚いたよ。受け止めたんだけど、どこか痛めたかな?」
「あ、大丈夫です。ご迷惑をお掛けしました」
「こんな時は”ありがとう”だよ」
「あ…ありがとうございました」
「うん。お大事にね、逢坂 あゆむ君」

去り際に手をひらひらと振って宮之阪 類は保健室から出て行った。僕は、先生に言われるままこの日はそのまま帰宅することになった。

家に帰り、自分の部屋に入ると、机に座りノートに状況を書き出すことにした。
まず、ここは「ハイスクールメモリー~あなたと過ごすスクールライフ」通称「ハイメモ」の世界で間違いは無い。そして、この世界での僕の名前は”逢坂 歩”。以前の名前は残念ながら思い出せない。そして、職業はゲームの攻略方法を紹介する会社に勤めていて、日々攻略に明け暮れていた。そして「ハイメモ」攻略中に事故に遇い、何故か「ハイメモ」の世界に転生している。まさか自分が異世界転生をするなんて…。そして、僕の記憶では、この顔も名前も「ハイメモ」の中では見たことも聞いたことも無かった。なので、いわゆるモブキャラなのだろう。

「はぁ~どうせなら攻略対象に転生したかったな~…」

「ハイメモ」は高校生の主人公が、イケメンと恋に落ちる王道ストーリー。
ヒロインは高校2年生の転入生。薄いピンクのストレートロングの美少女。そして攻略対象は5人。
一人目。3年生テニス部キャプテン 伊集院 圭。赤茶赤目の爽やかイケメン。
二人目。同級生の伊達 一哉。濃紺の髪と目。銀縁眼鏡をかけた成績優秀イケメン。クラス委員長。
三・四人目。1年生で双子で南 那都なつ。銀髪翠眼。南 風悠ふゆ。銀髪碧眼。年下だが背も高く大人っぽい。
そして、五人目。3年生生徒会長 宮之阪 類。金髪金眼。みんなの憧れ。最難関。

その、宮之阪類と会話するなんて、なんてラッキーなんだ!出会う事すら難しいキャラなのに!

何故かわかんないけど、せっかく「ハイメモ」の世界に転生したんだから、陰ながら主人公と攻略対象の恋を見守ろうと決意した。

あれ?そう言えば宮之阪先輩僕の名前呼んでたけど、僕、名乗ったかな??
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